ここのところコロナウイルスの感染者増大でニュースでは毎日コロナの話題ばかりが取り上げられていますが、子どもを中心に他のウイルスも大流行しています。
それが【RSウイルス】。
毎年夏過ぎあたりから流行り始めるのですが、今年は5月頃から爆発的に患者数が増え、先月の時点で過去最高の流行状況となっています。
RSウイルスとは
RSウイルスは、私達人間が生涯に渡り何度も感染を繰り返すウイルスで、感染すると、喉・鼻・気管・気管支・肺などの呼吸に関係する箇所に炎症などの不具合を引き起こします。
1歳までに70%が、2歳までにほぼ100%の人が感染するウイルスで、感染の回数を重ねるごとに免疫力が強くなって症状も軽度で済むようになるのですが、生まれて間もない赤ちゃんがかかると重症化する恐れがあり、注意が促されています。
RSウイルスの症状とは
RSウイルスに感染すると、発熱、鼻水、軽い咳など風邪に似た症状があらわれます。
大体は1週間程度で改善していきますが、悪化すると、
・息をすると胸のあたりが大きくへこむ(陥没呼吸)
・鼻やくちびるなどが青黒くなるチアノーゼが見られる(呼吸困難)
というような症状が出始め、入院して治療をすることも珍しくありません。
基本的に大人は重症化しにくいですが、新生児や乳幼児、お年寄りは重症化の恐れがあるため気を付けなければなりません。
特に重症化リスクのある人
RSウイルス感染で重症化しやすいお子さんは
・生後6か月未満の赤ちゃん
・早産・低出生体重の赤ちゃん
・先天性心疾患
・慢性肺疾患
・ダウン症
・免疫不全症 など
です。
RSウイルスの感染経路は「接触感染」と「飛沫感染」であることがわかっているため、
※接触感染…手についたウイルスから感染が拡がること
※飛沫感染…ウイルスを含むくしゃみや咳などの飛沫から周りに感染すること
・マスクを着用すること
・人混みを避けること
が最大の予防となります。
今年はRSウイルスが大流行
予防法を見ていただくとお分かりのように、新型コロナウイルスの予防対策とRSウイルスの予防対策は酷似しています。
去年はマスクや手洗いなどのコロナ対策と緊急事態宣言による保育所の休園などのおかげでRSウイルスの感染が少なく抑えられていたのですが、今年は去年の600倍ともいわれるほどに感染者数が増え続けています。
今回のこれだけの流行は、昨年感染が広がらなかったために多くの子どもが免疫を持っていないことが影響しているのではと見られています。
感染者数が圧倒的
国立感染症研究所のデータによると、今年の5月末までの1週間で全国およそ3000の小児科の医療機関でRSウイルス感染症と診断された患者は7818人。
同時期の感染者数は、3年前が949人、一昨年が1028人、去年が13人だったため、昨年から比べると今年は約600倍、2年・3年前と比べると約8倍も感染者が多いことになります。
いつもなら夏の終わり~春先にかけて蔓延するのですが、今年は5月には流行が始まっていて、未だに収束の兆しは見えません。
入院しても特効薬というものはなく、酸素投与や点滴治療が治療の中心となります。
もしもお子さんに発熱などの他に
・息苦しそう
・食欲がない
などの症状があらわれた場合は重症化する恐れがありますので、早めに医療機関を受診するようにしてください。
おわりに
世間がコロナ対応に追われている中で、小児科ではコロナ以外にRSウイルスの流行で病床がひっ迫しているところが出てきています。
病源菌自体はさほど強くはないものの、特に初回の感染に関しては症状が重くなることが予想されるため、お子さんの様子が少しでもおかしいと感じたら迷わず病院に行ってください。
怖いのはコロナだけではありません。
一人一人が意識をして、しっかりと予防するようにしましょう。
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