『先祖を思うこと』は子どもに好影響!お盆のお墓参りはぜひ子連れで。

生活

来月からいよいよ夏休みですね。

夏休みの中盤にある“お盆”ですが、この時期に先祖の墓参りをするという人も多く、1年に1度の恒例行事になっているというご家庭も多くあるでしょう。

近年、お墓参りが子どもの考え方や人生に大きく影響することがアンケート調査で分かってきました。

お墓参りの頻度が子どもを変える!?

2017年5月、全国の石材店約300社で組織される墓石業の専門店グループ「一般社団法人 全国優良石材店の会」が、15歳から29歳までの全国の男女1000名を対象に「お墓」および「お墓参り」に関するアンケート調査を実施しました。

するととても興味深い結果が出たのです。

3歳以前からお墓参りをしていた人ほど生命や美的感情を肯定

初めてお墓参りに行った時期が3歳以下だった人は「他の人の命も大切だと思う」「動物や植物の命もかけがえのないものだと思う」「自然の美しさに感動することがある」といった「生命尊重・美的感情(美しいと感じる心)」がそうでない場合に比べて強いことがわかりました。

先祖を大切にする心が周りを大切にする心と重なっているのではと考えられます。

お墓参りの頻度により自尊心の高低が変わる

お墓参りに行く頻度が多いと回答した人ほど自尊心が高く、行く頻度の少ない人ほど自尊心が低い傾向にあることがわかりました。

先祖に感謝をする機会が多い人ほど自分が今ここにいることに感謝もでき、自尊心が高いのかもしれません。

お墓参りの頻度と既婚率に差

このアンケートに回答した方全体の既婚率は21.5%で、残りの78.5%は未婚者でした。
その内訳を細かく見ていくと、頻繁に(月1回以上、年に2~3回以上)お墓参りに行っていた人の既婚率は57.3%で、それ以下(1年に1回、数年に1回、行かない)と回答した人たちの既婚率は34.7%でした。

お墓参りを通じて、自然に家族を持つことの大切さを感じるようになった結果だと考えられます。

このアンケートの詳細はこちら→お墓参り 幼少期の頻度で「生命尊重」「チャレンジ精神」「既婚率」などに有意差 !?

墓じまい、仏壇じまいは年々増加

お墓に行く頻度や行った時の年齢でこのような差があるとは思ってもいませんでしたが、現代では「墓じまい」や「仏壇じまい」をする家庭が年々増えており、何かに手を合わせて先祖を思うという行為は今後ますます衰退すると予測されます。

我が家も父の代で墓じまいをする計画で動いていますが、その墓を建てた先祖のことを思うと少し複雑ではありますね。

お墓参りに行くことで季節を感じたり、普段会わない親戚に会ったり、そういう意味でもお墓参りに行く意義は十分あったように感じています。

私も先祖のお墓参りに行けるのはあとわずか。

子ども達を連れてもう一度行ってこようと思います。

大切なのはお墓に行くことじゃない

お墓について色々述べましたが、ただお墓に行けばいいというものではもちろんありません。

逆に言えば、お墓になど行かなくても先祖を思う気持ちをきちんと持っていれば同等の効果が得られると考えられます。

大切なのは「家族で故人を思う気持ち」。

思い出す機会があったときに「あの時こうだったね、ああだったね」とみんなで亡くなった人の思い出話をするだけでも、命の大切さ、時間の流れの早さ、今のこの状況が奇跡のもとに作られていることを痛感できるでしょう。

その経験を積んだ機会の多い子ほど、今回のアンケート結果のようないい影響をどんどん吸収していくのだと思います。

お墓がなくても仏壇がなくても、その人との思い出やその人への思いさえあれば、人はいつでも、どこでも、誰とでも、先祖を思い供養することができるのです。

【余談】我が家ももうすぐ墓じまい

私はどちらかというと「墓なんていらない!」という考えが強い方です。

そこに行っても亡くなった人と会えるわけではない。

手入れはしないといけない。

お寺にお金も払わなければならない。

そこに行かなくたって亡くなった人のことはいつだって思い出せるのに。

手間とお金と負担が残された者たちに大きくのしかかる負の遺産のように感じていて、同じ考えの父親が「自分の代で墓じまいする」と言ってくれていることを非常に有難く感じています。

ではなぜいまだに年に1~2回ほどお墓に行くかと問われれば、そこに祖父との思い出があるから。

我が家は祖母が早くに亡くなり、私が運転免許を取ってからは助手席に祖父を乗せて家から1時間のところにあるお墓まで定期的に通っていました。

あそこのインターでじいちゃんがトイレに行ったな…、この木をよく見ていたな、ここのベンチに座っていたな…など、お墓に行ってからも行く道中にも祖父との思い出はたくさん散りばめられています。

今は助手席に父親を乗せてお墓まで。

祖父との思い出に触れに通っています。

祖父がいなくなって6年余り。

お墓にあと何年通えるかはわかりませんが、墓じまいをしたとしても祖父との思い出はずっと残り続けることでしょう。

おわりに

コロナの影響でご実家に帰省できずにお墓参りにもしばらく行けていないという方も多いのではないでしょうか。

今や検索のトップに出てくるほどに「代行墓掃除」「代行お参り」などが職業として成立していて、なんとも微妙な気分になります。

今年はコロナワクチンの接種がスタートして抗体を持つ人も日に日に増えていますから、夏に帰省する人も増えるかもしれませんね。

その際はぜひご自身でお墓参りに行ってください。

隣にお子さんを連れて。

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