牛乳には危険因子が多数!?『子供には飲ませない』という保護者が増えている背景とは。

健康

栄養満点の牛乳。

万能の栄養食の代表である牛乳。

カルシウムたっぷりで飲んだほうがいいとされていた牛乳。

一昔前までは『牛乳=健康』というイメージだったのに、ここ最近ではその確固たる地位が少しずつ崩れ始めています。

一体なぜなのでしょうか。

骨粗しょう症の原因の一つは牛乳か

タレントの松嶋尚美さんが、過去に出演した番組内で「子供に牛乳を飲ませない」発言をし、その後しばらく物議を醸したことは記憶に新しいと思います。

松嶋さんが牛乳を飲ませない理由として挙げていたのが

・牛乳を飲むことで体内のカルシウムが尿と一緒に排出されるから

・骨粗しょう症にかかりやすくなるから

というものでした。

松嶋さんが主張するように、牛乳にはそのような弊害があるのでしょうか。

体内のカルシウムを牛乳が奪う!?

調べてみると、松嶋さんの主張を裏付ける記事がたくさん見つかりました。

「牛乳を飲むとカルシウムがたくさん摂れる!」と言われ続けていますが、カルシウムを体内に取り込むにはマグネシウムの力が必要不可欠。

牛乳からのカルシウムを体内に取り込むのに必要なマグネシウム量が牛乳の中にはほとんど含まれておらず、牛乳を飲むことで体内に蓄積されていたカルシウムまでもが尿と一緒に排出される仕組みになっているそうです。

排出されてしまう理由は2つ。

・カルシウムを取り込むためのマグネシウム量が足りていないから

・体内のカルシウム濃度を保つために不必要なカルシウムを体外排出しようとするから

牛乳でカルシウムを摂ろうとしても逆効果になる仕組みはここにあるのです。

牛乳を取り込むことで身体に蓄積されていたカルシウムまで体外に排出してしまうので必然的にカルシウム不足となり、骨粗しょう症リスクを高めると言われています。

コップ1杯の牛乳で骨折率増加!?

ハーバード大学が約10万人を22年間追跡調査した研究結果をご紹介します。

それによると、10代の頃にコップ1杯の牛乳を飲んでいた人は飲むたびに大腿骨骨折のリスクを9%も上げていることが判明したとのこと。

アメリカ、スウェーデン、デンマーク、フィンランドなどの牛乳や乳製品の製造・消費が盛んな国ほど、大腿骨骨折の割合が他国に比べて多いそう。

牛乳を摂取することで身体に必要なカルシウムが体外排出されてしまうことが主な原因と考えられています。

参考記事はこちら→骨粗鬆症と牛乳|月刊「人間医学」3月号より

しかし一方で、「牛乳を飲むことが骨粗しょう症リスクを低くする」という研究データも国内外でたくさん発表されているようです。

参考記事はこちら→牛乳を飲むことは、骨折や骨粗鬆症の原因にはなりません

骨粗しょう症リスクだけを考えた時、牛乳を飲むことがいいのか悪いのか、意見が真っ二つに割れているので判断がつきづらい状況です。

牛乳は人工ホルモンまみれ!?

牛乳が人体に良くないと言われる理由の一つに「牛に投与されているクスリ」が挙げられます。

「牛乳は女性ホルモンだらけ」「抗生物質まみれ」というのは真実なのでしょうか。

牛乳が病気の発生リスクに!?

人間の女性が母乳を出せる時期は、一般的には妊娠後期~産後授乳期間ですよね。

牛も同じで、乳が出るのは妊娠中~産後です。

その期間に出る乳が、牛乳としてスーパーなどに売り出されているのです。

乳はいわば母親(母牛)の血液。

乳の中には良くも悪くも様々なものが混入していると考えられます。

ネットを調べると牛乳に関するネガティブな発言がたくさん出てきました。

・乳の出る牛は女性ホルモンが活発で、女性ホルモンを人間が摂取することで乳がんや前立腺がんの原因になる

・女性ホルモンの摂取で子供の成長が早くなるのでは?

