ここ最近、日中は子ども達が半袖で過ごす機会がチラホラ出てくるようになりました。
今はまだ風が涼しいので汗をかかないのですが、これから初夏~真夏~残暑と汗をかく機会がたくさん増えるでしょうね。
ところが今、暑い日でも汗をかかない(かけない)子どもが増えているとのこと。
汗をかけないとどうなるのか、対処法はあるのか、その原因と対策を調べてみました。
汗の役割
“汗をかかない子どもが増えている”というのはご存知でしたか?
近年医学界でも問題視されている現象の一つで、低体温の子どもが増えていることとも関係があるようです。
“汗”は、身体の体温調節をするために必要な機能です。
身体を動かすことで体内で熱が発生し、そのために身体が熱くなってくるという現象はどなたも経験があるのではないでしょうか。
人間の深部温度は37℃前後で、私達はその温度を保つことにより命を継続できているのですが、運動や外気温などで体内が熱くなりすぎると生命維持活動に大きな影響を与えることになります。
そうならないために汗をかくことで身体を冷やし、体温を下げることによって深部温度を一定に保っているのです。
ちなみにですが、秋~冬に手足の先が冷たくなることってありますよね。実はあれも深部温度を保つための自然現象だそうです。
あまりに寒いときには身体がブルブル震えますが、身体を奮わせることで熱を作り出し、深部温度を下げないように調整しているとのこと。
汗をかいたり身体を震わせたりで身体を守ろうとしているんですね。
低体温との関係は?
こちらもまた最近増えているという低体温症の子ども達。
参考にどうぞ→平熱36℃以下の人は要注意!低体温になればなるほど免疫力も比例して減少傾向。病気になりやすい身体に。
なぜ低体温の子供が増えてしまったのか。
その原因にはどうやら私達の生活習慣が関係しているようです。
汗腺の発達は3歳までの環境で決まる!?
汗をかくための通路である“能動汗腺”の発達は、2歳半~3歳頃までだと言われています。
熱い地域で育った人は汗腺が発達していますし、寒い地域で育った人は汗腺は少ないというのはなんとなく想像がつくでしょう。
日本の気候から考えると、熱帯地方で育った人と寒冷地法で育った人のちょうど中間あたり(250万~350万)の汗腺発達が平均的だと言われているのですが、エアコンなどの空調設備の普及に伴い、最近の子ども達は生まれた時から快適な室温で暮らせるため、汗をかく機会が昔に比べて極端に減っています。
汗をかく機会が少ないということは当然汗腺の発達も進みません。
と、いうことは…。
夏の暑い日や、外遊びなどで走りまわっているときは、通常であれば体内の熱を逃がすために汗をかいて身体を冷やそうとするのですが、汗腺が発達していない子の場合、汗を十分にかけないので身体の熱は体内に留まったまま。
でも深部温度は37℃前後には保っていなければならない。
そこで身体がどう変化するかというと、生命を維持するため体内で熱を起こさせないように調節してしまうのです。
つまり、基礎代謝を悪くすることで体温を上げない。
いわゆる『低体温状態』を維持するようになってしまうのです。
これが近年増えている『低体温児』のカラクリです。
低体温は免疫力が落ち病気にかかりやすくなるため、基礎体温を上げる努力が必要となってきます。
汗腺はもう発達しないの?
「3歳までエアコンを使い続けていた子はもう手遅れなの!?」と心配な親御さんもいらっしゃるかもしれませんが、そんなことありません。
確かに能動汗腺の数は3歳あたりで決まってしまうのですが、今からでも汗をかく機会を意識的に増やすことで、改善できる可能性は大いにあります。
能動汗腺の数は既に3歳頃までに決まってしまっているのでその数を増やすことはできませんが、一つの汗腺から出す汗の量を増やすなどは今からでも間に合います。
方法としては、
・湯船にじっくり浸かる
・ジョギングやウオーキング、水泳などの有酸素運動をする
というのが効果的です。
短時間で思いっきり汗をかくというよりは、ジワジワ汗をかく練習をするというイメージです。
これらを繰り返すことにより、徐々に汗を出すのがうまくなっていきますので、熱中症の予防のためにもぜひ取り入れてみてください。
顔が真っ赤になる子は要注意!!運動後など、大して汗をかいていないのに顔が真っ赤になっている子をちょこちょこ見かけますが、このようなタイプの子は特に注意してください。
体内の熱がうまく外に放出されていないために体内が熱く、顔が火照って真っ赤になってしまっているので、早急に冷やしてあげる必要があります。
体温調節がうまくできていないと感じたら、それは汗腺が原因かもしれません。
今からできる対策をしっかりしてあげましょう。
おわりに
週間天気予報によると、来週私の住んでいる地域あたりでは気温が25℃まで上昇するそうで、また熱中症に警戒する季節がやってきたなぁ…と感じています。
汗をかけない子どもの増加は熱中症に罹患する子どもの増加を意味しており、それは非常に危険なことです。
ぜひ『汗をかくトレーニング』を実施し、本格的な暑さに備えましょう。
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