気温も湿度も高くなってきたこの時期に特に気を付けたいのが“食中毒”。
キレイに洗ったつもりでも、じっくり火を通したつもりでも、食中毒リスクが極めて高い季節になっていることを意識しなければなりません。
今回はこの時期のお弁当リスクについて着目していきたいと思います。
そもそも食中毒とは
お弁当の話に行く前に、食中毒がどう起こるかのお話を。
食中毒とは、
有害な物質に汚染された物質を飲食することで起こる健康被害で、毎年約10,000人ほどが食中毒を発症しています。
参照:食中毒の基礎知識|食品衛生のトータルサイトへようこそ! sanitation|サラヤ株式会社 企業法人向け (saraya.com)
食中毒を起こす有害物質は、
・自然毒(フグやキノコなどが元々持っている毒)
・化学物質(農薬や食品添加物などを知らずに口にした場合)
の大きく3種類に分かれています。
この時期に特に多いのが食品に付着し増殖した細菌やウイルスによる食中毒で、感染すると有害物質を体外に出そうと身体が反応するため、腹痛・下痢・嘔吐などの症状に急激に襲われます(急性胃腸障害)。
ここ10年を見てみると、ノロウイルス、カンピロバクター、アニキサスが食中毒のトップ3を占めています。
・カンピロバクター…十分に加熱されていない鶏肉、十分に洗われていない野菜、井戸水、湧き水から感染
・アニキサス…魚介類に寄生する線虫を食すことで起こる
食中毒菌は10℃~60℃で増殖しはじめ、その活動が最も活発になるのが36℃前後です。
この温度、栄養源、適度な水分の3条件がそろったとき、最近は増殖をし始めます。
これら細菌の栄養源とは人間が食する食べ物ですから、気温が上がるこの時期に特に注意が必要になるのです。
食中毒を防ぐには
食中毒を予防するには、汚染された食べ物を口に入れないことです。
…が、気付かずに食べてしまうこともよくありますね。。。
厚労省が食中毒予防のために掲げている原則は、『付けない』『増やさない』『やっつける』です。
保菌している可能性のある食品(肉など)を他の食品につけない、食物を長時間放置しない、加熱して細菌を死滅させる、を徹底することで食中毒を抑止することができます。
もちろん調理前には念入りに手洗いすることが大前提です。
お弁当は増殖に適している!?
はい、ここから本題に入りましょう。
お弁当って作ってから食べるまでに何時間もありますよね。
お弁当の内容によってはこの間に細菌が増殖し食べる頃には菌まみれ…という状態になることも十分にあり得るので、メニューには気を付けたいところです。
この時期NGな食材は…
この時期避けるべき代表的なものが“ポテトサラダ”です。
美味しいし見栄えもいいしお弁当に入れたいところですが、ちょっと待って!
過去に某テレビ番組で食品の細菌数を調べる実験があったのですが、そちらを参考に見てみましょう。
①お弁当のおかずを30℃で保管
②作ってから8時間後、おかずの一部を採取してシャーレで培養
③細菌数を食品微生物センターにて調べてもらう
お弁当の中身
・肉じゃが
・ポテトサラダ
・ハンバーグ
・から揚げ
さて、この中で細菌が最も増えた食材は何でしょうか。
もう答えはお分かりかと思うのですが、その数値に驚愕ですよ…。
細菌の少ない順に発表していきますね。
一番少なかったのは…
から揚げ!…細菌数、たったの20個。
その次に少なかったのは、肉じゃが!…細菌数9600個。
少ないと言ってもだいぶ多い気がしますが…。ゾ~~~ッ…。。。
そしてその次が…ハンバーグ!…細菌数14,000個。。
そして最後がポテトサラダ!
その数なんと…
17,000,000個…。。。
1700万個ですよ?
桁違いも甚だしいですよね…。
食品1gあたり100万個を超えると食中毒になると言われているので、完全に食中毒レベル。
この時期お弁当にポテトサラダは自殺行為でしょう…。
肉じゃがも水分が多いため基本的には腐りやすい食材に分類されます。
夏場のジャガイモにはお気を付けください。
お弁当にこれはNG!!
ポテトサラダの危険性はイヤってほどお分かりいただけたかと思います。
でもなぜポテトサラダがあんな数値に…?
それは、生野菜を使っていることと、水分の多いジャガイモにあります。
先ほどもご紹介したように、生野菜は加熱をしないため菌が付着していても洗っただけでは死滅はしません。
加えてジャガイモは水分が多い食材のため菌が繁殖するのに適した食材となります。
キュウリや玉ねぎなどの生野菜の危険性、その他の具材もたくさん使うことなどからポテトサラダはこの時期のお弁当には不向きだとされています。
そして混ぜご飯系も避けるべき食材です。
炊き込みご飯、チャーハン、オムライスなどはたくさんの具材を使用するため白米に比べて傷みが早く、お弁当には危険です。
お弁当箱を開けたら糸を引いていた…なんて話も…。ひええええぇぇ…。
彩りに欠かせないプチトマトも工夫が必要。
ヘタの部分から菌が繁殖しやすいため、もし入れるとするならヘタを取り除いてきれいに洗ってから、というのが鉄則です。
レタスなどの葉物野菜を仕切り代わりに使うことも多いと思うのですが、生野菜は極力避けたほうが無難です。
半熟卵も✖。
しっかり火を通さないと昼までにあっという間に菌が増殖。
これらを総合すると、
・いろいろな食材が混在していないもの
・水分の少ないもの
が特にこの時期のお弁当に作りには適していると言えます。
そして、
・お弁当箱は清潔なものを
・詰める時は食材を素手で触らない
・きちんと冷ましてから蓋をする
・可能であれば保冷材を使用する
を徹底して最大限の予防をしてくださいね。
過去には悲しい事故も
2017年に埼玉県や群馬県で同じ系列の店の総菜を食した人が集団食中毒を発症し、3歳の子が亡くなるという痛ましい事故が起こりました。
当初、この店で販売されていたポテトサラダが原因ではないかとされていましたが感染源がどこにあったのか結局わからないままになっているようです。
2011年には富山県の焼肉チェーン店でも集団食中毒が起こり、180人を超える方々が身体の異常を訴え、うち5人が犠牲となりました。
店から提供されるものなので安心して口にしがちですが、食中毒はすぐ身近に潜んでいるものだと意識しながら行動することが大切です。
食中毒は夏場だけではなく冬場でも発生します。
家族や自分が苦しまないためにも、できる予防はしっかりとしていきましょう。
おわりに
食中毒、菌が見えないので怖いですよね。
私はここ最近、夜に炊いたご飯も炊飯器に入れっぱなしにせずに冷蔵庫に保管するようになりました。
それまでは翌朝食べる分は入れっぱなしにしていたのですが、この時期何となく気持ち悪くて…。
残った食材も常温保存は避けて必ず冷蔵庫へ。
でも冷蔵庫に入れていたとしても常温より多少マシという程度なので、早く食べるに越したことはありません。
コロナウイルスと食中毒に気を付けて、梅雨時期を元気に乗り越えていきましょう!
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