息苦しい親子関係に終止符を!一歩引いた育児のススメ。

育児

「親と子供は別の人格」と頭ではわかっていても、自分の考えや理想を子供に押し付けてしまっている…なんて経験がある方も多いのではないでしょうか。

私自身3人の子供がいるのですが、中でも第一子である長女(9歳)には何かと口うるさく言ってしまったり、反抗されると必要以上にカチンときてしまったりで、自分の心の余裕のなさや自分の思い通りになってほしいという迷惑千万な思いに自己嫌悪になる毎日です。

子供の思いに少しでも寄り添える親になるためのヒントを一緒に探していきましょう。

我が子だからこそ、一歩引くことも大事

さっき何となくYahoo!知恵袋を見ていたら、一つ気になる投稿を見つけました。今から約7年前に子育て中のお母さんから投稿されたものです。

大まかな内容をざっと書くと…

7歳の女の子。真面目でまっすぐな性格。

人より苦手なことがあると私(お母さん)がつきっきりで練習をさせる。逆上がり、縄跳び、自転車、跳び箱、学校の勉強等々…。

時には子供が泣くこともあるけれど、それを罵倒しながら親子で泣きながら特訓。

子供のいい面をもっとよく見てあげておおらかに子育てしたいのに、娘にできないことがあると親の方がプレッシャーを感じてしまって特訓させてしまう。

子供にコンプレックスを持ってほしくないという思いがかなり強く、自分の気持ちに歯止めが利かなくなり娘に「もっともっと」と求めてしまう。

できないことがあってもいいと思えればどんなに楽だろう。おおらかな子育てってどうやったらできるのだろう。

自分で自分の子育てを変えたいと強く思っています。

というような内容でした。

この内容を見て私が率直に思ったことは「子供、キツイだろうな」。

でももう一度読み返してみると「お母さんが一番しんどいかもなぁ」と感じました。

苦手分野(コンプレックス)を作らせないことが子供の幸せと繋がっていると感じているお母さん。子供に不得意なことがあると放っておけずできるまでやらせるという熱血指導ぶり。。

反面お母さん本人も「できなくていいと思えればどんなに楽だろう…」ともおっしゃっていて、できない娘を自分が認めてあげられれば、自分も娘もこんなに苦しむことはないのに…という思いを抱えています。

この質問への回答には、

・お母さん自身が自分に自信を持てないからそのような行動に出ているのでは?

・コンプレックスを与えたくないという思いが、逆にお子様にコンプレックスを持たせてしまうような気がする

・生きていく上でさほど必要じゃないことを泣くまでやらせる必要なんてない

・親と子は別の生命体であることを自覚すべき

というお母さんの心に潜む闇が結果として子供を追いつめているという声が多くみられました。

そんなに嫌がってるならやらせなくてもいいのに…とあなたがもし思っていたとしても、周りの子供達ができていることが我が子にはできないという立場になった時に同じ考えでいられるでしょうか。

人の子供のことは冷静に見ることができても、いざ我が子となると冷静さを失ってしまうのが親というものなのかもしれません。

やり方はどうあれきっとこのお母さん、すごく娘さんを愛しているのだと思います。

だからこそ娘の「できないこと」を見つけるたびに親子で取り組んで、コンプレックスを持たないようにと二人で必死になって克服に向けて突き進もうと努力をする。

ちょっとやりすぎな感じも否めませんが「できないならできないでいいと思ってあげたい」という心もあるしどうするのが娘のためなのかを行きつ戻りつしながら真剣に考えてるのがわかります。

どんな人だって苦手なことがあるのが当たり前だから全部こなそうなんて思わなくてもいい。

コンプレックスは誰もがそのうち持つものだから親が必要以上に過敏にならなくてもいい。

個人的には「これができるとこんなふうになれるよ」とできた後のことを一緒にイメージして、それに向けてやるかどうかは本人の判断に任せる、でとりあえずはいいかなと思います。

子供は親の思い通りになんてならない。

子供の意思をできるだけ尊重する。

子供は親のミニチュアではない。

これは子育てにおける大前提であることを忘れてはいけません。

意外と難しい「子供のタイミングを待つ」ということ

と、偉そうに言ってみたものの私の子育てもまあひどいもんです。

「ママの言うこと聞けないの?」と子供に従うよう催促してしまうこともしばしば…。自分の心の余裕のなさ…もともとの人としての器が小さい…理由はたくさんありますが…(汗)。

