蚊をパチン!と潰したときに、蚊から血が出てきたという経験をされた方も多いでしょう。
しかしこの血、一体誰の…?
もし病気の人の血を吸った蚊を殺してその際に血が出てきた場合、潰した人に病気が感染してしまうのでしょうか??
蚊から出た血で感染する?
先に結論を言ってしまうと、蚊の血で感染することはほぼありません。
血液で感染…と言うと、HIVやB型・C型肝炎などが想像されますが、そのいずれも蚊から感染することは限りなく0に近いと考えられます。
なぜ感染しない?
感染するには感染するのに必要な量というものがあります。
例えばHIVに血液から感染しようと思うとある程度の量が必要で、HIVの血を運んできた蚊に刺されたからといっても感染させるだけの量を蚊は蓄えてはいません。
感染させるのに必要な量の10万分の1程度しか蚊は運べないと言われており、この蚊を潰して手についたところで何ら問題はないし、万が一傷口の上で蚊を潰してしまい、そこから体内に入ったとしても量が少なすぎて感染させられません。
蚊が血を吸った時点で吸われた血は感染力を維持できないとも言われていますし、せっかく命がけで吸血したものを新しい吸血場所で吐き出すという行為も蚊はしないので心配しなくてもいいという結論に至るのです。
コロナウイルスも大丈夫??
昨年度は「新型コロナウイルスを蚊が媒介するのでは…」と心配されていましたが、それもなさそうです。
なぜ大丈夫と言えるのか。
それは今までに蚊がコロナを媒介して感染したという情報がないことと、蚊の特性にあります。
蚊からうつる病気とは
蚊には媒介できるウイルスとそうでないウイルスがあります。
蚊が媒介できるのは節足動物媒介性ウイルス(アルボウイルス)と呼ばれるウイルスだけ。
節足動物媒介性ウイルス(アルボウイルス)とは、吸血性節足動物によって哺乳動物へと媒介されるウイルスの総称であり、蚊やダニもこれに含まれます。
蚊から人間にうつる病気とは
蚊の種類によって人へうつる病気は異なります。
主なものは下図6種類です。
参照:東京都感染症情報センター » 蚊媒介感染症 Mosquito-borne Infection (tokyo-eiken.go.jp)
蚊の身体の中で起こっていること
蚊を媒介して感染を広げる節足動物媒介性ウイルス(アルボウイルス)は、蚊が病源菌を取り込むと蚊の体内で増殖し病原体を増やして他者へ感染させるという特徴があります。
具体的には、
という流れをたどります。
先ほど述べたHIV、肝炎ウイルス、コロナウイルスなどは蚊の体内で病源菌の増殖はできないウイルスであるため蚊を媒介して感染するということはありえないという結論に至りますが、蚊を媒介して起こる病気はひどいと死を招く危険性があるので注意が必要です。
人間を一番殺すのは“蚊”
蚊に刺されて命を落とす人間が年間にどれだけいるか想像がつくでしょうか。
蚊に刺されたことで命を落とす人は世界中で年間70万人以上だと言われています。
中でもマラリアに感染しての死者は60万人と想定されており、たかが蚊だとのんきにはしていられません。
2014年に蚊を媒介して感染する【デング熱】を発症した人が日本で何人も出たことは記憶に新しいのではないでしょうか。
これからやってくるシーズンを前に、しっかりと刺されない備えをしておく必要があります。
蚊を寄せ付けないために
まずは家の周りの環境整備をしましょう。
バケツなどに水が溜まっていると蚊がそこで産卵しボウフラがたくさん湧いてくるため蚊の住処と化してしまいます。
そうなる前に家の周りに水のたまり場を作らないことが重要です。
蚊は普段は花蜜を吸ったり草の汁を吸ったりしているため、草や芝は短く手入れをして蚊をなるべく寄せ付けないように工夫を。
蚊は汗のにおいにつられてくるのでこまめにシャワーを浴びたり、蚊取り線香や虫よけスプレーなどで自衛をしっかりしてください。
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蚊は、18℃~30℃の気温で一番活発に動くといいます。
夏の日の明け方や夕方、秋口は特にお気を付けくださいね。
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