・牛から効率よく搾乳できるようホルモン剤を打って調整している

・牛は牛舎にぎゅうぎゅう(洒落ではありません…念のため…笑)に押し込められている上、衛生状態が良くないため、抗生物質を定期的に投与して病気を予防している

などなど色々な憶測が飛び交っています。

牛乳と女性ホルモン

牛乳は妊娠中の牛の乳のため、女性ホルモンが混ざっていることに間違いはありません。

しかしここでも「その量はごくわずかであり、人間が飲んでも身体に影響を及ぼすものではない」とする説と、「牛乳から受ける影響は多大である」という説とで意見が真っ二つです。

影響ない説→牛乳摂取によって女性ホルモンの影響を受けることはありません

影響ある説→牛乳によるホルモン異常とガンの危険性

牛乳健康説を信じる人が根付いている一方で、牛乳や乳製品にはインスリン様成長因子(IGF-1)が含まれており、これらがホルモン依存系の癌を引き起こしているのではという見方をする人も増加傾向です。

ホルモン剤・抗生物質投与

こちらもネット上に嫌というほど溢れている説です。

真実はどうなのか調べてみると、厚労省のHPに以下の記載を発見。

次の各号のいずれかに該当する牛、山羊又はめん羊から乳を搾取してはならないこと。
1  分べん後五日以内のもの
2  乳に影響ある薬剤を服用させ、又は注射した後、その薬剤が乳に残留している期間内のもの
3  生物学的製剤を注射し著しく反応を呈しているもの

                                    参照:厚労省HP

厚労省の乳等省令における規定というところにこの記載がありました。

これを考えると、ホルモン剤や抗生物質を投与された牛の牛乳が市場に出回っている可能性は極めて低いと考えられます。

乳製品メーカーとして有名な『よつば』のHPにも

参照:よつ葉 お客様相談室

との記載があり、ホルモン剤や抗生物質投与説は真実とは遠いのでは?と思います。

乳牛の餌は主に

・青草

・干し草

・サイレージ(乳酸発酵させた草)

・トウモロコシ・豆などの穀物系の濃厚飼料

とされており、これらを毎日バランスよく摂取しているそうです。

「餌にホルモン系の飼料を使用しているのでは…」と考える人もいらっしゃるようですが、そちらに関しても可能性としては低いように思います。

牛乳アレルギーは子どもの死因のトップ

子どもの食物アレルギーの原因とされる食べ物は、鶏卵、牛乳、小麦がトップ3を占めています。

インペリアル・カレッジ・ロンドンの研究者達は、学童期の食物アレルギーの子どもの死因の約26%が牛乳(生乳)が原因だったと発表しており、この研究結果は英医学誌「ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル」にも掲載されているそうです。

参照:子どもが飲む牛乳 その致命的な危険性が研究で明らかに

牛乳アレルギーが明らかな場合はもちろんのこと、牛乳が嫌いで飲めない子も牛乳は避けたほうがいいのではと思います。

牛乳に代わる栄養素を他から摂取すればいいだけですしね。

結局のところどうなの?

極論を言うと、牛乳を飲んだほうがいいのか飲まないほうがいいのかというのは個人の判断によると思います。

とにかく意見が割れているのではっきり「こうです!!」とは言えません。(牛乳アレルギーの方は飲まないでくださいね!)

ただ言えることとしては、牛乳から摂れる栄養素もたくさんあります。

牛乳のすべてがダメというわけではありません。

どの飲食物にも共通して言えることなのですが、どのようなものでも“摂りすぎ”は身体に悪影響が出やすくなります。

例えば栄養満点とされるほうれん草も、食べすぎるとほうれん草に含まれるシュウ酸と体内のカルシウムが結合して結石を作る原因になってしまいます。

いいとされる食べ物も、お菓子などの身体に良くないとされるものでも、ほどほどに、他の食べ物とのバランスを取りながら食べることが最も大切なことだと思います。

今回は牛乳を取り上げましたが、「だから今日から牛乳やめよう」というのも極端な感じが個人的にはします。

先ほどご紹介したハーバード大の研究結果を覆すようですが、牛乳だけが骨折の要因とは思えず、食生活もかなり影響しているのでは?給食で出る牛乳や1日1杯くらいの摂取なら特に問題はないのでは?というのが私の見解です。

もし牛乳や乳製品が本当に骨折の原因であるならば、単に摂りすぎなんだろうと思っています。

皆さんはどうお考えでしょうか。

おわりに

身体にいい食べ物、悪い食べ物、いい食べ方、悪い食べ方ってキリなくあって、頭の中が混乱しますよね。

特に子どもの健康が絡んでいるとなるとなおさらです。

牛乳は毎日飲まなければいけないものでも飲んではいけないものでもありません。

バランスのいい摂取を心がけましょう。

 

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