子供に「考える力」を付けさせるために。探求心を強くさせる子育て法とは。

育児

インターネット社会が普及している現代で、興味のあることや調べてみたいことを自分で研究・実践して証明する人は世の中に少ないのではないでしょうか。

わからないことはネット検索。

短時間で知りたいことの答えがわかる、便利な時代。

でもこんな時代でも、地道な作業で今まで当たり前だと考えられていた事象を覆した高校生がいます。

物語の中の出来事に興味を持ち、それを計算から導き出した小学生がいます。

彼らを突き動かした「自分で調べる力」はどのように身についていくのでしょうか。

セミの命は1週間ではないことを証明した高校生

今年の6月、一人の高校生が日本中から注目を浴びました。彼は岡山県の高校3年生の植松蒼さん。昔から虫に興味があり、幼いころから様々なことを調べてきていました。今回の調査は「夏にセミの死骸をあまり見ないのはなぜか」という疑問から成虫のセミは1週間しか生きられないというそれまでの通説に疑問を持ったそう。

セミの寿命1週間説は俗説、高校3年生が調査 生物系三学会最優秀賞を受賞 | 財経新聞
セミは数年から十数年を土の中で過ごし、成虫になって地上に出てからは1週間ほどで死ぬと言われているが、実際には10日以上、種によっては1か月ほど生存するということを広島県笠岡市の笠岡高校3年生の植松蒼さんが突き止めたそうだ。

2016年の7月から約2カ月間、笠岡市内の住宅地や雑木林等で毎日セミの捕獲に取り組み、捕ったセミ計863匹にマーキングし、後日15匹を再捕獲、4匹を再々捕獲しました。

その結果、アブラゼミが32日間、ツクツクボウシが26日間、クマゼミが15日間という最長生存確認記録が取れたそうです。

彼はこの研究結果を中四国地区生物系三学会合同大会で発表し、高校生の部(動物分野)で見事に最優秀賞を受賞したのです。

地獄から極楽への移動時間を計算した小学5年生

日常生活や社会で感じた疑問を算数・数学を用いて探究し、レポートの内容を競う「算数・数学の自由研究作品コンクール」で、岡山の小学5年生末光由季さんが2018年度の審査委員特別賞を受賞しました。

彼女は以前読んだ芥川龍之介の「蜘蛛の糸」を題材に、地獄と極楽の間を人間はどのくらいの時間で移動できるのかを計算し研究としてまとめました。

山陽新聞デジタル|さんデジ

地獄に落とされた泥棒の男が極楽までの何万里という距離を蜘蛛の糸を使って登っていくという場面から実際にどれほど時間がかかるのかを計算。

末光さんは近所の公園ののぼり棒で人がのぼる速さを計測し、その時間を計測して物語に当てはめました。

仮に地獄から極楽までの距離が1万里(約4万キロ)あるとすると12・7年かかることを導き出し、「蜘蛛の糸はのぼり棒よりも細く登りにくいので実際はもっと時間がかかる」と付け加えました。

探求心はどこから来るのか

ご紹介したお二人の研究はどちらも彼らの探求心から発生したもの。(高校生の植松さんについては「探心」と言った方が適切かもしれません。 ※探究…物事の本当の意味やあり方、姿を探り、明らかにしようとすること)

ではそもそも探求心とは何なのでしょうか。

それは「物事について、深い知識を得たり、原因を解明したりしようという気持ちのこと」だそう。

子供が3歳くらいから「何で?」「どうして?」と質問が多い時期がありますよね。あれは子供の探求心の表われで、この時期に子供の質問にきちんと答えて解決してあげることが今後子供が探求心を持ち続けていいけるかどうかのカギになります。子供の質問に答える際にはその根拠を子供にわかりやすく説明してあげることが必要となります。

大切なのは根拠を持って子供の理解できる言葉で、子供が納得いくように話してあげること。

ボキャブラリーの乏しい子供に難しい言葉で説明しても理解はできず、それが続くと「どうせ聞いてもわからない」とせっかくの探求心をしぼませてしまう結果になってしまいます。

大人でもわからない質問の時は図書館でもネット情報でもいいので一緒に調べて解決してあげることが必要です。

謎が解けることで子供は知ることの楽しさを学び、問題が解決したことに喜びを覚えます。これが幼いころから続いていくことで自分で調べることが苦にならず、様々なことに興味を持ち続け、結果自分で考えることのできる人間へと成長を遂げるのです。

幼い頃の「何で?」「どうして?」は探求心の基礎。この基礎が作られるのは小学生の間までだそうなので、小さなうちから調べることを習慣化して今後に繋げていけるといいですね。

探求心を持ち続ける幸せ

探求心の強い人は、好奇心旺盛。常にアンテナを張り巡らせ、興味のあることをどんどん自分の中に吸収していくことができます。調べる楽しさを知っているので知らないことに出会うとワクワクしてたまらないという域の人もいるそうです。

自分の好きなことに没頭したり、チャレンジ精神旺盛だったり、何事にも楽しく向き合う力を持っているので幸福度が高いのも特徴です。

幸せを求めるのであれば、色々なことに興味を持つことかもしれませんね。

まとめ

探求心を養うには、疑問に思ったことを解決する喜びを幼いうちから実感させることが不可欠です。

でももし幼い頃にその経験が乏しかったとしても、それがダメというわけでは決してありません。

今からでも好きだと思うことを徹底的に調べたり、やりたいことを気の済むまでやってみたり、新たなことへのチャレンジはどの年齢からもスタートできます。

必要なのは「興味を持つこと」。

あなたの探求心をくすぐるテーマに巡り合えるといいですね。

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