依然猛威を振るい続ける新型コロナウイルス。
先日はついに東京で新規感染者数が800人を超えました。
神奈川県や大阪府でも300人を超え、広島県でも過去最多の感染者数になるなどウイルスの拡大はますます深刻化しています。
ウイルスから身を守ることと同じくらい気を付けたいのが、子供の心のケアです。
目に見えないからこそ募る不安
今年の9月~10月に国立成育医療研究センターが実施したアンケート調査によると、コロナを理由に学校に行きたくないと思ったことのある小中高生は3割に上ることがわかりました。(全国の7~17歳の小中高生2111人と保護者8565人からインターネットで回答を取得)
「コロナのことを考えると嫌な気持ちになる」と答えた人は73%で、初回(75%)、2回目(72%)のアンケート時と同じく高い率を示しています。
大人と同様にコロナに敏感になっているのは子供も同じです。
アンケートでは「マスクを顎にずらしたまましゃべられるのが不安」と答えた子もおり、しっかりとマスクを着用していない人を「怖い」と感じる気持ちがあることがわかりました。
子供の不安に向き合う
この前の日曜日、次女(小2)が「明日学校に行きたくない」と突然言い出したので理由を聞くと「隣の席の子がマスクをちゃんとしないから」との返事が返ってきました。
今月に入り、市内の中学校でクラスターが発生したり、子供達の学校にも濃厚接触者が出たとかでひと騒ぎがあり、コロナはテレビの世界だけでなく自分の身にも迫ってきてるんだ…と実感したんだろうなと思います。
「コロナなのにちゃんとマスクしないんだよ」とちょっとお怒りの次女。
子供のタイプにもよりますが、一般的には年齢が幼ければ幼いほど「自分と他人の感覚は違う」ということを理解している率は低くなりますよね。
とりわけ「自分は正しいことをしている」と信じている子には「確かに正しいんだけど、みんなが同じ感覚でいるかどうかはまた別の話なんだよ」ということをきちんと話してあげる必要があると思います。
感覚の違いがあることを知っているか知らないかで怒りのボルテージも違いますし、そういう人もいるんだな、と自分の中で解決することができるきっかけにもなってきますよね。
次女には
・自分自身がきちんと予防対策をしていればそんなにウイルスに怯えなくてもいいこと
・お友達の中にはマスクをすることをとても苦しく感じる子もいるということ
・みんなが自分と同じ気持ちや感覚でいるわけではないこと
をじっくり伝えました。
自分と他人の感覚の違いを知ることで自分の型に当てはめることができない人を排除することもなくなるだろうし、人それぞれに個性があるということに気付いてくれたら視野が広がるだろうなと思っています。
たとえ友達の気持ちに共感はできなかったとしても「そういう考え方もあるんだな」と切り替えられれば子供の心も軽くなるようです。
こちらの記事も参考にどうぞ→非常識だと決めつけないで!感覚過敏でマスクができない子供達。コロナ禍で突き刺さる周囲の目。
休ませるのも一つの選択肢
今年の5月末、コロナ休校が明ける頃によく言われていたのが「行きたくなければ行かなくてもいい」との言葉。
超長期休み明けな上、コロナウイルスという未知の存在に怯える子供が一定数いるだろうと予想されていました。
日本教職員組合が8月末~9月中旬に行ったアンケート(全国の小中高校、特別支援学校など計1152校から回答を得た)によると、夏休み明けに不登校若しくは保健室登校になった子供は小学校で20%、中学校で24%、高校で28%、全体では23%が【増加】と回答があったそうです。
加えて、感染予防の観点から子供を学校に登校させない保護者が【いる】と回答したのは、小学校で14%、中学校で16%、高校で11%、特別支援学校では25%で、全体では15%。
コロナがなかったとしても休みたいと思う子供は一定数いると思いますが、このウイルスが不登校児増加に拍車をかけているのは間違いないでしょう。
子供に「学校に行きたくない」と言われると親は驚いてしまい、どうにか行くよう仕向けてしまいますが、学校に行きたくないという気持ちが強いようであれば無理強いして悪化させてしまう前に一旦お休みするというのも選択肢の一つです。
オンライン授業という新たな学び方
「コロナが怖くて登校できなくなった」という子供もいる一方で、「緊急事態宣言明けから登校できるようになった」という子供も多くいるようです。
緊急事態宣言で長期休みとなっていた今年の春。
コロナ前から不登校だった子供達が、オンライン授業をしたことで大きな変化があったという例が報告されています。
青森市教育委員会の調査報告
青森市の教育委員会が緊急事態宣言発令中に市内の小中学校を対象に調査をしたところ、オンライン授業を受けた子供は全体で96.8%と判明。
それまで不登校だった子供がオンライン授業に参加した率は約8割でした。(中学生の不登校児参加率は74.6%)
そして驚くべきことに、オンライン授業に参加した不登校児のうち5月25日から通常登校が始まった後もそのまま通学できたという率は何と92.5%!!
通年であれば時間の経過とともに通学しなくなってしまう傾向にあるそうですが、2020年度に関しては継続率が高いとのこと。
昨年度は中学校の不登校生徒の登校率は数週間で40.7%に減少していましたが、今年度は70.2%を維持したそうです。
オンライン授業の参加理由についてスクールカウンセラーが不登校児に聞き取り調査をした結果、
・皆が休んでいるので自分が登校しないことが苦にならない
・オンライン授業という新しい学習形態に興味がある
・周りの子供の目を気にせず参加できる
・勉強をするのが嫌いなわけではない
との意見が多かったそう。
不登校児はいじめや学業不振、家庭の事情などで通えなくなってしまうケースが多く、学ぶことが嫌いで逃げているわけではないことが明らかになりました。
オンライン授業の不登校児参加率は青森市だけではなく全国でも高いため、不登校児の授業参加にオンラインを取り入れる日も近いのではと推測されます。
オンライン授業を個別でできる塾も
コロナが怖いという理由で学校を休んでいる子供達は全国に多くいます。
休むのはいいけれど心配になってくるのは学業の遅れ。
学年が進むほど高い知識が必要とされるため、自宅学習だけで大丈夫だろうか…という不安が出てきます。
今はネット検索をかけると「オンラインで個別指導します」と謳っている塾が数多くあるため、お休みしている間だけでもそちらを利用するという手段もあります。
コロナに怯えながら無理に学校へ行くより、安心できる場所で集中して取り組むほうが子供に有効ではないでしょうか。
人それぞれ感じ方は違うので「ほとんどの子が学校に通えているのに…」とお子さんを責めないでください。
子供は大人以上に色々なことを敏感に感じ取っています。
学校へ行かなくても学びの機会は溢れているので、適した方法で学習させてあげましょう。
おわりに
まだまだコロナの猛威は続きそうですね。
イギリスでは変異型のウイルスが流行しているとのことで、日本も同じような状態になるのは時間の問題だと思っています。
ニュースでもネットでも学校でも家庭でもコロナの話題は尽きず、家庭内でもマスクをしましょうと提唱されています。
お子さんの体調の変化に気付くことは大切ですが、心の変化に気付いてあげることも同じくらい大切なことです。
「こうしなければならない」という固定観念を捨て、どうするのが最善策なのかを子供と一緒に考え、サポートしていきたいですね。
コロナに怯えなくてもいい日が一日でも早く来ることを願っています。
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