子供の頃を思い出してみてください。
夏休み前の高揚感、苦手なことができた時の達成感、ちょっと高い場所に上ったときの景色…。
些細なことや、大人から見たら「なんで?」と思うようなことにワクワクすることが多かった気がしませんか?
大人になった今はどうでしょう?
日々のちょっとしたことにワクワクしていますか?
好奇心をずっと持ち続けられる人は、幸せを感じやすいそうですよ。
“経験”が好奇心を左右する!?
子供の頃に頻繁にワクワクしていたことが嘘のように、日々淡々と過ごしておられる方も多いでしょう。
私もその一人で、毎日同じルーティンの繰り返しであっという間に一週間が流れていきます。
きっと先週も先々週も同じような一週間を過ごしていたんだろうな…なんて変化のない毎日なんだろう…と常々思っております。
なぜ大人になるとワクワクが減ってしまうのでしょうか。
大人の持つ“経験”が行動を狭くする
人は誰でも日々生きていく中で経験を積みます。
それが物事を考える際に軸となり成功への近道となっていくのですが、皮肉なことに経験が積み重なれば積み重なるほどワクワクが減ってしまうこともあります。
最初はドキドキして乗っていたジェットコースターも、何度も乗っているうちに慣れてしまい面白さが大してなくなってしまう、というような感覚ですね。経験があるとどのようなものかわかっているので刺激が徐々になくなってしまうのです。
さらに、過去の経験から「やらない」という選択をすることだってたくさんあります。
子供が好奇心旺盛なのは、恐怖・失敗などのマイナス感情よりやりたい!知りたい!という感情が勝るから。
大人は過去の経験から失敗した時の怖さなどが先行して、得られるはずのワクワク感を頻繁に足止めされているのです。
脳は新たなチャレンジを拒絶するようできている
何か新しいことに挑戦する、ということは勇気がいることですし心に余裕がないとなかなかできません。
大人になると仕事や家事、育児など、毎日必ずやらなければならないことが増えます。
それをこなしつつ新たなこと、というのは誰もができることではありません。
人間の脳はルーティンを作りたがる構造になっているってご存知でしたか?
日々同じことを繰り返すというのは、脳にとってはとても楽な状態。
イレギュラーなことや問題が起こったとしても、ルーティンの中での出来事であれば自分の経験値から解決方法を知っているので脳は安心しているんです。
反面、新たなことにチャレンジするということは今まで知らなかったことを経験しなければならないので、脳にとっては恐怖でありストレスです。
新しいことを始めようとするときに悩んだり後回しにしたりするのは、脳の正常な反応と言えるのです。
※この仕組みを詳しく知りたい方はこちらの記事も合わせてどうぞ!→成長と共に行動が脳に支配される!?大人が変化を嫌うのには脳の特性が関係していた!
好奇心は脳の活性化に役立つ
子供にとっていつも身近にいる親。
子供は両親からの影響を大きく受けながら成長していきます。
親が様々なことに挑戦する姿、読書で知識を増やしている姿、誰にでも積極的な姿などは、当たり前の風景として子供の目に映り、そのうち当たり前のように子供も取り入れていきます。
成長するのは子供時代に限ったことではありません。
大人になったって知らないことは山ほどあるし、勉強したいと思えば知識を得ることだってできます。
いつもと変わらないと思っていた毎日がちょっと楽しくなってくるのは、いつもと違う景色が見えた時が多いのではないのでしょうか。
脳の衰えは誰にも避けられない
人間の脳は年齢を重ねるごとに神経細胞が衰え、委縮し始めます。
脳の認知機能は20代後半から衰え始めるとも言われ、健康な人でも加齢による脳の萎縮は避けられません。
中でも一番早く委縮が始まるのが前頭前野。
この部分は判断能力、思考、コミュニケーションという人間にとって最も重要ともいえる認知機能が備わっています。
人は、「判断が鈍った」「人の名前がなかなか出てこない」という症状で脳が委縮し始めていることを認識し始めるのかもしれません。。
怖いですよね~…。
このままどんどん衰えていくと思うと、恐怖です。
もし脳の衰えを少しでも遅らせる方法があるとしたら、試してみたいと思いませんか?
