今や習い事をしていない子どもはいない!といえるほど、子どもの教育にお金をかける親が増えています。
年収により前後はありますが、小学生の習い事の代金が平均で月1~2万円ほど。
習い事の数も2~3つというのが平均的な数値です。
今回は“子どもの習い事”に焦点を当てていきたいと思います。
こちらも参考に→子どもにとって有効な時間の使い方とは?習い事は子どもの興味があることが大前提。
子どもに学びのチャンスを与える
「子どもには色々な経験をさせたい、今ある能力をもっと伸ばしてあげたい」という思いは大多数の親御さんが持っていることでしょう。
幼少期の子供達は自分から「○○を習いたい!」とはなかなか言えない(言わない)ものなので、親がその子の興味や性格を考慮して、「これをやらせたい」と始めることが多くあります。
習い事には子どもが新たな世界を知ること、できる喜びが自信に繋がること、苦手意識が薄れること、活躍の場が広がることなど、家に居るだけでは得られない魅力的な要素がたくさんあり、親は我が子に色々な期待をしながら時間とお金をかけて習い事に通わせ、子がよりよい人生を送れるようにと幼いころから下準備をするのです。
チャンスを与えられた子とそうでない子とでは決定的な差があります。
それは『経験値』です。
大人でもそうですが、「人からの話で知っていること」と「実際に経験したこと」では持つ意味が全然違ってきますよね。
実際に経験することで得られる知識・学びは何よりも強い武器になり、人生を豊かにするきっかけにも繋がってくるのです。
辞め時はいつ?
一方で、「子どものために」と始めた習い事で頭を抱える事案も出てきます。
それが“辞め時”です。
子供が成長して自分の意思がはっきりし始めると習い事が嫌になり「もう辞めたい」と言い出すこともよくある話。
子どもがどこまで本気で辞めたいと言っているのか確認するため、しばらく様子を見て判断するというご家庭が多いようです。
一時的にそう思って言ったただけなのか、継続的に辞めたいと思っているのか、子どもの気持ちをきちんと聞いてあげることが何よりも大切ですが、中には「時間もお金もかけてるのに中途半端には辞めさせない!」と半ば無理矢理習わせている方時々お見かけします。
これは特に珍しい例ではなく、意外とそういう親御さんは多いです。
でもここで疑問になってくるのは「誰のための習い事か」ということ。
「辞めたい」と子どもが訴える時、親がその気持ちにどこまで寄り添えるかというのは今後の親子関係にも非常に重要なポイントとなってきます。
習い事は誰のため??
「習い事は子どものため」と始めさせるのですが、純粋に子どものことだけを考えている人は意外と少ないのではないかと感じています。
子どものため以外に何の目的があるのかと言うと、「親の気持ちを満足させるため」。
これをやっておけば大丈夫、そこそこにできるようになるはず、という親の思いから子どもを通わせている例はよくあります。
それが悪いわけではありません。
ただ、親本意の習い事は子どもの興味が長く続かなかったり、親が辞めることをなかなか承諾しなかったりという傾向があり、本来の目的である「子どものため」が、子どもにとっては非常に苦痛に感じられることがあります。
・親が叶えられなかった夢を私に託してくる。私はやりたくないのに…。
・何度もやめたいと言っているのに辞めさせてもらえない。別のことに時間を使いたいのにそれができず悔しい…。
・イヤイヤ行っていたから何も身についてないし、思い出すだけで苦しくなる。
Yahoo!知恵袋より
実際に親が習い事を辞めさせてくれなかったという経験を持つ人は、習い事=とても辛い経験、という苦い記憶になってしまうことがあるようです。
「親が自分の気持ちをわかってくれなかった」「無理やりやらされた」という不信感が子供の中に芽生えると子供自身も苦しくなるため、注意が必要です。
辞めさせない理由
ではなぜ子どもが辞めたがっているのに親は承諾しないのでしょうか。
・支払った金額に見合うだけの成果が出ていない
・子どもの活躍=自分の活躍、と錯覚
・中途半端に辞めてしまうと、忍耐力のない子どもになると思い込んでいる
・続けていればそれなりにものになると信じ込んでいる
子どもへの期待が大きければ大きいほどに子どもへの負担は大きくなり、お金と時間を使って子供を苦しめてしまう結果に繋がる可能性が出てきてしまいます。
子どもが習い事を辞めたいと言ってきたとき、渋々続けさせることが子どものためなのか、親の思いのために子どもの貴重な時間を習い事に使ってもいいものなのか、冷静に判断していく必要があります。
一つ言えるのは、『習い事をさせれば何とかなる』というものではないこと。
本人にやる気がなければ何にも変わりません。
勉強嫌いの子を塾に入れ「これで成績が上がる」なんて安心するタイプの人は要注意です。
おわりに
周りのお友達が習い事をたくさんしていると「うちもさせたほうがいいのかな…」と親御さんが不安になりがちですが、親の安心感を満たすためにお子さんの時間を奪ってはいけません。
習い事をするのであれば、お子さんが興味を持ち楽しく取り組めるというのは必須条件です。
現在子育て中のご家庭は、幼いころから様々な習い事をさせ将来に備えるという傾向が強いように思いますが、習い事をたくさんさせることが子どもの人生を豊かにするかと言えば必ずしもイコールではありません。
習い事から得られる豊かさは、本人の「学びたい気持ち」があってこそ。
きっかけを与えてあげることは大切なことですが、それを継続するかどうかまで親が決めることには疑問を感じています。
親の思いと子どもの思いが一致しなくなったときには、子どもの意見を尊重できるゆとりが親には必要ではないでしょうか。
子どもは親の所有物ではなく、意志ある一人の人間なのですから。
コメント
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