本格的な夏を迎え、海にプールに…と水着を着る機会も増えるシーズン。
そんな中、男児の水着による事故が相次いでいるとのことで、注意喚起が出されています。
裏地がメッシュ素材は履かないで!
水着が原因で男児の陰部を傷つける恐れがあるとして、国民生活センターは裏地がメッシュ素材の男児の水着は着用を避けるよう注意を呼び掛けています。
※実際に事故が起こった水着ではありません
メッシュ素材の何がダメ?
目の粗いメッシュ生地が皮膚と密着すると生地の穴から皮膚がはみ出し、その部分が圧迫されて腫れあがることにより水着を脱げなくなる、という事故が毎年のように起こっているそうです。
このような事故があることを重く受け止めたメーカーの業界団体は、2010年に「裏地にメッシュ素材を使用しない」と独自の安全基準を設けていました。
ところが、今年に入り国民生活センターが男児の水着の販売実態を念入りに調べたところ、メッシュ生地が使われている商品が複数見つかったとのこと。
それらは主にインターネット販売で見つかったとのことですが、中には日本の販売店が取り扱っているものもあったとのことで、今回再度注意を呼びかけたということです。
実際に起こった事故の例
では実際どのように挟まっていくのか、図を使って見ていきたいと思います。
挟まっていく過程
簡単に言うと、メッシュ素材から飛び出した皮膚がメッシュ部分に締め付けられて腫れあがり、抜けなってしまうという状態になるということです。
この事故は、陰茎の皮膚のみならず、陰茎の先っぽなども挟まることがあります。
実際の事故
国民生活センターが公表した事故の例を2つ挙げてみますね。
ケース①
男児が家族と遊びに行き、5時間ほど水着を着ていた。
着替えて帰ろうとしたところ、「挟まって取れない」と男児が言うので見ると、水着のインナーのメッシュ生地に陰茎部の皮膚が挟まっていた。
帰宅後に、挟まった部分が水疱のようになり取れないため、挟まっているメッシュ部分を残して切り取り受診した。陰茎先水疱あり、陰茎外傷。(2018年6月 5歳男児)
ケース②
海水浴に行ったときに、海水パンツのインナーのメッシュ生地に男児の陰茎部の皮膚が挟まり、海水パンツが脱げなくなってしまった。医療機関を受診し、後遺症は残らないが通院の必要があると診断された。(2020年8月 6歳男児)
このようなメッシュ素材による事故は後を断たず、2010年以降、国民生活センターには少なくとも12件の相談が寄せられています。
同様の事故があったとしても相談していないケースもあるでしょうから、実際の事故数はもっと多いと考えられます。
子どもの陰茎の皮膚は非常に伸びやすいため、このような事故が起こりやすいとのこと。
出血したり通院したりすることもあるため、本当に注意が必要です。
日本小児科学会のレポートには実際の写真も載っていますので、男児のいるご家庭の親御さんは一度見てみたほうがわかりやすいかと思います。
レポートの2ページ目に写真が添付されています。
見ていただいたらお分かりかと思うのですが、糸が陰部に食い込んでとても痛そうな上、そのまま放っておいたら壊死してしまいそうな恐怖がありますよね。
水着を着用する際は、裏地がメッシュ生地かどうかを必ず確認しましょう。
万が一挟まれてしまったら
もしメッシュ生地に挟まれてしまった場合、どのように対応したらいいのでしょうか。
陰茎がメッシュに絡まっているのを見たら、すぐにでも取り除いてあげたいと思うのが親心。
しかしここで無理矢理取ろうとすると、陰茎を余計に傷つけてしまう恐れがあるため、医療機関を受診するのがベストです。
絡まった部分の周りをハサミで切り取り、病院へ向かいましょう。
お子さんの年齢によっては「友達に知られたら恥ずかしい」「病院に行くのが恥ずかしい」など、受診をためらうケースも散見されますが、どのような場合でも早急に医療機関を受診し、処置をしてもらうことが大切です。
メッシュ素材の水着は着ないに越したことはないですが、気に入っていてどうしても着用したい場合は、水着を履く前にインナーを履いてから着用するようにしましょう。
安全で楽しい水遊びになりますように☆
コメント