コロナによる緊急事態宣言が明けてから、毎朝必ず体温を計って登校するのが子供達の日課になりました。
我が家の子供達も毎朝体温チェックを欠かさないのですが、気になることが。
体温が35度台のことが結構多いのです。
夜も体温チェックをするよう指導を受けているので計るのですが、夜は大体36℃ちょっと。
最近では平熱35℃台の人は全然珍しくはないですが、体温の低さは身体にとってはあまりいいことではないようです。
こちらも参考にどうぞ→平熱を上げるための対策は子供のうちから!食事・運動で基礎体温上昇を狙え!!
平熱が36℃未満は低体温と言える
まず、体温にはどのような作用があるのかを見ていきましょう。
免疫力維持にはある程度の体温が必須
私達の身体は、体温を上げることにより免疫力を活性化しています。
風邪をひいたりインフルエンザに罹ったりすると熱が上がるのは、体内の免疫力に十分な働きをしてもらうため。
体温を上げることで免疫力をより活発にし、病源菌をやっつけてもらっているのです。
逆に言えば、体温が低いと免疫力の働きは弱まります。
低ければ低いほど免疫力は落ち、疲れやすく病気にかかりやすい身体になってしまいます。
体温が1℃下がると免疫力は30~40%低下し、体温が1℃上がると免疫力は5~6倍アップすると言われています。
低体温のリスク
体温が36℃以下になると免疫力が落ちて様々な病気にかかりやすくなります。
生活習慣病やアレルギーといったリスクも上がりますが、中でも気を付けたいのはがんとうつ病です。
がんに罹患しやすくなる
がん細胞に関しては体温が35℃台(主に35℃)の時に一番増殖しやすいという研究結果が出ており、がん患者を対象にした調査によると、がん患者の大多数が平熱が35℃台であったという報告もあります。
心臓や脾臓など、生命維持のために絶対に止まってはならない臓器部分は体温が高いためがん細胞はできづらいそうですが、その他の臓器は体温低下とともに臓器温度も下がるため、がん細胞に狙われやすくなります。
1954年初版の『医学大辞典』(南山堂)には「日本人の平均は36度89分±0.34」と記載があり、今から70年ほど前は36度5分~37度2分が日本人の平均基礎体温だったということになります。
現代人の2~3人に1人はかかると言われているがんの大きな要因の一つには低体温が絡んでいることは間違いなさそうです。
うつ病を引き起こしやすくなる
低体温はうつの症状を引き起こしやすいとも言われています。
はっきりした原因は解明されてはいませんが、低体温とうつ病には密接な関係があることだけは確かです。
低体温だと血液の循環が滞りがちになり、各臓器に必要な栄養・酸素などがうまく届けられなくなります。
中でも心の安定を保つために欠かせない、別名幸せホルモンとも呼ばれる「セロトニン」という物質は就寝中には作られず、朝目覚めて太陽光を浴びることで脳内のセロトニン神経が刺激され分泌が始まります。
その時に低体温だと身体の様々なスイッチが入りづらくセロトニンの分泌もうまくいきません。その結果「だるい」「何もやる気が起きない」など、うつに似た症状が毎朝出がちになります。
自殺者は午後よりも午前中に多い傾向があるようで、セロトニン効果、それを促すための基礎体温はやはり密接な位置にいるのだと思わざるをえません。
【余談】セロトニンに関する誤解
先程ご紹介したセロトニンですが、分泌される場所によりその効果は違います。
セロトニンの内訳とその効果
・腸のぜんどう運動を促す
・ストレスで分泌され、腹痛や下痢を引き起こす
※腸内のセロトニンの過剰分泌は、ぜんどう運動が過剰になり下痢を引き起こしやすくなる
・止血作用
・血管を収縮させる
※血液中のセロトニンが過剰になると肩こりや片頭痛と言った不快な症状をもたらす結果に。
・不安や痛みなどを和らげる
・前頭前野(思考力・判断力・記憶力・学習力・想像力・集中力・制御力・意欲・他者とのコミュニケーション能力など)を活性化する
セロトニンは体内の3箇所から分泌されていますが、その量や効果はバラバラです。
腸内や血液中のセロトニンの過剰分泌は人にとっては不快でしかありません。
俗にいう「幸せホルモン」は脳内のみで作られ、これが分泌されることで私達は心の健康を保っています。
