私達の周りにはインスタ、ツイッター、ブログ、Facebook、LINEなど、老若男女問わず利用されている便利なツールがたくさんあります。
それらをのぞいてみると、我が子可愛さから子供の写真を待ち受けにしたり、かわいいショットをアップしたり、幼い子供達の写真が当たり前のようにあちらこちらに投稿されていますよね。
でもこの行為が子供を危険に晒していることにあなたは気付いていますか??
そもそもなぜSNSに子供をアップするのか
今や子供の4人に3人がSNS上に自分の画像が載っていると言われる現代。では親は何のために子供の写真をSNSにアップするのでしょうか。
・親の欲求を満たすため(いいね!がほしいなど)
遠方の人たちと情報共有するのにこれらのツールがとてもと便利だというのは理解はできます。が、限定公開になっているならまだしもそれが不特定多数の人にも公開されているとなると勝手に載せられてしまっている子供に同情してしまいます。
私の周りにも頻繁にFacebookに子供の写真を載せて公開している親が何人かいますが、それらを見ていると親の目立ちたい・認められたいという承認欲求や自己満足に子供が利用されている気がしてなりません。それらは決して子供のためではなく、自分のために子供を使って注目を浴びたいと考えているのが見え見えです。周りとの繋がりをFacebookを通して実感しているのだろうと思いますが、いつどこで誰が何をしたと詳しく書かれている内容を見るたびに「ここまで子供のこと晒して大丈夫なの?」と心配になります。
更新頻度の高い人ほど承認欲求が強いのだろう、と感じています。
LINEのアイコンも気を付けて!
子供が生まれてママ友ができると特に、周りから「○○ちゃんのママ」として認識されるため、わかりやすいように名前を「○○ママ」としたりアイコンをお子さんの写真にされている方をよく見かけます。名前だけならまだリスクは低いですが、名前も写真もとなるとリスクは格段に高くなります。
アップさせることがなぜ危険なのか
SNSの1番のリスクと言えば、「不特定多数の人に情報を晒している」という部分に尽きるでしょう。
世界中どこにいてもネットさえ繋がれば誰でも情報が山のように手に入ります。
その中にもしペドフィリア(小児性愛者)がいたとして自分の子供が気に入られてしまったら…。しかもその写真に位置情報などが記録されていたとしたら…。
考えただけで恐ろしくありませんか?
考えられるリスク
デジタルカメラやスマホに付随するGPS機能や位置情報はとても便利な機能ですが、怖い一面も併せ持っています。これらの機能をONにしている状態で撮られた写真をSNSにアップするということは、知らず知らずのうちに他人にいつどこで撮影されたものかを晒していることと同じ。
家で撮影されたものであれば自分と子供の居場所、近所の公園であれば生活範囲などを見ず知らずの他人に知られることに繋がります。
どうしても写真をアップするのであれば、これらの機能をOFFにした状態で撮影するといいでしょう。
それから背景に写りこんだ看板やビルなども特定材料の一つになり得るので気を付けてください。
第三者が子供の顔部分の写真を切り取り、本人の意図しない画像と加工したものをネットにアップしたものが世に出回るなどの犯罪も横行しています。かわいいからと投稿した写真が、それを見た他人に悪用されるリスクがあることを知っておかなければなりません。
先程のLINEのアイコンの件も、「知り合いかも?」に表示されてしまったり友達以外の人にも見られる可能性があるものなので注意が必要です。
これはSNSに詳しい専門家の先生に聞いた話ですが、ある親が子供の参観日に教室内で撮った我が子の写真をSNSにアップしたところ、教室の掲示物から小学校を特定され、その子の帰りを待ち伏せされて連れて行かれそうになったという事件が実際にあったそうです。
親にとっては何気ない一コマであったとしても、それを見る人によっては場所を特定するために写真を拡大したり、モザイクで消したはずのものを元の状態に戻したりとあらゆる手段を使って情報を得ようとしてくることを忘れないでください。
デジタル誘拐とは、赤の他人に子供の親になりすまされることや、画像を勝手に悪用されることを言います。自分の子供ではないのに他人の子を自分の子としてネット上に拡散させたり、違う画像と組み合わせて悪用したり…。もちろん無許可で他人の子供の写真を使うわけですから、親がそれに気付くまでに時間がかかる若しくはずっと気付かないケースもあると思われます。
おむつ替えやお風呂のシーンなど子供が幼いときにアップした写真を、数年後に子供本人や子供の友達に発見されて恥ずかしい思いをする、ということも考えられます。
またSNSの専門家の方の話では、就職活動で面接をした希望者一人一人の名前をネット上で検索する企業が増えているそうです。検索した時に本人の書いたSNSが出てくればその内容も確認し、採用するかどうか決めるとのこと。SNSは私生活が詰まっているので、面接のときの上辺だけの印象のみならずどのような人間なのかを判断する一つの材料になるそう。もちろんそこに親が書き込んでいたブログなどが引っかかればそれも判断材料になるでしょう。どのような親に育てられ、どのような生活を送ってきたのかを企業に見られるかもと思ったら、将来子供に迷惑がかかる可能性のある投稿はできませんよね。
デジタルタトゥーという言葉をご存知でしょうか?
