【パタハラ】という言葉をご存知でしょうか。
パタハラとは、【パタニティー・ハラスメント(Paternity harassment)】の略称です。
パタニティーとは“父性”のことであり、父性をハラスメントされる、つまり育休の取得や子どもの送迎のための早退など、父親が子育てに積極的に参加しようとすることで職場から嫌がらせを受けることをパタニティーハラスメントと言います。
このパタハラが後を断たず育休の取得を断念するパパが大勢いるため、法律を変えようとする動きが出てきています。
パタハラの実態
厚労省が今年4月に発表した『職場のハラスメント実態調査』を見ていきましょう。
調査を行ったのは2020年10月。
自営業の方、役員職の方、公務員の方を除いた500人からの回答を得ました。
それによると、過去5年間で育休を取得しようとした男性の26.2%が『過去にパタハラを受けた』と回答。
誰からパタハラを受けたのか複数回答で聞いたところ、
・役員…34.4%
・同僚…23.7%
・部下…13.0%
との結果で、上司からのパタハラが圧倒的に多いことがわかりました。
どのようなハラスメントがあったのか聞いたところ、
・昇進や昇格で不当な扱いをされた(ほのめかされた)…22.1%
・給与や賞与で不利益な評価をされた(ほのめかされた)…13.7%
など、理不尽な扱いが目立ちます。
会社の規模を尋ねると、
99人以下…31.1%
とのことで、大企業より中小企業でのパタハラが多いことが顕著になっています。
このような扱いを受け、育休を望んでいた男性の42.7%が取得を諦める結果となりました。
なぜ男性の育休の取得が難しいのか
妊娠や出産で育休を取得しようとする(取得した)女性に嫌がらせをする「マタハラ」以上に「パタハラ」は深刻なのかもしれません。
男女平等やらイクメンやら言葉はいっちょまえに浸透していますが、残念ながら日本では「男は仕事、女は家庭」という古い考えがまっだまだ根付いています。
「男性なのに育児休暇を取るの?」「男性なのに短時間勤務なの?」という考えが日本にはまだ当たり前のように存在しています。
欧米やヨーロッパの人達からしたら何百年前の話をしているんだと笑われてしまいそうですが(恥…)。
中小企業では従業員みんなが即戦力というところも多いですから、一人でも抜けられるとダメージが大きく、それが先ほどの企業別パタハラの割合に反映されているのだろうと考えられます。
男性に育休を取らせるという動きも割と最近出てきたことですから、前例がなくてどうしたらいいのかわからないといったこともあるのかもしれません。
上司の中には「自分の時はそんな制度なくてもちゃんと子育てできていた」など、時代の流れに疎い人もいるかもしれませんね。
このような現状を少しでも改善するため、男性の育休が取りやすいように育児介護休業法の改正案が国会で成立する見通しとなっています。
改正案はどんな内容?
従業員に育休を取りやすくするために環境を整備する動きが出ています。
・社員が妊娠・出産を申し出た場合、企業側から「育休を取りますか?」と取得の有無を確認するよう義務付ける
・従業員を1000人以上抱える企業には育休取得状況の公表を義務付ける
育休取得の有無や取得状況の公表を義務付けることで企業側に意識を変えさせ、従業員達の育児生活をより充実させようとする目的があります。
そしてさらに男性にも育休を取りやすくするため、
・男性が育児に参加できるよう「出生時育休」を新設する
・「出生時育休」とは別枠で、子どもが1歳になるまでの間に育休を2回まで分割して取れるようにする
としています。
「出生時育休」は、産後8週間以内に2回まで分割して取得できるようにし、育児の手が必要になるタイミングに合わせて育休を1歳までに2回まで分割して取れるようにする計画です。
このようにすると必要に応じて男性も計4回に渡ってタイミングに合わせて育休を有効に取得できるようになります。
この改正案が正式な法律となり、男女ともに育休を嫌な思いをせずに取れるようになるといいなと思います。
おわりに
子育ては女性だけの問題ではなく、父親である男性にも協力してほしいことはたくさんあります。
育休を実際に取ったことのあるパパさん達のブログを見ると、「妻を尊敬した」「これほど自分の思い通りに行かない仕事はない」など、育児の大変さを実感するコメントが多く見られます。
女性も働くのが当たり前の時代に、「家事育児は女性の仕事」なんてありえないでしょう。
時代に沿った法律が一日でも早く成立し、未来のパパやママが少しでも育児のしやすい環境で子育てを頑張ってくれるといいな、と思います。
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