【上の子かわいくない症候群】行き過ぎは子どもの脳の変形リスクも。どうすれば抜け出せる??

生活

下の子が生まれたのを機に、それまでとってもかわいかった上の子のことをかわいいと思えなくなるという【上の子かわいくない症候群】に陥っている親御さんは意外に多いそうです。

風当たりがキツくなってしまった上の子もかわいそうなのですが、上の子をかわいがりたくてもかわいがれないというのは親にとっても相当辛いこと。

上の子といい関係を築くにはどうしたらいいのか、一緒に考えてみましょう。

【上の子かわいくない症候群】って??

【上の子かわいくない症候群】ってご存知でしたか?

言葉通り、上の子をかわいがることやかわいいと思うことがしづらかったりできなくなってしまったり…という状態をこのように呼ぶのですが、“症候群”とはいうものの医学的に本当にそのような病気があるわけではなく、そのような状態を総称して世間ではそう呼んでいるにすぎません。

とりわけ父親よりも母親がなりやすく、さらには男の子の母親よりも女の子の母親の方が率が高めのようです。

私もそうです

何を隠そう私も【上の子かわいくない症候群】に罹患中の一人です。

我が家は3人姉弟で、長女が2歳2か月の時に次女が、4歳9か月の時に長男が誕生しており、長女は2歳ちょっとの時期からずっと“お姉さん”として頑張っていました。

次女が生まれた時にはまだよかったのですが、長男が生まれた頃から一気に私自身に余裕がなくなり、自分でも驚くほど長女へのあたりがキツくなったように思います。(同じ上の子でも、次女には全然イライラしませんでした…)

そのころ5歳間近だった長女は、こちらのいうことはほぼ理解しお手伝いもしてくれるほどの子どもだったにもかかわらず、なぜか私は優しくできない・かわいいと思えないという感情を抱いてしまったのです。

そしてその感情が、(だいぶマシにはなりましたが)今も継続している状態です。

何でかわいくないのか

親には「小さい子供を守らなければならない」という本能が備わっているそうで、同じ我が子でもより小さい方に気が向いてしまうのはある意味仕方のないことなんだそうです。

泣いているだけで何もできない赤ん坊と、意思疎通ができて自由に動ける上の子とでは扱いが違うのが自然なのかもしれません。

上の子がかわいくないと思ってしまう原因として考えられるのが、

・下の子で手一杯なのに赤ちゃん返りをして手を煩わす

・親を取られた寂しさからか下の子をイジメて泣かせる

・単純に下の子は赤ちゃんだから無条件にかわいく思え、成長した上の子をかわいく思えない

・上の子に対しての期待度が高すぎるため、思うように動いてくれなかった時に裏切られたような気持になる

などなど様々な理由がありますが、母親のホルモンバランスが影響しているとの説もあります。

どのような理由にせよ、我が子にキツくなってしまうのは子どもにとっても親にとっても辛いことです。

上の子の言い分を考えてみる

親が「だって赤ちゃんがいるんだからしょうがないでしょ!」というのであれば、子どもにも言い分はあります。

・お姉さん(お兄さん)になりたくてなったわけじゃないのに…

・下の子ばっかりで全然構ってくれなくて寂しい…

・私(僕)だって甘えたい  など

子どもが直接親に訴えてこなかったとしても、子供心に複雑な思いを抱えているのは間違いないでしょう。

冷静になりよくよく考えてみたら赤ちゃんより大きいっていうだけで、1歳、2歳、3歳…、いやいや、4歳、5歳、6歳の子だってまだまだ小さくて甘えたい盛り。

親が勝手に上の子に期待し、それに反するようなことがあれば激怒して…って子どもからしてみたらいい迷惑ですよね。

ましてや「お姉ちゃん(お兄ちゃん)なんだから!!」などという魔の言葉を投げかけられようものなら、上の子はがんじがらめでかわいそうなことになってしまいます。

でも…。

そこをわかっていても腹が立つ…。

わかりますわかります。

私がそうでした。…というか今もそうです…。

一体どうすればこの負の感情を和らげることができるのでしょうか。

上の子を拒絶すればするほど…

上の子かわいくない症候群の最中はとにかく上の子が気に障り、大人気おとなげもなく感情のままにふるまってしまうことがよくあります。

「母親のくせに…」と思う人もいるかもしれませんが、母親にだって感情があり、抑えきれないことがあり、たとえ我が子でも受け入れられないことがあります。

“あるべき母親の理想の姿”と全くかけ離れていることは母親が一番わかっていること。

だから辛いし苦しいのです。

止まらない子どもへの拒絶感

今回このテーマを記事にしようと思うにあたり調べてみたところ、

・上の子に触れられない

・上の子を名前で呼べない

・上の子が視界に入るだけでイライラする

・無視してしまう

など、かなり深刻な状況の方もいらっしゃることを知りました。

しかも一時的ではなく、そのような状況が数年以上続いているという方も…。

 