これは簡単に言うと「インターネット上で1度でも公開した書き込みや個人情報は消えることがない」という意味で近年使われ始めた言葉です。
あとから投稿を見直した時に「これは消しておこう」と削除したとしても、1度公開してしまったのなら画面上からは消えたとしても実際には消えていないリスクが付きまといます。誰かがそれをすでに保存していたりスクリーンショットで残していたとしたら、それはいつ誰によって拡散されるのかわからないリスクとなるのです。
SNSを安全に楽しむために
今やない生活なんて考えられないくらいに浸透しているSNS。
SNSで他人と繋がることに喜びを感じたり投稿してみんなの反応を楽しむなど大きな支え・存在となっている方も多いでしょう。
でも先ほど述べた通り、危険も付き物ですよね。
では安全に楽しむにはどうしたらいいのでしょうか。
居場所を特定されない対策を取りましょう。
リスクを減らすには顔出ししないことが1番。後ろ姿だったり帽子で顔を隠したりで特定されるのを防ぐのが賢明です。モザイクやスタンプで顔を消すという方法もありますが、パソコンに長けた人は加工前に戻すことができたりするのでリスクは0ではありません。
集合写真など他人の子供と写っている写真を保護者全員の許可もなく勝手にアップすることは親同士がトラブルになるのは当然のこと、肖像権の侵害で法律に触れることにもなるので細心の注意が必要です。子供の写真を投稿されたくない人もいらっしゃるので十分配慮しましょう。
位置情報をOFFにしていたとしても背景などから場所を特定されてしまうケースもあります。そのほか運動会のシーンを投稿したら体操服に書かれた名札から名前がバレたというケースも実際にあるので、投稿する前に特定される要素がないかきちんと確認が必要です。
子供の失敗談や変な写真など、親は面白いと思っていても子供本人にとってはそうでないことも多くあります。しかもそれが本人の知らない誰かにまで拡散されているとなると尚更。周りの反応欲しさに子供が嫌な気分になる可能性のある書き込みや写真は控えましょう。
言うまでもなく、個人情報は極力書かないようにしましょう。
おわりに
私は、子供が勝手にSNSに晒されているのはどうかと思っている人間の一人です。意思を伝えることのできない小さな子供でも、たとえそれが我が子だとしても人権は尊重してあげたいし、本人の同意がないのに個人情報や顔写真を不特定多数の人に晒すのは…と抵抗があります。子供をアップしている人は子供に投稿の許可を得てるの??とさえ思うほど大人の欲望のために子供を危険に晒す行為に疑問を感じています。
ご紹介したリスクを知っていたとしてもそれでも載せたいというのであればまだしも、リスクを理解せずに載せている人が多いと感じるので今回この記事を書くことにしました。
私は「子供に許可なくリスクを高める行為を親が勝手にしていること」が問題だと思っています。
なので子供が成長した時に本人がSNSをやることには反対しません。それは子供の意思だからです。SNSをやるリスクはもちろん教え、わかった上でなおやりたいというのであれば本人の意思を尊重しようと思っています。
誰だったか忘れてしまったのですが「SNSに投稿した写真や書き込みを自分の家の玄関に貼ることができますか?もしできないのなら貼れる内容にしなさい」とおっしゃっていたのを思い出しました。SNSは顔が見えないのをいいことに人を傷つけることを平気で言う人が多いからです。
あ、これこれ。良かったら参考に見てみてくださいね→https://toyokeizai.net/articles/-/112368?page=3
過激な言葉、過激な内容で楽しんでいる人もいるのかもしれませんが、要は自分の玄関に貼れない内容の書き込みや写真はトラブルになる可能性をはらんでいる、ということです。
もしあなたが子供の写真や書き込みをSNSに投稿していたとしたら、玄関にそれらを全てを貼りだしてそこを通る人みんなに堂々と見せられるでしょうか?
実際にSNSトラブルで子供が親を訴えたケースも存在します。
子供の写真や情報をオンライン上にたくさん載せてしまっている親御さんは今一度内容を確認して、後々のトラブルを避けるべく消去できるものは消去してしまうことをオススメします。
便利なツールもリスクを知らないと大変なことになりますよ。
より安全に、楽しく利用することを心掛けましょう。
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