鶏肉は高確率でカンピロバクターを保菌している⁉知っていれば怖くない、安全に美味しく食べるための基礎知識。

健康

調理前に食品を洗うことは、どこのご家庭でも実践されていることと思いますが、洗うことで食中毒のリスクを引き上げてしまう食物もあることをご存知でしょうか。

今回は、前回の卵に引き続き、洗ってはいけないとされる「鶏肉」について調べていきたいと思います。

前回の記事はこちら→卵は洗っちゃダメ!!家族を食中毒から守るために覚えておきたい卵保存の基本。

鶏肉には高確率でカンピロバクター菌が潜んでいる

食肉にはカンピロバクターという菌が存在していることがありますが、特に鶏肉にはかなり高い率でこの菌が付着しているとされています。

厚生労働省のHPによると、平成26年度の調査では市販されている鶏もも肉の42%が、鶏むね肉は40%がカンピロバクターに汚染されていたとの報告があります。

厚生労働省HPはこちら→https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000126281.html

東京都による調査では、流通されている鶏肉の4~6割からカンピロバクターが検出されたとの報告もあり、感染の高さがうかがえます。

カンピロバクター食中毒とは

ごく少量の菌であっても感染する食中毒。

4月~7月・秋頃に最も流行しやすいと言われ、この菌に感染すると2~7日の潜伏期間の後に発熱・倦怠感・嘔吐・下痢・腹痛などの症状が現れ、回復までに数日間要します。

菌を体外へ排出するため、下痢止めの服用は避けることが多いようです。

予後は良好と言われていますが、稀に手足の筋肉が麻痺するギランバレー症候群も引き起こすことがあり、しばらくは体調の変化に注意が必要です。

感染しないためには…

カンピロバクターは低温に強く冷凍保存していた鶏肉でも菌が確認されています。

30℃~45℃で最も活性化するため注意が必要です。

加熱には弱いので、しっかり火を通すことで安全に美味しくいただくことができます。

しっかり熱を加える

カンピロバクター菌は75℃で1分以上加熱すれば死滅します。

それ以上の温度であればなお有効ですが、大切なのは中心部分までしっかり加熱されているかどうか。

表面の焼き加減で判断せず、じっくり火を通しましょう。

2次感染を防ぐため、鶏肉は洗わず使用する

鶏のぬめりや臭みを少しでも取り除くため、調理の際に流水で洗う方がいらっしゃるようですがこれはとても危険な行為。

鶏肉を洗った際に飛んだ水しぶきが2次感染を引き起こすことがわかっており、例えばしぶきの飛んだ箇所にあった食品などをそのまま食べてしまった場合には、それがたった1滴のしぶきであったとしても容易に感染してしまいます。

同様に、生の鶏肉が付着した包丁・まな板・箸などの調理器具の使い回しや、鶏肉を触った手指を洗わずに別の調理を始めることも感染に繋がります。

洗剤で洗うほかにアルコール除菌も有効です。

鶏肉の調理が終わったら早急に菌の拡大を防止しましょう。

おわりに

購入した鶏肉がカンピロバクターに汚染されているかどうかは目視ではわからないため、調理には細心の注意が必要です。

十分な加熱と2次感染にさえ気を付けていれば鶏肉は安全に食べることができるので避けることはありません。

家族を食中毒から守るため、正しい知識を持って調理に臨みましょう!

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