脳の救世主、ドーパミン
楽しいこと、何かに夢中になることは、ドーパミンを分泌させることに大いに役立ちます。
ドーパミンは、心の機能に関与する脳の神経伝達物質を含むもので、これが分泌されることでやる気が出たり、幸せを感じることができます。「やる気ホルモン」「幸せホルモン」という別名もついているほど、私達にプラスの働きをしてくれます。
それだけではなく、ドーパミンが分泌されることで思考・判断・コミュニケーションなどの前頭前野が関わる部分が活性化され、脳の衰えを遅らせる役目も果たします。
ドーパミンは
・趣味や楽しいことに没頭する
・運動をする
・新たなことをやってみる
・感動する
などで分泌量を増やすことができます。
ストレスが溜まっていると分泌量が抑えられてしまうので、好きなことをして脳をリラックスさせ、ドーパミンを分泌する準備をしましょう。
大人が好奇心を取り戻すには
好奇心とは「珍しいことや未知のことなどに興味をもつ心」。
好奇心とほぼ無縁になってしまった大人に「好奇心を取り戻そう」といったところで何から手を付けていいやら…。結局いつもの毎日に埋もれてしまうのが大人なのかもしれません。
しかし、好奇心を取り戻すことがもし我が子のためだったら___。
ちょっと頑張ってみようかな、という気になりませんか?
好奇心の強い子は賢くなる
脳医学者の瀧靖之先生は、
「ワクワク」「ドキドキ」などの好奇心から心が動く経験は、脳によい刺激を与えます。
その刺激によって、神経回路が繋がり、整い、神経細胞のネットワークが構築されます。
そして神経回路が多く密に張り巡らされているほど、情報の伝達や処理が早く深くスムーズになります。
それが、よく働く賢い脳です。
脳内では、感情と記憶を司る分野はきわめて近いところにあります。
だから、楽しかったり驚いたり心が動かされる経験の方が、圧倒的に頭に入りやすく、定着しやすいのです。
「好奇心」がなければ「賢い脳」にはなり得ないと思います。
とおっしゃっています。
好奇心旺盛な子は賢いだけではなく、周囲から愛されることも多いです。
常にアンテナが立っている状態なので場の雰囲気を察することが得意だったり、人に興味を持ちやすいので相手の話を聞くのがとても上手、流行に敏感でオシャレ上手、未知の物事に挑戦したい気持ちが強いので自分の可能性を拓いていきやすい、色々なことに挑戦するので話の引き出しが多い、などいいことづくめ。
でも、好奇心をずっと保つことはとても難しい。
小さい頃には誰もが必ず持っている好奇心を長く持続させるためにはどうしたらいいでしょうか。
家族中で好奇心の塊になる
例えばお子さんが昆虫にハマっていたとします。
好奇心の持続に図鑑は最高のアイテムで、たくさんの昆虫がいることやどんな特徴があるかを知るだけでも脳からドーパミンがたくさん分泌されます。
ドーパミンが分泌されることにより「知らないことを知った快感」を脳が学び、「もっと知りたい!!」という好奇心が生まれやすくなるのです。
図鑑で知識を得た後は、実際に山や昆虫博物館などに出向き本物を見せること。
本物を見たという体験は、最終的な理解へ繋がっていきます。
図鑑や絵本の中で見ていたものと実際のものとを繋げる体験を繰り返すことで知的好奇心の土台がどんどん造り上げられ、好奇心を持続させる力になっていくのです。
「本物を体験しに行く」という行動をぜひ家族全員でやってみてください。
「親と本物を見に行った」という記憶が子供には残るし、親は子供が好奇心に駆り立てられている姿を見ることで「過去に自分にも同じ時期があったな…」と好奇心を目覚めさせるきっかけをつかめるかもしれません。
良かったら、
・博物館
・美術館
・世界遺産
等にも目を向けてみてください。
親が子供の好奇心に振り回されることは、親も夢中になることや、見えなくなっていた何かを見つけるためにとても効果的な方法だと私は思います。
初めての体験を子供と一緒にする
親もまだやったことのない経験を子供と共にすることはそれぞれにとても刺激が大きいです。
オススメなのは、一緒に体験すること。
ガラス工房でガラス製品を作るもよし、同じ習い事をするもよし、とにかく親子で一緒の体験をしましょう。
ただ一緒にするだけじゃだめですよ!