実は私もちょっとのことでどうしようもなく長女を怒ってしまう時期があり、「このままじゃ絶対にマズイ…」と夫にヘルプを出したことがあります。

「このままだったら、私はあの子を潰しかねない。幼少期の大事な時期にひどい傷を負わせてしまうことになるかもしれない。そしてその傷が長女の人生にマイナスに影響するかもしれない…」と自分が長女にしてしまっていることを正直に伝えました。

上の子を傷つけている自分が情けなく、

自分の感情をコントロールできない自分が恥ずかしく、

いつも長女をかわいがってくれる夫や両親達に申し訳なく、

そして何より長女には謝り切れないくらい罪深いことをしている罪悪感。

それらの感情を抑えきれずに、話をしながら泣きました。

否定も肯定もせず、夫は黙って聞いてくれていました。

あえて近付いてみる

こんな状態が続いていいわけがないので、なんとかせねばと私が積極的に取り組んだことは、長女と二人きりで出かけることでした。

長男が生まれて約1年半後。

卒乳したタイミングであえて近付き二人で過ごしてみようと思ったのです。

下の二人を夫に任せて、2時間ほど二人で外出。

とても不思議な感覚でした。

二人きりになって得られたもの

家で下の子達と一緒のときの長女にはちょっとのことですぐにイライラしていたのですが、意外にも二人きりになるとなぜだかスッと長女を受け入れることができ、自分でも驚きました。

下の子を守ろうと過敏になりすぎて、家の中での長女のちょっとしたことにいちいち反応していた自分に気付いたんです。

長女を“敵”とまで思っていた時期も一時期あったのですが、長女単体になると「この子を守らなきゃ」と久々に素直な感覚が戻りました。

私が十分に構ってないから下の子に意地悪をしていたんだろうな…、抱っこもいつも一番最後だったな…、そんな思いで助手席に座る6歳の長女を見てふと思ったんです。

「この子、まだ小さいじゃない…」

そうなんです。

家では比較対象がどうしても妹・弟になってしまい大きく見えていた長女が、実はまだ小さかったことに気付いたんです。

2歳からお姉ちゃんになり、親に勝手に期待をかけられ、反するとこっぴどく叱られ…。自分がしてきたことに胸が締め付けられました。

まだまだ甘えたい盛りに妹弟に親を取られ、寂しい思いをさせてきたんだろうな。

その時期を取り戻すかのように、現在小学校5年生になった今も「抱っこして~」と言ってきます。

5年生でまだ抱っこしてもらっている子はいるのだろうか…と少々心配になりつつも、それで長女の心が満たされるなら…と要求に応えるようにしています。

スキンシップは効果大

「(拒絶感から)上の子に触れられない」とネットでこぼしていたお母さんが、「子どもに触れたことで少し心が融けた」と記事にしているのを見かけました。

その方は上の子(小学校高学年の女の子)に対する拒絶感が本当にひどく、直視できない、名前を呼べない、触れられない、という状態が6年近く続いたそうですが、ある日「このままではいけない」と自分から上の子に歩み寄り、学校へ行く前に髪の毛を整えてあげたそう。

「何年振りかで娘に触れ、意外にも思ったほど抵抗がなかった」と嬉しい気持ちを綴っていらっしゃいました。

Yahoo!知恵袋などの相談サイトでも、「上の子と二人きりになることはとても効果がある」と回答していらっしゃる方が多く、もし上の子との関係で悩んでいらっしゃる方は一度二人きりの時間を過ごしてみるといいきっかけに繋がるかもしれません。

なぜ効果的?

スキンシップをとることでオキシトシンというホルモンが脳内で分泌されるのですが、オキシトシンは別名「ハッピーホルモン」と呼ばれるほどにいい影響を与えてくれます。

愛情、絆、信頼を深く感じられたり、ストレスの緩和やリラックス効果、記憶力の向上にも作用するそう。

身体に触れることで距離感が縮まり、さらにオキシトシンの作用もあって気持ちがプラスに動くのかな~と思っています。

詳しく知りたい方はこちら→子供を毎日『抱っこ』していますか?積極的なスキンシップで子供の心を健全に!!

子どもの脳の変形リスクを減らすために

子どもの脳は、親の言動によっては変形するリスクがあることは知っていますか。

子どもの脳は傷つきやすく、傷ついてしまうと脳自体が肥大または委縮したり、うつや非行の原因になったり、マイナス要因がたくさん出てきます。

上の子がかわいくないからと叱ってばかりいると本人はもちろんのこと、それをそばで見ている下の子の脳まで傷つける恐れがあります。

親の言動一つで子どもの脳に害が出る、と思うと少しは自制する心が出てきませんか?

