一般的に、集合住宅には騒音トラブルがつきものだとされていますが、戸建て住宅でも近隣住民からの騒音で悩む人は意外に多くいらっしゃいます。
家同士が離れているのに…と不思議な気もするのですが、子育て世帯は特に子どもの泣き声や走り回る音などで近隣の方から苦情が入るケースが度々あるそうです。
近隣に迷惑をかけないためにはどのようなことに注意しなければいけないのか、考えてみたいと思います。
戸建の生活音はマンション以上!?
“一戸建て”と聞くと集合住宅よりも近隣に気を遣うことなくのびのび生活できて…とイメージされがちですが、実はそうでもありません。
最近では25~30坪程度の土地が分譲されているところも多く、手頃な価格で手に入ることから子育て世帯に人気が高まっています。
でもよく考えて…。
30坪程の土地が何区画も分譲されているということは、狭い土地に人が密集して住まなければならないということ。
家こそ一戸建てですが、実際はマンション暮らし並みかそれ以上に近隣への気遣いが必要なことに購入前に気付く人は残念ながら少ないようです。
戸建でも足音はよく響く
私の友人の体験談をご紹介します。
その友人の実家は住宅密集地にあり、近所に住む小学校低学年の甥っ子2人がよく遊びに来ていたそうなのですが、ある日裏のお宅のご主人が訪ねてきたので何事かと思ったら、「今、家族が体調を崩して寝ているため、部屋で暴れるのをやめてもらえませんか。ものすごく響くので…」とお願いされたそう。
確かに近隣の家との距離が近いため、声は聞こえているとは思っていたけどまさか足音が地響きのように伝わっているとは…とびっくりしたと言っていました。
たまたま近隣の方が寝ている部屋と、子どもが遊んでいた部屋が接している位置だったようで余計に大きく響いていたようです。
似たような相談をネット内でもよく見かけるのですが、特に分譲建売住宅にその傾向が多くあるようですね…。
・隣家の会話がすべて把握できるくらいに聞こえる
・階段を上り下りする音、トイレを流す音が聞こえる
・ピアノ、ギターなどの楽器類や聴いている音楽が丸聞こえ
・すぐ隣で泣かれているかのような子どもの泣き声
など、生活音は思っている以上に周囲の人々に聞こえている可能性があります。
防音機能はマンションの方が上
鉄筋コンクリート造のマンションであれば、防音対策はかなりしっかりしています。
マンションは壁一つ隔てて色んな人が生活をするため、なるべくトラブルを回避できるようにと床材に音を吸収するクッション材を使用したり、音が響きがちな水回りを隣との壁を境に対称的に作ったりなど、あらゆる工夫がされています。
ところが一戸建てとなると間取りが自由なため、自分の家の寝室と隣の家の子供部屋が接近する可能性も考えられます。
国交省の統計によると、2016年度に建てられた戸建て住宅は89%が木造住宅。
木造住宅は鉄筋コンクリート造に比べて遮音性が低いため、密集地に何家族も住むとなるとお互いに配慮が不可欠です。
“戸建て住宅=自由”という誤算
一戸建てでの近隣トラブルはマナーの悪さが原因であることがほとんど。
人それぞれ許容範囲が違うため、どこまでが常識でどこからが非常識なのか、判断が分かれるところです。
戸建て住宅で特に気を付けるべきポイントをまとめました。
自分の敷地内と言えど…
戸建ての醍醐味と言えば、庭やベランダを使った家族イベントでしょう。
・庭でBBQ
・庭でプール
・庭で花火
など、子どもとの思い出作りにはぜひやりたいところ。
でも、これがトラブルの引き金となることが多いのです。
隣近所とのトラブルは
おうちBBQ
コロナで外出自粛になったこともあり、昨年から『お庭BBQ』をする家庭が増えたそうなのですが、それに伴い苦情も増加している様子…。
・肉のにおいが洗濯物についた
・1日中窓が開けられない
・アルコールの作用で声が大きい
・遅くまでうるさい
など、自分達はよくてもご近所さんにとっては大迷惑かもしれないことを気にしなければなりません。
自分の敷地内での行為だと言っても煙やにおいはどうしても敷地外へ流れていってしまいます。
人に不快な思いをさせてしまうかもしれない可能性がある場合は先手を打っておくのがいいでしょう。
事前に近隣の方へ「●月●日にBBQをする予定です。●時までには終えますので…」と一言伝えられると親切かもしれませんね。
やりたいのであれば煙が出ない工夫を
BBQの煙の主な発生源は、肉から滴り落ちた油が炭に付着することで起きます。
これをどう防ぐかということなのですが、
・煙の発生しにくい炭を使用する(備長炭・オガ炭など)
・炭の使用は控え、ホットプレートで焼く
など工夫をすると煙の放出を抑えることができます。
よくホームセンターで売っている安い炭は煙が発生しやすいマングローブ炭です。この炭を使うとタレや油が落ちた時に煙が大量発生しますので控えたほうが無難です。
ホットプレートでは味気ない!という方もいらっしゃるかもしれませんが、大切なのは家族や仲間との時間なので、近隣に気を遣いつつお肉を焼くのには最適だと思います。
片付けも簡単なので。我が家は毎回ホットプレートで楽しんでいます。
庭でプールも実は迷惑
そこまで広い敷地でなければ、お庭でプールも結構迷惑行為です。
何が迷惑かと言うと
・子どもの声
・車や洗濯物を濡らされる恐れ
の2点。
まず、子どものはしゃいだ声は身内以外には基本的に騒音です。
隣まですぐそこの距離でプールを出され、長い時間はしゃがれようものなら周りは相当な我慢を強いられます。
さらに隣の車や洗濯物に水を飛ばされる可能性もあるため、お隣さんはたまったもんじゃありません。
もしどうしても水遊びというのであれば、ご自宅の浴室か民間のプールにしましょう。
余談ですが『庭でプールをさせていたら近隣住民に怒られた』とネットで相談している人がおり、その回答を見てみたら
・30坪だろうが、100坪だろうが、住宅密集地では壁に反響して響くの。
1ブロック先のプール遊びの奇声が、隣の家かと思うほどうるさくてビックリしたわ。・子供の大声や犬の鳴き声など、親や飼主がきちんとコントロールすべきで、他人に許容してほしいと求めることは筋違いです。
・いくら戸建てでも、密集した所でするものではないし、いくらでも騒がせていいものではない。
参照:Yahoo!知恵袋
と、子どもの騒音は親にも責任があるとの回答が多く寄せられていました。
「子どもなんだから仕方ない」というのは、第三者が思うことであって、やっている側が言うのは筋違いだと私も思います。
「子どもなんだから…」と開き直っている親の周りには人が少なく、トラブルが多いのが常です。
周りがどう思うか、逆の立場だったらどう思うかをしっかり考え、その上での行動が大人には求められています。
ちなみに花火ですが、煙、はしゃぎ声、火事になる危険性の観点から、公園や河川敷などでやるのが常識です。
おわりに
せっかく戸建を買ったのに思うような自由がなかった…と感じている方もいらっしゃるでしょう。
いくら戸建てとはいっても近隣に他の人が住んでいるのであれば最低限の配慮は必要不可欠です。
他人への思いやりを忘れずに過ごしていきましょう。
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