大手損害保険会社の火災保険が、来年10月からの契約を現在の10年から最長5年で調整する見通しになっていることをご存知でしょうか。
契約期間が短期となればなるほど火災保険料の負担が実質増えることになるので、今後は食料品の値上げと同じように保険料の家計への直撃は避けられず、悩ましいところでしょう。
とはいえ、毎年のように日本のどこかで災害が起こっている昨今、万が一の時の備えに火災保険は欠かせません。
今後火災保険への加入や乗換をご検討の方に向け、火災保険の仕組みや選び方を基礎からお伝えしていこうと思います。
保険料の仕組み
最長10年から5年に…と、従来の半分の期間までしか契約ができなくなる見通しとなった火災保険。
保険料はその特性上、長期契約であればあるほどに割安になっていくのですが、10年から5年に短縮されたことにより今後は負担が増えることになります。
その大きな要因は毎年のように起こる“自然災害”です。
保険料ってどう決まる??
火災保険の保険料は、純保険料+付加保険料で決定します。
図の通り、純保険料は保険事故が発生した際に保険金として支払われ、付加保険料は保険会社の必要経費のための料金です。
保険は相互扶助の商品ですから、〇万件ある家のうち火災事故を起こすのは△件、台風で水災事故に遭うのは□件など、膨大なデータからその確率を割り出し、各家庭均等に保険料を支払いお互いがお互いを支えています
ところが昨今、想像もしなかったゲリラ豪雨や大型台風、突風や竜巻、大震災に土砂災害などが各地で頻発するようになり、保険会社への請求が予想を大きく上回る事態に。
火災保険の適用範囲
ところで、火災保険の役割をご存知でしょうか。
賃貸の方も持ち家の方もほぼ確実に契約している火災保険。
火災保険と言うからには、火災の時しか保険金が下りないんじゃないの?と思っている方も多いかもしれませんが、そうではありません。
火災保険の適用範囲は広く、実際は以下のようなケースでも支払われることがあります。
・雪による家屋の破損
・雹(ひょう)が降ったことによる家屋の破損
・落雷による家屋や家電の損傷
・水漏れによる家屋や家財の被害
・ガスによる爆発
・空き巣被害による窓ガラス損傷
・破損、盗難 など
上記のように、実は火災保険の適用範囲はとても広いのです。
家屋や家電の損害に関わること全般と言ってもいいかもしれませんね。
ここで注意していただきたいのは、当然のことながら上記の事項が補償範囲に含まれている場合に限り保険が適用されることです。
火災保険に入っていればいいというものではなく、加入時にご自身でどこまで補償を付けるかを選択していきます。
補償範囲が広くなればなるほどに保険料はもちろん上がっていきますので、保険料を安くしたければ補償範囲を小さくするしかありません。
火災が起きても火災保険が使えない!?
万全に見える火災保険でも、火災保険では補償できない火災もあります。
それってどんな場合だと思いますか??
