子どもの歯は、平均して6歳頃から乳歯が徐々に抜け始め、小学校を卒業する頃にはすべて永久歯に生え変わるのが一般的です。
個人差があるとはいえ、抜ける時期が遅かったり永久歯がなかなか出てこないなど子どもの歯に心配事を抱える親御さんも多くいらっしゃいます。
今回は、子どもの歯についてお話していこうと思います。
子どもの歯について
子どもの歯について説明していきますね。
子どもの歯は、生後6か月を過ぎた頃から順番に生えだし、上下10本ずつの計20本からスタートします。
図の赤丸のついている歯は6歳前後から、青丸のついている歯は12歳前後から、緑丸のついている歯は17歳前後から生えてくる歯。
小学校入学の頃には24本、中学校入学頃には28本、成人する頃には親知らず(緑丸)を含めて計32本が生えそろうことになります。
歯にも個人差が
抜ける時期、抜ける順番、親知らずが生えてくるかどうかなど、体格や発達に個人差があるのと同じように歯にもそれぞれの特徴があるため、過度な心配は必要ありません。
一般的に、6歳頃になると下の前歯2本が抜け、その次に上の前歯2本、下の歯と上の歯、左側と右側を交互に行ったり来たりしながら中心から奥へと順番に抜けていきます。
一部の乳歯が抜けずに大人になってもそのまま乳歯で過ごしている方もいらっしゃいますし、乳歯が抜けたのに永久歯が形成されておらず、人工歯を入れている方もいらっしゃいます。
真ん中から左右交互に奥へと抜けるものだと思い込んでいたのですが、我が家の次女の歯には奥が先に抜けて手前が後から抜けるという現象がありました。
前歯の部分。
図で説明すると、黄緑が抜けた後に黄色が抜け、最後に真ん中のオレンジが抜けたという感じです。
すごく驚いたのですが、この図の抜ける時期に着目すると、オレンジよりも黄色の方が早く抜ける可能性があるらしいことがわかり少しホッとしています…。
病院に行くのはどんな時?
乳歯から永久歯への生え変わりの際は様々な心配事がつきもの。
・永久歯が見えてきているのに乳歯が抜けない
・乳歯が抜けてかなり時間が経つのに永久歯が生えてこない
が特に多い子どもの歯のトラブルです。
抜けた後になかなか永久歯が生えてこないので心配して病院に連れて行ったのにそのまま様子見、というパターンはかなり多く…。
この場合は、乳歯が抜けるタイミングが早すぎて永久歯が出てくるタイミングに合ってないというのが原因の大半で、抜けてから半年間はさほど心配しなくていいとのこと。
でも、
という場合は迷わず歯医者さんへ。
上記の場合、適切な処置を早めにしないと歯並び、咬合、口腔環境などに影響が出ることがあります。
乳歯が全くグラグラしない場合は、永久歯の位置が骨の中でずれている可能性があり永久歯を外に出させるために抜歯が必要になります。
また、半年以上永久歯が生えてこない場合は、そもそも永久歯がなかったり(先天性欠如)、逆に永久歯が余分にある過剰歯の恐れ、歯茎がぶ厚く永久歯が出てこられない状態になっているなどが考えられ、いずれも処置が必須。
「何かおかしいな」と思ったら、必ず受診しましょう。
歯の基礎となる歯胚(しはい)が多く形成されたり、1個の歯胚が分裂したりするなどして歯が多く生成されることを過剰歯と言います。過剰形成や分裂の原因はよくわかっていませんが、女性より男性に多く、割合は3%とかなり高め。他の歯の邪魔にならなければそのまま放置することもありますが、他の歯に影響を与える場合は抜歯します。
抜けるタイミングを待つ
我が家の長女の話ですが、永久歯が生えてきているのに乳歯が抜けず、「このままじゃ乳歯が邪魔で永久歯の歯並びが悪くなるのでは…」と心配になって歯医者さんに行ったことがありました。
歯並び一つで顔の印象が変わるためきれいに生えてきてもらうために抜歯を希望したのですが、歯科医師は「抜けるタイミングを待たずにさっさと抜いてしまうのも歯並びが悪くなる原因だよ」と教えてくれました。
医師が言うには、乳歯が抜けるタイミングで抜くのが一番歯並びに影響が少ないそう。
永久歯と乳歯の二枚歯という状態を継続させるのは良くないですが、よっぽどでない限りは抜けるまで放っておくのがいいとのこと。
あまり早く抜きすぎると、抜けて無くなった歯の隙間に奥歯が少しずつズレてきて、本来の位置にある永久歯が生えてこようとしているのに奥歯が邪魔でうまく生えてこないというトラブルが起こりやすくなるそうです。
心配のあまりさっさと抜きたくなってしまいますが、気長に抜けるタイミングを待ってみましょう。
乳歯があるのに生えてきた永久歯でも、乳歯がなくなると徐々に本来生えるべき位置にズレていくのでそこまで心配はいらないのかな、と思います。
おわりに
子どもの歯、気になることが多いですよね。
最近は顎の小さい人が増えたため、歯並びがガタガタになるケースが増加しています。
永久歯は乳歯の1.2倍くらいのサイズで生えてくるため、乳歯の段階で歯が隙間なく生えているとガタガタになるリスクは上がるのですが、顎も徐々に成長していくためすぐに矯正とはならずに成長を待つ場合が多いようです。
虫歯予防もしっかりしながら、子どもの歯を守っていきましょう!
コメント