大事なのは一緒に楽しむことです。
旅行先で体験すると思い出が一層深く!
旅行が好きで度々国内旅行をしている我が家ですが、日程の中に1回は親子で体験できる何かを取り入れるようにしています。
過去に、
長崎県九十九島でシーカヤックをしたり、
熊本県の阿蘇山でパラグライダーをしたり、
同じく阿蘇山の麓で朝日が昇る時間帯に気球に乗りました。
来週は群馬県沼田市の利根川でラフティングをする予定です。
※写真は全てイメージで実際のものとは違います💦
子供と一緒にやったことのないことを体験することは後に振り返ったときにも「あの時すっごい楽しかったよね」と思い出すことが多く、また思い出に残る何かを企画しようと次の新たな挑戦に繋がります。
そのワクワクが何度も脳に刺激を与え、好奇心を駆り立てる原動力になるのです。
もっと身近なところで行けば
・読んだことのない本を一緒に読んでみる
・行ったことのない場所に行ってみる(いつもと違う道を通るのが効果的)
・一緒にゲームをしてみる(TVゲームでもカードゲームでもボードゲームでもどれでもOK)
・一緒に何かを作ってみる
など、一緒にできる初体験はたくさんあります。
たまにはそんな機会を作ってみてはいかがでしょうか。
※私事ですが、コロナで学校も幼稚園もお休みの期間に親子で双六を作りました。本棚から折り紙の本を久々に引っ張り出し、いろんな形に折って切って貼って…と久々に童心に返ったような不思議な感覚になりました。
大人と一緒に何かを製作するという行為は子供にとっても楽しく刺激的なものだったようです。
良かったらこちらの記事も参考にどうぞ→子供の脳の発達には指先の訓練が不可欠!工作で成長を促すきっかけ作りを。
大人が手軽にワクワクするために
ワクワクを思い出すには、音楽も効果的です。
好奇心旺盛だった小中高校生時代に流行った曲を聴くだけで当時の記憶がよみがえり、その当時に戻ったように錯覚してしまうこともあるかもしれません。
恋愛でもドーパミンはたくさん出るので効果的なのですが、結婚してたら新たに恋愛は無理…。
なのでパートナーと付き合い始めた時に付けていた香水をつけてみるとか、日記をつけているのであれば過去の日記を読んだりして、ドキドキ感をちょっと思い出してみるのもいいかもしれませんよ!
好奇心旺盛なお友達がいるのであれば、そういう人たちと積極的に交流を持つことでもたくさん刺激を受けます。
大人になると未知の世界に入ることが怖くなりますが、一歩踏み出して自分の世界をもっと広げていきましょう。
大人になってからのワクワクは、そのまま趣味に繋がる可能性も高いです。
何歳になっても、きっと素敵な発見があるはずですよ☆
おわりに
人生において経験をしたかしていないかというのはとても大きな違いです。
ただ知識が豊富な人に教わるのと実際に体験したことのある人に教わるのとでは、同じテーマであっても答えは違うものになるのではないかと思います。
実際に体験したことがある、というのはその人の持つ大きな武器です。
できる経験は子供のうちからさせておくと、大人になってその経験がグッと生きてくるでしょう。
「知っていること」「経験のあること」は人生の財産。
子供に心の財産をたくさん残そうと思うのであれば、親も子供と一緒に何かに夢中になることです。
時間は取り返しがつきません。
思い出はあとから買うこともできません。
家族で過ごせる時間は一日…また一日…と今この瞬間にも減っているのです。
子供と一緒にできること、今から始めてみませんか?
こんな本も参考にするといいかもしれません。
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