この記事を書くにあたりよく調べてみると「腸内で90%もの幸せホルモンが作られているから腸内環境をよくすることが健康への近道だ!」という記載をちょこちょこ見かけました。
腸内環境をよくすることは健康にとっていいことには間違いないのですが、腸内で分泌されるセロトニンが幸せホルモンとイコール、というのは間違いです。
腸内で分泌されるセロトニンは腸の動きを促す作用のみで、名前は同じでも幸せホルモンとは程遠い別のものです。
書かれている情報が全て正しいわけではないので、大切なことは鵜呑みにせずにご自身で調べるという作業も時には必要です。
お気を付けくださいね。
基礎体温を上げるためにできること
では、体温を上げるためにはどのような方法があるのでしょうか。
食事で改善する
バランスの取れた食事はもちろんですが、朝ごはんを欠食していると体調が整いません。
文科省の調査では、小学校6年生の11.3%が朝ごはんを取っておらず、年齢が上がるにつれてその割合は増加しているそうです。
朝ごはんをしっかりと食べ、エネルギーを蓄えることで体温の上昇が期待できます。
図からもわかる通り、朝ごはんを食べる人の方が食べない人より体温は高い傾向にあります。
それだけではなくテストの点数なども朝食をしっかりとっている子の方が点数が高いことが分かっているため、朝ごはんはとても大切です。
体温を上げる食材でオススメなものを調べたのですが、米やパン、豆類、野菜類、魚や肉といったほとんどの食材が出てきたので、要は偏らずにバランスの取れた食事が一番効果的だということでしょう。
当然のことながら温かい食べ物は身体を温め、冷たい食べ物は身体を冷やすため、体温を上げたいのであれば温かい食事を選択したほうがいいですね。
運動をする
運動不足と言われる生活をしている人が現代にはたくさんいます。
公共交通機関の発達や自家用車の普及などで歩く機会が極端に減り、家電製品も便利なものが増え、洗濯も掃除も食器洗いも随分楽になりました。
人間が楽になった分だけ運動不足になっているといってもいいでしょう。
実は、体温の40%は筋肉から作られているのです。
この筋肉が運動不足により減少するということは体温の低下にそのまま繋がっていることになり、逆に筋肉を増やせれば体温は高くなるということになります。
下半身には筋肉が多いため、下半身を中心にした運動が効果的です。
身体を冷やしすぎない
地球温暖化に伴い、毎年熱中症での死者が絶えないほどに暑くなりました。
エアコンは今では生きるために必要な家電になっていますが、適切な温度での使用が求められます。
極端に冷やしすぎず、28度くらいにして扇風機も併用するなど、地球のためにもご自身の身体のためにも設定温度に注意しましょう。
できるだけ湯船に浸かる
身体を芯から温めるには入浴が欠かせません。
暑いときはシャワーで済ませがちになりますが、体温を上げたいのであれば湯船に浸かりましょう。
浸かって汗がジンワリ出てくるころには体温が約1℃ほど上昇しており、体温が上がった分免疫力もアップしています。
入浴習慣は未来の免疫力に差が出るという見解もあるので、時間がある方はぜひゆっくり入浴することをおすすめします。
ストレスを上手く発散する
日々のストレスは誰にでもあるもの。
しかしそのストレスを上手く発散できるかどうかが体温上昇への別れ道。
ストレスを感じると人の身体は血管が収縮して血液の流れが悪くなり、血液の流れが悪くなることによって体温が低下していきます。
ご自身に合ったストレス発散方法を知ることは心身を守るのにとても大切なことです。
おわりに
子供は体温が高いと思っていたのに、10歳・7歳の娘たちの朝の体温が35℃台であることに衝撃を受け、これじゃマズイ…と思って今回はこのテーマにしました。
子供達と一緒に毎朝検温するようになり、自分や家族の身体を少しでもわかるようになって良かったな、と思います。
身体は温めることがとても大切。
特に女の子は小さい頃から体を冷やしすぎると将来の不妊に繋がることもあるそうで、今から注意していかなければなりません。
基礎体温を上げて、ますます元気に頑張っていきましょう!!
健康な心身は食べ物から!ご興味のある方はこちらもどうぞ。
コメント
[…] 参考にどうぞ→平熱36℃以下の人は要注意!低体温になればなるほど免疫力も比例して減少傾向。病気になりやすい身体に。 […]