梅雨時期や台風シーズン、雪の降る時期などに活躍する防水スプレー。
衣類や傘などの繊維製品や、靴やかばんなどの皮革製品の表面にスプレーするだけで撥水加工が自宅でできるという手軽さが重宝されておりますが、一方で防水スプレー使用後に体調不良を訴える事故が後を絶ちません。
このスプレー、何が危険なのか、どうしたら安全に使えるのかを調べてみました。
防水スプレーで起こる事故とは
スプレーで体調不良を起こした例を調べてみると、以下のことが判明しました。
・6月・9月の長雨の時期に発生件数が最も多い
・屋内や車内などの密室での使用で事故が多発している(全体の6割強)
・屋外で使用していたとしても風向きの変化により吸い込んで体調を崩す
東京都の消費生活総合センターに実際に寄せられた相談によると、相談者が防水スプレーを自宅マンションの玄関で噴霧したところ、数時間後に高熱と呼吸困難に見舞われ、翌日病院で診察を受けると「過敏性肺炎」との診断を受け緊急入院に。酸素吸入や肺洗浄等の治療のため9日間の入院を余儀なくされた、との報告があるそうです。
他にも密室でスプレーを噴霧し、呼吸困難により亡くなられた方もいらっしゃるそうです。
なぜ呼吸器に影響が出るのか
防水スプレーはフッ素樹脂やシリコン樹脂などの撥水性のある素材を微粒子にして吹き付けることでその効果を発揮する商品です。
使用の際に噴霧されたスプレーを吸い込んでしまいその粒子が肺まで到達してしまうと、肺が撥水状態となり、酸素を吸っても吸っても取り込めない状態となり、呼吸困難等の症状を引き起こすのだそうです。
治療したとしても吸ってから何日間かは苦しい時間が続くそうで、このまま死んでしまうのでは…と感じた方も多くいるようです。
使用する本人だけでなく、周りの人…中でも小さな子供やペットなどは特に影響を受けやすいので、最大限に注意して使わなければなりません。換気扇を回しながらなら大丈夫だろう…と室内で使用してしまうケースも散見されるようですが、危険なので必ず屋外で、風上で使うようにしてください。
まとめ
防水スプレーの粒子が人体に影響を及ぼすなんて全く知らなかったので驚きでした。
使用の際は
・注意書きをよく読んで理解してから使用する
・必ず屋外で、風向きに注意しながら噴霧する
・周りに人や動物がいないか確認してから使用する
この3点は必ず守りましょう。
防水スプレー以外にもUVカットできる衣類のコーティングスプレーでも同様のことが起きるそうなので注意してください。
スプレーの粒子が大きければ大きいほど空中に舞いにくくなり肺へ到達するリスクが下がるので、メーカー側は粒子を大きくすることで人体への危険を小さくしているそうです。
一人一人が正しい知識を持って安全に使用しましょうね。
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