詳しく知りたい方はこちらを参考に→子供の脳が危ない!夫婦喧嘩を見て育った子供に待ち受ける脳の変異とは。

【上の子かわいくない症候群】をどう捉えるか

昨日見つけた記事をご紹介します。

私は、この言葉(上の子かわいくない症候群)が早く正式な診断名になればいいのにと思います。

昔からたくさんの親たちが同じ症状に悩まされていて、ホルモンやストレスの影響があるのではという声もあるのに、医学的な研究や社会の理解が進んでいない。

とても残念だし、もどかしいです。

上の子をかわいく思えない…と思った人がすぐに相談できる場所があって、ホルモンバランスやストレスレベルを調べてもらえて、アドバイスや処方薬をもらえる。そういう仕組みがあってほしい!

<中略>

娘さんは悪くないです。そして、Tさん(親)も悪くないです。

悪いのは「上の子かわいくない症候群」と、それに無関心な社会の方です。

参照:「上の子かわいくない症候群」の対処法。自分や子のせいだと悩まないで

こちらの記事を読んで、「確かにホルモンバランスやストレスの蓄積度合いがどうなのかを知ることができて、それに応じて薬が処方されれば少しは楽になるのかな」と感じた反面、「もしこれを病気としたときに『病気なんだから仕方ない』で済まされることなのだろうか」と考えてしまいました。

例えば、生まれながらになんかしらの精神病を患っていた人が殺人を犯した場合「●●病だから仕方ない」と刑が軽減されたりするのは遺族からしてみたら納得がいかないことだと思うんです。

同じように、上の子かわいくない症候群だと診断名が付き、上の子にキツい態度を取り続けて上の子の心に傷を残してしまった場合、「お母さんは病気だったから仕方がないんだよ」で果たして終わっていいことなのか疑問が残ります。

この記事のコメント欄に目を通すと、

・何でもかんでも病気のせい!ワタシ悪くない!って風潮、やめてほしいですね。
辛い気持ちはわかりますが、本人はそれで楽でしょうけど、第一子の気持ちを考えると複雑です。

・子どもに求めすぎないのは肝に銘じて欲しい。。
幼くても人間。周りに大事にされなかったら、周りを大事にすることも出来ないですよ・・。

・子どもにはなんの罪もない。
「自分は悪くない。病気のせいだ。他にも仲間がいっぱいいるし」
みたいな免罪符になるのが一番良くないのでは。

・親は自分の理不尽が病気なんだからで納得できるけど、その理不尽を浴び続けた上の子の傷はもう取り返しがつかないってのはわかってる?
取り返すにしても何倍もの時間が必要だし親のナントカ症候群を小さい子に理解しろとか無理だから。

という意見が大多数で、ちょっとホッとしました。

昨今、「病気だから仕方ないでしょ」を言い訳に人への迷惑を何とも思わない人が結構いるな…と感じていましたから…。

コメント欄に書き込んでいる人の中にはご自身が幼少期に親から当たられて辛かった…という方も多く、そのような方達の声はとても共感ができました。

上の子かわいくない症候群は、自分自身ではどうしようもないこともあるのかもしれませんが、どうしようもないと開き直るのと、それでも何とかしなければ、と前を向くのとでは結果は大きく違います。

前を向けない時期もあると思いますが、「いつかはちゃんと…」と思っているだけでもだいぶ違うと思います。

自分の感情を子どもにぶつけ傷つけることは、やはりあってはいけないこと。。。

ホルモンバランスのせいか本能なのか、はたまた全然関係のないことなのかはわかりませんが、何が原因であっても子どもを傷つけていい理由にはなりません。

もちろん、感情のコントロールができないこともあります。

でも感情のまま怒らずに一旦落ち着く努力が親にもいると思います。

変わろうとする努力、受け入れようとする努力も必要です。

少しずつでいいから、上の子を見つめてみませんか。

おわりに

私はどちらかと言うと感情的になりやすく、子ども達にどれほど感情で怒ったか数知れません。

そんな自分がとても嫌で、次からはやめようと思うのにその場になるとカッとして感情を晒してその繰り返し。

でも絶対にいつも後悔するんですよね。

あんなこと言わなきゃよかった…って。

怒りのままに言葉をぶつけたところでスッキリしないどころかモヤモヤしているので、言わない努力を少しずつしました。

怒りMAXの時に怒りをぶちまけられないくやしさ?はありましたが、怒りが落ち着いた時に「言わなくてよかったぁ~…」と心底ホッとしている自分がすごく心地よく感じたんですよね。

子どもを傷つけずに済んだ、自分のことも嫌いにならずに済んだ…って。

毎回そうもいかないのですが、5回に1回は黙っていられた、5回に2回黙っていられた…など小さな積み重ねがとても大切だと思っています。

私は長女にイライラしていたし敵のように見えたこともあるけれど、『大切な子ども』というところはブレたことはありません。

もしそれすらわからないほどに苦しんでいらっしゃる方がいるならば、早急に周りに助けを求め、一緒に改善への道を探ってもらうようにしてください。

じゃないとお子さんもあなた自身も取り返しのつかない大きな傷を抱えて生きていくことになってしまうかもしれません。

 

焦らず一歩ずつ。

上の子と良好な親子関係が築けることを願っています。

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