子供に良かれと思ってつい色々口出ししてしまいますが、子供本人にその気がないのに何度促したところでお互いイライラするだけで逆効果。実際本当に子供のための指示なのか。単に私の勝手な意見の押し付けではないのか。いったん落ち着いて考えることを習慣にしようと努力している最中です。

しかし子供の「自発的やる気」のスイッチが入った時のすごさったら半端じゃないですよね。集中力・努力・達成しようとする気迫。とんでもない力が潜んでいるな、と毎回感じずにはいられません。

「子供がやる気になるまでひたすら待て」とは思いませんが、親が先走り過ぎると先ほどの例のように親も子も辛くなる可能性が高いです。

今からやろうと思っていたところにタイミング悪く親から指摘が入ると一気にやる気が失せるというのもよく聞く話ですね。

大人の都合を押し付けず、子供のタイミングを待ってあげることもとても重要な親の努め。取り組まないと困るのは実際のところ親ではなく子供なのですから、本人がそれを感じるまでほっとくのも一つの策です。親が何でもフォローしてあげることが子供の成長の妨げになることも多々あるということを私達は心に留めておかなければなりません。

親の発想を変えてみる

「やらなければいけないことをやらなかった結果」を子供が実際に体感することも一つの経験として今後にプラスに働いていくと私は考えています。

失敗をすることも痛い目を見ることも誰もが必ず体験すること。それが子供自身の行動のせいだとすれば、それを気付かせるべくどのような行動をとるのがベストだったのかを考えるきっかけを作ってあげることが親の一番の役割だと思っています。

宿題、ピアノの練習、縄跳びの練習、リコーダーの練習…。気になることはたくさんありますが、子供がその気にならない・やらないならいっそのこと放っておきましょう。

いつまでも親が子供のフォローをしてあげられるわけではないし、恥をかいたり、叱られたり、相手の信用を失ってしまうようなことを実際に体験することが子供の学びに繋がります。

そうなった時にどう行動するのが良かったのかを子供と一緒に考えることが子供の今後のためには最重要。

言うまでもなく、自分(親)が子供のことで恥をかきたくないから、という理由で子供をがんじがらめにするのは子供のためには全くなりません。

失敗もよし。恥かくもよし。叱られるもよし。

とにかく親が子供の失敗にびくびくしないことです。

手は離すけど目は離さない

子供との距離はこれに尽きると思います。

いつまでも手を握り続けているのはダメ。子供から目を逸らしてしまうことはもっとダメ。

ある程度は本人の思うように行動させ、でも決して目は離さない。トラブルを抱えているような気配はないか、元気はあるか、学校へ行くのを渋らないかなど、子供の少しの変化にも気付いてあげられるよう見守りましょう。

過干渉は自立心が育たない。放任主義は自尊心が育たない。

そのどちらにも子供が属さないよう、親が適度な距離感を作ってあげるのです。

親の役目とは…

子供がかわいくて仕方ない、心配で仕方ないという親の気持ちから、子供の前に立って進む道を決めてしまう親御さんが多いように感じますが、子供の人生は親のものでしょうか。

親は子供の意見を無視して道を決めるものではないし、外部からの攻撃を一手に引き受ける子供の盾でもありません。

親はあくまで裏方です。

子供の後ろに立って、もし我が子に何かあった時のための援護部隊なのです。

子供の人生の主役はもちろん子供。親は支えに徹するのです。

ついあれこれ言いがちになりますが、子供は子供なりに考えて行動しようとするのでそれをまずは見守りましょう。

「何かあっても親が必ず味方でいてくれる」という安心感は、子供のチャレンジ精神を活発にし、多くの経験をしようとするきっかけにもなります。

逆にあれこれ言われすぎると何に対してもやる気がなくなってしまいます。

子供の1日は刺激を受けることがいっぱい。

少しでも色々なことに興味を持てるよう、子供の意思を大切にしてあげましょう。

粗ばかりでなく、いいところに注目してあげる

失敗したって大丈夫。あなたならやれる。前より良くなっているね。言われずに自分からできたね。…等々、子供に対して励ましてあげられることや褒めてあげられることが実は毎日たくさんあります。

