女優の榮倉奈々さんが、昨日から公開された映画「糸」の役作りのために短期間で7~8㎏痩せたことが話題になっています。
身体に十分なケアをしつつ減量するために、専門家の方に食事や運動のアドバイスを受けながらの減量だったそうですが、一つ気になる記事が…。
榮倉奈々、8キロ減量話題も「絶対に真似はしないで」と警鐘 水12リットルは「1日だけ」
ご本人も「絶対に真似はしないで」とおっしゃっている“水ダイエット”。
一体何が危険なのでしょうか。
水の飲みすぎで中毒に!?
熱中症を予防するためにこまめに水分補給を、と意識されている方も多いと思いますが、水分の摂りすぎは時に有害となることがあります。
1日に必要な水分の量
人間の身体は水分を多く含んでいます。
成人だと体重の約60~65%は水分で構成されており、身体を保つためにも水分補給は欠かせません。
一般的に人間が必要な水分量は体重の4%ほどだと言われており、50㎏の人であれば2ℓ、60㎏の人であれば2.4ℓが目安となります。
必要な水分量の1/3~1/2は食事から摂取できるので、実際に飲む量としては成人で1~2ℓ程度だと考えられます。
水の飲みすぎで出てくる症状
一気に水分を摂取すると水分を排泄するための腎臓の働きが鈍くなって水が身体に過度に溜まった状態になってしまいます。
そうなると血中にも水分が多くなり、血中の成分が水の作用で薄まった状態に。
血中のナトリウムの濃度が下がったことで身体には様々な影響が出てきてしまいます。
【軽度の症状】
・めまい、ふらつき
・頭痛
・頻尿、下痢
・身体のむくみ など
症状が2つ以上当てはまる場合は水中毒にかかっているかもしれないと疑ったほうがよいでしょう。
・嘔吐
・錯乱
・痙攣
・意識障害
・呼吸困難
・心不全
重症化すると生命の危険がありますので、早めの対処が必要になります。
症状が出た時は
重度の場合は即救急車で病院へ行ったほうがいいですが、軽度であれば安静にしてしばらく様子をみましょう。
症状を改善させるには
水中毒の改善には、
・水分を控えること
・塩分を摂ること
が必要になってきます。
ここで一つ注意!
症状を早く改善させたいからといって塩分を早いスピードで摂取することは、脳にダメージを与える危険性があります。
塩分の補充は時間をかけて少しずつ行いましょう。
スポーツドリンクや塩を含む飴などが効果的です。
水中毒にならないために
人間の身体が1度に吸収できる水分量はおよそ200㎖と言われています。
一度にこれより多くの量を摂取してしまうと、尿への処理に遅れが生じ水中毒に近づく恐れが出てきてしまいます。
体格や環境により個人差はあるのですが、成人の場合の目安として、1度に飲む量は200㎖まで、1時間に飲む量は最大1ℓまでであれば水中毒は避けられるそう。
水分を尿として排せつできるのが1時間に1リットル程度と考えられるためその量を上回ることは危険です。
安全な摂取量まで飲んでしまってもなお喉が渇いているという場合は
・うがいをして喉や口内を潤す
・水やお茶ではなく経口補水液を飲むようにする
など、血中のナトリウムを薄めさせない方法で喉を満たしましょう。
水分の取り方の一番いい方法は
少量の水分(200㎖以内)をこまめにとること
です。
一度に大量に飲むよりも身体に負荷がかからないので、安心して水分を摂ることができますよ。
水中毒になりやすい人
中でも水中毒に注意したいのはこちらのような方たちです。
・精神疾患により多飲傾向にある人(水分を摂取することが安心感につながるため多飲しやすい)
・服用中の薬の副作用により喉が渇きやすくなる人(常に渇きを感じるので多飲して潤すことが習慣化している)
・空腹を満たすため水を多飲する人(ダイエット中によく起こる)
・乳幼児
精神疾患や薬の作用で多飲傾向にある方はお気を付けください。
乳幼児は水中毒を起こしやすい!
乳幼児は脱水症状も起こりやすいですが、水中毒も起こりやすい傾向にあります。
これは、腎機能の発達が十分ではないことが原因で、周りにいる大人は子供の様子を注意しておかなければなりません。
特に夏場は汗もたくさんかくのでお子さんの脱水症状が気になって水分を多く摂らせようとする親御さんも多いでしょう。
親に言われるがまま多量に飲んでしまっていると今度は水中毒が心配になります。
人が一日で必要な水分は体重×1kgあたりの水分量(㎖)で知ることができます。
例えば体重が15kgの幼児であれば、15㎏×120~150㎖で一日約1800㎖~2250㎖の水分が必要ということがわかります。
この必要な水分のうち、1/3~半分は食事から摂取することができるため、実際に水分補給をしなければいけない量は約1000㎖前後ということになります。
あくまでこれは目安です。外遊びで大量の汗をかいている・発熱・嘔吐・下痢など、体内の水分がどんどん外へ出てしまっているのが明らかなときはこの量を超えての水分摂取が必要なこともあります。
子供の1日の必要摂取量を知り、適切に水分補給をしてあげましょう。
おわりに
「水中毒」という言葉自体は知ってはいたのですが、いざ詳しく調べてみると意外に少ない量でも危険がはらんでいるんだな…と思いました。
特に夏場は熱中症予防の観点からこまめな水分補給が促されているため、飲めば飲むだけいいのかな、という感覚で親子でガブガブ飲んでいたのですが逆に危険もあったとは。。。
飲みすぎも飲まなさすぎも危険な「水」。
脱水症状にも水中毒にもならないために、こまめに少量ずつの水分摂取を心がけていきましょう!
コメント