ここ数年、幼児に流通しているストライダー。
自転車に乗る前の前段階として練習用に買うご家庭も多いようです。
…が、ストライダーやキックスクーターなど車輪付き遊具のルールを知らない大人が多く、度々事故のニュースを耳にします。
大人が良かれと思って買い与えたもので子供が事故の当事者にならないよう、大人がルールをきちんと理解し子供に教えなければなりません。
ストライダーをはじめとする車輪付き遊具を安全に使用するために、今ここでルールを覚えてしまいましょう!
車輪付き遊具の位置づけ
ストライダーの形から、イコール自転車、という発想をお持ちの方も多いと思うのですが、実は自転車とはまるで違う扱いがされています。
自転車は「軽車両」に分類されるのに対して、ストライダーは「遊具」と認定されています。
なぜ自転車は公道を走れてストライダーはダメなのでしょうか。
道交法第2条では自転車の定義は
「ペダル又はハンド・クランクを用い、かつ、人の力により運転する二輪以上の車」とされています。
ちなみにハンド・クランクとは手で漕ぐ機能のある自転車のことです。
ストライダーやキックスクーターは人力で進みますが、ペダルがないので軽車両からは除外され遊具となります。
車の往来のある公道での遊具の使用は禁止、となってしまうわけですね。
※大人用のキックスクーターは、一定基準を満たせば軽車両という位置づけになるものもあります。
ストライダーにブレーキがない理由
ストライダーはペダルもブレーキもないのが一般的です。足で地面を蹴って進む乗り物なのでペダルがないのはわかるのですが、なぜブレーキも備わっていないのでしょうか。
STRIDER JAPANによりますとブレーキがついていない理由は以下のように説明されています。
1歳半~3歳の幼児にはブレーキレバーを握る握力は備わっていません。つまりブレーキ操作ができません。仮に握力が備わっていたとしても「レバーを握る=止まる」という動作は直感的操作ではないので、幼児にとっては非常に難しい操作となります。ですのでストライダーにブレーキが付いていたとしても、実際には全く役に立たないどころか、車重も重くなるので逆に止まりにくくなります。危険を察知した時、幼児は反射的に足で止まろうとします。ストライダーは足でしっかり止まれるように超軽量設計となっておりますので、まずは自分の足でしっかりと止まることを身に付けさせてあげてください。
なるほど~。子供の身体的構造や反射的心理からあえてつけていないんですね。納得です。
ストライダーが流行り始めてから色んなメーカーが似たような商品を出しており、ブレーキ付きのものも販売されているのを見かけますが、子供の特性からすると良し悪しですね。
公道での走行についても
一般公道走行禁止です。ストライダーはクランクが付いていないため、道路交通法上、軽車両(自転車等)ではなく遊具に該当します。自転車のように公道を走行することは一切できません。公道での走行は大変危険なので絶対におやめください。
引用元:STRIDER JAPAN
という注意喚起がなされています。
説明書をじっくり熟読する方はさほど多くないかもしれませんが、乗り物の場合本人のみならず周りの人に怪我をさせてしまう可能性もあります。
これを機会に子供の安全と周りの方の安全を考え、大人がきちんとした使い方を促してあげたいですね。
ストライダーやキックスクーターによる事故
残念なことに過去には子供用の車両付き遊具で痛ましい事故が起こっています。
昨年(2018年9月)岡山県倉敷市で起こった事故は記憶に残っている方もいらっしゃるかもしれません。
夜の7時過ぎに祖父と一緒に犬の散歩に出かけた4歳児。ストライダーに乗りながら祖父の前を走っていたら、信号のない見通しの悪い市道の交差点に差し掛かった際にワンボックスカーにはねられ2時間後に死亡が確認されたとのこと。事故時はヘルメット未着用で全身を強く打ったそうで、亡くなられたお子さんを思うと気の毒でなりません。反射板もブレーキもついていない遊具、しかもノーヘルで暗い時間帯に走行するのは…。
もし周りの大人がストライダーの使用法をきちんと認識していれば防げた事故だったかもしれません。
この事故は、亡くなられた子供の周りの大人が起こした人災ではないかとネット上にコメントが溢れ、ワンボックスカーの運転手に同情の声が多く集まった印象に残るものでした。
2017年にはキックスクーターでの事故も話題になりました。
愛知県の市道の交差点で、小学校3年生の姉と小学校1年生の弟がキックスクーターに乗って道路を横断していたところ、乗用車にはねられて搬送されたそうです。事故現場には信号も横断歩道もなかったとのこと。
この事故も、公道での走行禁止というルールを知ってさえいれば防げたように思えてしまいます。
まとめ
車輪付きの遊具で遊ぶ場合は
・公道では絶対に乗らない
・平坦な場所で乗る
・ヘルメットを必ず着用する
を基本として乗らせるように徹底しましょう。
どんなおもちゃも乗り物も事故はつきものですが、使用法をきちんと守っていれば危険な目に遭うことはほとんどないと言えます。
大切な子供を守るために、そして同時に誰かの大切な人も守るように、ルールは徹底して楽しく安全に利用しましょうね。
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