【統計】小2がいじめのピーク。自由の少ない子供達…習い事の掛け持ちによるストレスが一因か。

生活

『いじめ』と聞くと、いじめが理由で自殺するお子さんが小学校高学年~中学校の3年間に集中していたイメージがあるのでそのあたりがピークなのかな、と思っていたのですが、最近の調査で子どものいじめのピークは何と小学校2年生だと判明したそうです。

いくらなんでも低学年すぎないか…と思い調べていくと、現代の問題点が見えてきました。

イジメの低年齢化

10年前までは中学1年生がいじめのピークだったのですが、現在ではイジメのピークは小学校1~3年生。その中でも小学校2年生が発生件数が一番多くなっています。

参照:いじめのピークは「小2」低年齢化の衝撃の実態

10年でなぜこうも変わったのかと言うと、調査内容に「冷やかし、からかい、悪ふざけ」等のイジメなのかイジリなのかわかりにくいことも報告対象としたことが挙げられます。

低学年はまだ精神も未熟で、自分の発言がどの程度相手に影響を与えるかまで見越せていないことがあります。

それは言われた側も同じで、友達の何気ない一言にものすごくショックを受けることがあり、それを「いじめられた」と思う子も少なくありません。

このあたりのやった側、やられた側の捉え方の相違が低学年は特に多く、報告事例が多数なのだと思われます。

今の子どもは自由がない!?

いじめが低年齢化しているもう一つの理由に、『早期教育の詰め込みすぎ』が挙げられています。

子どもが将来困らないようにと幼いうちから習い事をいくつも掛け持ちさせる教育熱心な親が増え、それに伴って子どもの自由な時間は減りました。

たくさんのことをやらされているストレスが徐々にたまり、それを弱い相手にぶつけて発散するという構図が出来上がってしまう子が増えてきたそうです。

子どもが楽しんで習い事に通っているわけではなく、親に“やらされている”と感じている子は要注意です。

幼少期の遊びは早期教育よりも大切

子供時代は早期教育よりも遊ばせることの方がよっぽど重要だと提言する教育者は多いです。

その大きな理由は、人として最も重要ともいえる人間性を培うため

遊びを通じて得られる大切なことは多くあるにもかかわらず、現代では多くの親が周りに流され早期教育に目を向けてしまっています。

子どもの遊びは発達段階において最も重要な役割を果たしています。

子どもが身体を動かすことで筋力、瞬発力、判断力を付けることができ、ルールを決めた遊びをすることで社会性やコミュニケーション能力が発達していきます。

遊び方を工夫することで創造性、柔軟性、独創性が得られ、失敗から学ぶことで更なる飛躍に繋がります。

重要なのはそれらが子供自らの考えのもとに育まれることです。

これらは大人から教わることはできず、また大人になったからといって身につくものでもありません。

幼児期~小学校低学年あたりに特に大きく伸びる能力なのです。

人格形成に最も重要となる時間を、大人の自己満足(習い事の掛け持ち)のために使うことが果たして子どものためなのか、甚だ疑問です。

勉強は後から追いつけますが、これらの能力は後から追いつくことはとても難しいと考えられています。

いじめが最も発生するのは…

いじめにも発生しやすい時期があるようです。

イジメが認知された被害者の人数(小学生)

ちょっと古いデータではありますが、「平成21年 群馬県生徒指導上の諸問題調査結果報告書」によると、いじめが最も発生しやすい時期は毎年5~6月と11~12月。

いじめの電話相談の件数が一番多い曜日は月曜日と金曜日だそうです。

いじめが発生しやすいポイントを親が知っておくことで、子どもの様子をより細やかに見てあげることができますので、参考にしてみてください。

【余談】

以前教育評論家の方が「親は『うちの子がいじめられていないか』ということにはとても過敏ですが『誰かをいじめていないか』ということには残念ながらとても鈍感です」ということをテレビでおっしゃっていました。

確かに。

いじめに遭っていないかということにアンテナは立てているけれど、いじめる側になっていないかということには親は大して注意を払っていないのかもしれません。

お子さんの様子が何か変だと気付いた時には、いじめられていないかの確認の他に誰かを傷つけていないかということも併せて確認することが必要です。

「まさかうちの子がいじめなんてするわけない」と思っているのは親だけです。

(実際加害者の親の発言はこの手のものが多いです。)

自分の子どもやその周囲の子ども達を守るためにも【手は離しても目は離さず】を実践していきましょう。

おわりに

私が小学生の頃、休み時間…特に給食前~昼休みの時間はとても楽しみな時間でした。

誰かが家から持ってきたボードゲームで双六をしたり、UNOやトランプなどのカードゲームで盛り上がったり、男子は教室の後ろでメンコをしていたり…。

それを飽きずに毎日繰り返し、クラス中が色んな人とコミュニケーションをとっていたように思います。

子どもが小学校に行きだして一番驚いたことは、給食時に周囲の子どもと班にはならず、授業中の席のままみんな黒板のほうを向いて黙々と食べていることでした。

おしゃべりは一切なし。(コロナ前でもそれが普通でした)

今の子ども達を見ていると学校でも自由な時間が少ないように思え、友達と遊ぶ楽しみや、コミュニケーションをとる機会が少なすぎないかな…と思えます。

もしかしたらこの人間関係の希薄さもいじめと関係しているのではないかと感じています。

 

何歳であれ、どんな理由であれ、いじめは犯罪です。

 

自分の子どもが加害者にも被害者にもならないよう、周囲の大人の細心の注意は必要不可欠です。

教師ですら「今の子ども達はルールにがんじがらめになっていて生きづらそうだ」と感じている現代。

コロナでさらにその負担は子ども達に大きくのしかかっています。

少しでも子供達が生き生きと過ごせるよう、大人側にも子どもを解放する努力が必要なのではないでしょうか。

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