実は…
地震により起きた火災には火災保険は適用できません。
地震、噴火、津波に関する被害は火災保険では補償できず、別途「地震保険」に加入する必要があります。
逆に言うと、地震以外で起きた火災はすべて火災保険で賄えるということです。
地震が起きた時の火災については地震保険が補償対象となりますので注意が必要です。
※地震保険は単独で加入することができず、火災保険に付随して加入する形になります。
車は家財に入るのか
それから注意しておきたいことがもう一つ。
例えば火災が起きて自家用車も火災の被害を受けた場合、車も家財として認められるのかどうかという点です。
結論から言うと、火災保険でいくら家財に補償をかけていたとしても、車は家財として認められず補償の対象外となってしまうので注意が必要です。
どのような火災事故であっても、車が火災保険の補償対象になることはありません。
では、火災による車の被害を補償してもらうためにはどうしたらいのでしょうか。
車の火災被害を補償するのは「車両保険」です。
火災被害の補償を車に付随させるためには、車両保険に入るしか方法がありません。
なお、バイク(125㏄以下)は火災保険の対象内です。(後述)
損害賠償請求も視野に
車は火災保険の補償対象にはならないとはいえ、
・火元となった方の重過失により起こった火災
など、火災の発生の仕方によっては被害を受けた車の損害賠償請求を火元の方にすることは可能です。
※あくまで故意・重過失等、相手方に重大な責任があった場合に限ります。
火災保険オススメの補償
さて、火災保険の仕組みはご理解いただけたでしょうか。
ここからは、火災保険契約を結ぶ上でできたらつけておきたい補償をご紹介します。
「建物」「家財」の補償範囲
火災保険には大きく分けて「建物」に対する補償と「家財」に対する補償とがあります。
「建物」に関する補償
火災保険の「建物」に関する補償範囲を確認していきましょう。
居住している建物自体のほか、畳、ふすま、備え付けの建具、ガス台、調理台、流し台、エアコン、エコキュート等の設備が建物の補償の中に含まれます。
エアコンは一見「家財」として考えられがちですが「建物に取り付けられているもの」なので「建物」として区分されます。
そして敷地内の建築物も「建物」として補償対象に含まれてきます。
具体的にはカーポート、物置、門、ウッドデッキ等ですね。
残念ながら庭木は対象外ですのでご注意ください。
「家財」に関する補償
「家財」とは、建物内で日常的に使われている動産を指します。
家具、家電製品、衣服、食器、日用品、宝石類などが対象になります。
車は車両保険でしか補償対象にはならないと先ほどお伝えしましたが、自転車や原動機付自転車(125cc以下)は敷地内にあれば「家財」として補償対象になります。
□□□バイク・自転車の盗難について□□□
火災保険ではバイクや自転車の盗難被害も補償に含ませることが可能です。
しかし、対象車両が自宅の敷地内にあったときの被害に対してのみ有効で、例えば駅やスーパーの駐輪場などの出先で盗まれた場合には補償の対象外。
また、敷地内にある対象車両が窃盗未遂に遭った場合で、盗まれてはいないけれど鍵穴が壊されていたり傷がつけられていた場合などは補償の対象となりますので速やかに保険会社へ申告しましょう。
盗難に関して、自転車やバイクが火災保険の補償対象となる条件は、
この2点は必須ですので覚えておきましょう。
意外に使える「家財」補償
火災保険の契約は
・建物のみ
・家財のみ
・建物+家財
の3種類から選ぶことができます。
補償をつければつけるほどに当然ながら費用は上がっていきますが、特に小さなお子様がいるご家庭は、建物の他に家財もお付けすることをオススメします。
例えば、
・お子さんがおもちゃを投げてガラスを割ってしまった
・パソコンにジュースをこぼされ壊れてしまった
・撮影中に体当たりされカメラを落としてしまった
・子どもが叩いてテレビの液晶部分がおかしくなってしまった
・室内で足漕ぎの車で遊んでいたらふすまに突っ込んで穴をあけてしまった…
などなど、日常生活にありがちなお子さんが絡む「家や家電破損事故」は、火災保険で助けてもらえることが実は結構多いのです。
また、万が一災害に遭い、全ての家具・家電・衣類等の買い直しが必要となると、4人家族の場合平均で1300万円ほど必要とのこと。
いくら生活再建のためとはいえ、一気にそんなお金が出せる家庭はそうないでしょうから、そんなときには保険が十分に役立ってくれます。
「保険は使わなければ損!」と考える人もいますが、実際には「使わない方が幸せ」ですよね。
それだけ大きなトラブルに見舞われなかったということですから。
それぞれのご家庭の予算や希望の補償範囲を見極めたうえで、最適な保険を探してみてくださいね。
見積もりは一括で!
火災保険についてザーッと説明してきましたがご理解いただけたでしょうか。
さて、気になるのが保険料と補償範囲。
数ある保険会社から見積もりを一件一件取っていくのはとても労力が必要になってきます。
そこでおすすめなのが、火災保険の一括見積サービス。
最短3分で最大10社の見積もりを取ることができ、思い立ったときにすぐに比較・検証ができます。
来年10月からの値上げが決定している今、保険の見直しには最適な時期と言えます。
この機会に一度一括見積をして、現在の保険と比べてみることをオススメします。
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