1日1回でもそのような言葉がけができれば、子供の心に蓄積されいつか自信に変わります。そしてまた親自身も子供のいいところを見つけようと意識することで、子供の見方が変わってきます。

今まで粗ばかりに目がいっていた目線を別の角度から焦点を当てるとどうなるのか、親自身が自分の心に実験する感覚でやってみましょう。

子供のいいところが見つかると親自身も嬉しくなるし、怒りのスイッチに少しブレーキがかかりやすくなりますよ。

言葉一つの持つ重みは相当です。

子供にプラスの言葉をたくさんかけ続けることで、今まで以上に親子の絆も深まっていくことでしょう。

「ありがとう」「ごめんなさい」

ちょっと話は脱線しますが、言葉の重み、という観点からもう一つご紹介したいことがあります。

それは相手への感謝を表す「ありがとう」という言葉と、相手への謝罪を表す「ごめんなさい」という言葉です。

この言葉は子供社会であっても大人の社会であっても絶対に欠かすことのできない最も重要な言葉だと私は認識しています。

なぜならこの2つの基本的な言葉を素直に言えない人間が多いから。そしてそういう人は必ず人間関係で痛い目を見るからです。言い換えると、これらの言葉をきちんと言える人間の方が人間関係がスムーズにいきやすいと言えます。

親は子供が人生をより生き抜きやすく、より楽しめるよう、最低限のルールを教える必要があり、その一つが挨拶です。

おはよう、行ってきます、いただきます、などの言葉と比べると、ちょっと勇気がいる(こともある)この「ありがとう」「ごめんなさい」という2つの言葉。

ネットで「ありがとう ごめんなさい」と検索を掛けるとトップに「言わない人」が出てきます。言わない人がどれだけ多いのか、このテーマで検索する人がどれだけ多いのか…。基本ができていない大人が多いのでしょうか。

調べてみると、驚くことにこの2つの言葉を言うことが恥だと感じている人がいるそうです。

特に「ごめんなさい」は自分が相手に謝るということですから、プライド?から言いたくない、言わなくてもいい、と考える人が多いそうで、人間関係を勝ち負け、優劣、などで判断するタイプが結構これに当てはまるそうです。

逆に、ありがとう・ごめんなさい、を素直に言える人は自分の気持ちに正直であるとされています。

「ごめんなさい」を「申し訳ない」「すいません」「すみません」で済ませる人も多いですが、同じ謝罪の言葉でも「ごめんなさい」と言う方が心が伝わりやすいと言われており、言われる側も「ごめんなさい」と言われる方が相手を許す気が起きやすいそうですよ。

今後もし子供に謝らなければならないシーンが出てきたとしたらきちんと謝ってください。お礼を言う場面ではきちんと子供にお礼を言ってあげてください。言うべき相手が子供であったとしてもこの言葉を省略するのは絶対にダメです。

自分達の習慣をそのまま子供が引き継いでいくわけですから、親がしない(できない)ことは子供ももちろんしない(できない)ですよ!

今の時点できちんと言える子には、たとえ親がそのくらいできて当たり前だと思っていたとしても「きちんとお礼が言えて(謝ることができて)えらいね」と一言褒めてあげてください。

今まで言えなかった子がちゃんと言えた時も同様です。

本当に褒めるに値する立派なことだと思いますよ!

「その言葉を聞けてママとっても嬉しいよ」と付け加えると子供の心にさらに刺激となり、一層効果的かもしれません。

おわりに

子育てに自信がない、怒ってばかりで毎日毎日自己嫌悪…など、子供に関わる時間が長ければ長いほど自信を失ってしまうことも多いかもしれません。

でも。

先程ご紹介したように、いったん心を落ち着けてお子さんのいいところ探しをしてみませんか。

日々関わる時間が長いほど子供にイライラしがちになってしまう気持ちはわかるのですが、いつも怒られてばかりじゃ子供も少しずつ自信を失っていきますからね…。

「何でこの子はこうなの!?」と思い込まず「こんないいところがあったんだ」と嬉しい気付きがあれば親も子育てに少しずつ自身が取り戻せるようになると思います。

子供とは適度な距離を保ちながら。でもしっかり見守って。

いいところが一つもない子供なんていません。

誰よりも我が子のいいところを知っている、と自負できるくらいにいいところをたくさん見つけてあげてください。

その頃には今よりずっと、心のゆとりができていると思いますよ。

 

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