【子どもの身長の悩み】平均値より大きすぎ、小さすぎは病気のリスクも。ホルモン治療開始は早いほど吉。

健康

新年度が始まり早半月。

学校ではそろそろ身体検査が始まっているところも多いのではないでしょうか。

そこで気になるのが子どもの発育状況。

特に平均値を下回っている場合、心配になってしまう親御さんも多いのではないでしょうか。

平均値を知る

まずは男女の平均体重、平均身長を見ていこうと思います。

尚、数値は文部科学省の学校保健統計調査2017年版(平成29年度)の速報データを参考にしています。

☆体重☆
☆身長☆

お子さんの体型は平均的でしたでしょうか。

お子さんの年齢・身長・体重を入れると、平均値からどの程度の成長度かを教えてくれる便利なサイトもあります。

身長比較に用いられるSDスコアとは

身長が極端に低い場合は、発達に何かしらの異常がある可能性を考え、医師の診断も視野に入れなければいけません。

でもどの程度の開きがあったときに受診すべきか、わかりませんよね。

そこで医師に相談しに行くかどうかを判断するための材料となるのがSDスコアです。

SDスコアとは、『自分の(お子さんの)身長が平均値からどの程度離れているか』を知るための方法です。

こちらのサイトに年齢・月齢別の平均身長とSDスコアが記載されていますので参考にしてみてください。→身長DATAバンク

一般的に平均身長から-2SD以上の開きがある場合に医学的に低身長とされ、医師の診断を受け、治療が必要かどうかが判断されます。

参照:SDスコアについて|保健師・保育士・養護教諭さんへ (pfizer.co.jp)

平均身長から±1SDの範囲におさまる人は全体の68.3%で±2SDの範囲内におさまる人は 全体の95.4%。

-2SD以下の身長の人は低身長となり2.3%。

その数は100人中2~3人の割合で決して珍しいことではありません。

試しに、10歳男児のSDスコアを見ていきましょう。

10歳6か月の男児の平均身長は139.1cm。-2SDの欄を見ると126.9cmとあります。

つまり、男の子が10歳6か月時点で126.9cm以下の場合は、念のため医師に診せたほうがいいレベルだと判断ができます。

この場合の1SDは6.1cmですので+2SDは151.3cmとなります。

10歳6か月の男児は151.3cm~126.9cmの間に95%強の子どもがおさまっているという計算になります。

低身長で考えられること

発育の時期に個人差があるのは周知の事実ですが、その発育の遅さ(または早さ)が個人差のレベルなのか病気を疑わなければいけないレベルなのかを周りの大人がきちんと見極めてあげなければいけません。

身長の伸びが-2SD以下の場合、一度小児科を受診して医師に相談しましょう。

低身長の要因は…

身長を伸ばすために必要な要素は、

・カルシウム

・適度な運動

・十分な睡眠

です。

これらがそろうことで成長が促されていきますので、食生活や生活リズムに気を付けながら過ごすことが大切です。

とはいえ、いくら気を付けていたとしても身長が伸びないこともあります。

考えられる要因

身長が伸びない理由として、

・遺伝

・病気

が考えられます。

病気の場合は、ホルモン治療を行い身長を伸ばすことが多いです。

成長には“時期”がありますので、思春期が終わってから治療を開始しても効果は見込めません。

早めの治療開始が改善のカギとなります。

臓器の異常
心臓、肝臓、腎臓、消化器など、身体に重要だとされている臓器に病気が潜んでいると栄養がうまく取り込めずに身長の伸びが悪くなることがあります。
臓器の異常が見つかった場合、治療で臓器が快復すればそれに伴って身長が伸びてきますが、それでも伸びてこない場合は成長ホルモン治療をすることがあります。
骨・軟骨の異常
骨そのものの異常により身長の伸びが悪くなることがあります。
この場合の多くは遺伝ですが、身内の誰にもそのような傾向がなくても子どもにだけ発症することもよくあります。
特徴は身体のバランスが悪いこと(胴体に比べ手足が短い、頭部が大きいなど)で、特に頻度が多いとされる軟骨異栄養症栄養症の場合は成長ホルモン治療に加えて整形外科にて骨延長術(器具を使って骨を再生・延長させる方法)が取り入れられます。
子宮内発育不全
早産で生まれた子や満期でも身長や体重が少なく生まれた子は子宮内発育不全と呼ばれ、その多くは3歳ごろまでに身長が伸びますが、稀にうまく伸びない子もいます。その場合、治療が必要だと判断されると成長ホルモン治療が行われます。
染色体異常
染色体に異常がある場合(ターナー症候群やプラダー・ウィリー症候群など)、卵巣や性腺の発育が悪いため低身長になりがちです。成長ホルモン治療で発達を促します。
成長ホルモン・甲状腺ホルモンの異常
出産時に仮死状態になったり、事故や病気で脳が傷を負うと脳の下垂体に影響を及ぼすことがあります。そのような状態になると脳の下垂体から成長ホルモンがうまく分泌されなくなり、その影響で身長の伸びが悪くなります。
成長ホルモン分泌不全が軽度の場合には、これといった原因がなくても身長の伸びが悪くなることがあります。
また、甲状腺ホルモンの分泌が不足したときにも身長の伸びが悪くなることがあり、これらの症状が確認されたときには不足している成長ホルモンや甲状腺ホルモンなどを治療で補うことにより身長が伸びていきます。

子どものストレスも身長に関係している

成長を促すホルモンは、カルシウム、運動、睡眠が十分にそろっていないと分泌されません。

しかし、いくらこれがそろっていたとしても分泌がされない場合があります。

それが『ストレス』です。

ストレスが多いと成長ホルモンの分泌量が減ってしまい、いくら伸びる条件がそろっていたとしても思うように伸びてくれません。

分泌量が減っているわけですから、伸びないのは当然と言えば当然です。

子どもが過度のストレスを感じると身体がそれを察知し早く成長させようとするため、思春期が人よりも早く訪れ、人より早く終わる傾向があります。

思春期が早く終わるということは成長も早く止まるということを意味するため低身長になりやすいです。

でもなぜストレスで思春期が早く始まるのでしょうか。

一説によると、ストレスのキツさから身体も心も早く大人になって耐えられるように…と身体が防衛反応を起こしている結果だそうです。

子どもが健全に育つよう、身体も心も親がしっかり見守っていきましょう。

身長の伸びすぎも要注意

ここまで低身長について話してきましたが、平均値よりかなり大きいのも実は病気が潜んでいる可能性があります。

思春期早発症という病気は、人よりかなり早く思春期が訪れる病気で、その特徴として身長の高さ、声変わりの早さ、陰毛などの生えの早さなどが見られます。

知り合いの子でこの病気の子がいたのですが小学校3年生で身長が150cmを超えていたり、すでにわき毛や陰毛が生えたりなど、とにかく成長が早くて現在では成長を抑えるための治療をしています。

成長が早すぎる分、早く思春期が終わってしまうため、結果的に低身長で終わる可能性が高くなります。

成長が早すぎる場合も医師に一度診てもらったほうが安心です。

おわりに

子どもの成長には個人差があるため見極めが難しいですよね。

「いつか伸びる」と思い込みすぎるのも、もし治療が必要だった場合に開始時期を遅らせてしまうきっかけになってしまうので、疑わしい…と思ったらすぐにまずは受診してみましょう。

まずは近隣の小児科に行って、必要があれば大きい病院に紹介状を書いてもらうのが一般的な流れです。

皆さんの大切なお子さま一人一人が、順調に成長してくれることを願います☆

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