米ホームドラマ【フルハウス】は子育てのお手本にも。~ありがとう、ボブ~

生活

アメリカのホームコメディードラマ【フルハウス】のお父さん役である、俳優のボブ・サゲットさんが65歳の若さでお亡くなりになったと一昨日報道されました。

「フルハウス」ダニー役のボブ・サゲットさん死去、フロリダ州でツアー中に(TBS系(JNN)) – Yahoo!ニュース

1993年からNHKの教育チャンネルで何度も放送されてきたドラマということもあり、「昔よく観ていた」「大好きだった」とのコメントが多く寄せられています。

私自身も30年近くフルハウスの大ファンなので、お父さん役を長年務めたボブ・サゲットさんが亡くなったという報せはあまりにも辛いものでした。

子供の頃は単なる娯楽として見ていましたが大人になってから見返すと、子どもとの向き合い方や叱り方など、親にとってとても勉強になる要素がドラマ内にたくさん散りばめられていることに気付きました。

親子そろって楽しめる「フルハウス」。

ぜひお子さんと一緒に観てみませんか?

「フルハウス」ってどんなドラマ?

フルハウスをご存知ない方のためにドラマを簡単に説明していきますね。

主な登場人物はこちらの6人。

左からデイブ・クーリエさん、ジョディ・スウィーティンさん、キャンディス・キャメロンさん、ボブ・サゲットさん、アシュリー・オルセンさん、ジョン・ステイモスさん(1988年5月9日撮影)     画像引用:ABC Photo Archives via Getty Images

交通事故で妻を亡くした夫が、義理の弟や親友の助けを借りながら3姉妹を育てていくという設定。

 

きれい好きの父親ダニー(ボブ・サゲット)、音楽と女性が大好きな義理の弟ジェシー(ジョン・ステイモス)、お笑いが大好きな親友ジョーイ(デイブ・クーリエ)、長女DJ(キャンディス・キャメロン)、次女ステファニー(ジョディ・スウィーティン)、3女ミシェル(オルセン姉妹)が毎回ドタバタ劇を繰り広げます。

 

シーズン4~5ではジェシーが結婚し、奥さんのベッキー(ロリー・ローリン)、や二人の間に生まれてきた双子の子ども達も同居するためますますにぎやかに。

 

全てのシーズン(1~8)で計192話あり、1話あたりおよそ25分。

 

ホームコメディーという位置づけながらも家族や友人、愛の大切さを存分に汲み取っており、命の誕生や死にまつわるもの、児童虐待や飲酒喫煙、性に関するものなど、生きていると直面する難しい問題をテーマにした回もあります。

 

成長する子どもにパパたちが狼狽するシーンや、子どもの心に寄り添いながらも間違っていることを正しい道に軌道修正させる姿は子育て中のパパやママの心にも響くでしょうし、嘘をついてしまったこと、友達に嫌なことを言ってしまった後のモヤモヤ、友達に負けた後の悔しさのやり場、恋をしたドキドキ感などお子さんも共感できる箇所が多いです。

 

全エピソードがTV-G(全年齢対象)の評価を受けており、全世代が楽しめる内容であることが証明されています。

fullhouse

こちらは私が好きなエピソードの一つ。

この日の子守りは親友のジョーイで、子ども達を寝かしつける時間にもかかわらずみんなでテレビで大盛り上がり。

そこにパパが帰ってきて…というシーン。

 

どのストーリーも前半はコメディー要素が強いですが、後半は大切な「何か」に気付かせる内容を含んでいて、時には涙が出てしまうことも。

 

見終わる頃には心に温かさが宿っている…そんなエピソードが多数あり、何度も観たくなりますよ。

子どもとの向き合い方の教科書に

ボブ・サゲットさんの死を受け、記事のコメント欄はサゲットさんやフルハウスのファンからの言葉で溢れていました。

中でも「自分が親になり、子どもへの向き合い方の参考にしている」という意見が目立ちました。

 

子どもが悪いことをしたときにカッとなって頭ごなしに怒ってしまうことも親なら経験したことがある方も多いと思います。

フルハウスでもそんなシーンは出てきます。

 

カッとなって怒ってしまったときは子どもはその迫力に圧倒され、何で怒られているかをきちんと理解できていなかったり、反抗心が芽生えて余計に言うことを聞かなくなったりする時がありますが、その後にきちんとフォローできているでしょうか。

 

フルハウスでは、大人達が冷静になったときに頭ごなしに怒ってしまったことを子どもに謝ったり、なぜあんなに怒ってしまったのかを子どもに理解させるシーンも多数あります。

子どもへの声のかけ方、そのタイミング、愛情をハグや言葉で表現することの大切さなど子育てにおいて大切な部分を客観的に見ることで、実生活に活かすことができます。

 

私がとても参考になったと思うエピソードの一つにシーズン3の「ステフの不安な夜」があります。

 

エピソードは数日前に地震が起きたという設定から始まります。

ここ最近、次女ステファニーの様子がおかしいことに気付いた大人3人。

ゴミ収集車の音に異常にビックリする姿、父親が不在だと不安で落ち着きがなくなる姿を見てジェシー(義弟)とジョーイ(パパの親友)は心を安定させるためにステフにカウンセリングを受けさせたらどうかと父親のダニーに提案します。

するとダニーは「あの子は病気じゃない。何時間か僕がそばにいれば元通りになるんだから」と反論。

状況が日に日に悪くなっていると伝えると「じゃあ自分の子が手に余るから任せますって赤の他人に頼むのか?」とダニーはさらに抵抗します。

そこでジェシーが一言。

「違う。ステファニーのために何でもしたいって言えばいいんだ。あの子を愛してるからって。」

そのセリフを聞いたダニーはカウンセラーと会うことを決めました。

 

親は道を逸れていってる我が子を何とかしようと必死になりますが、親の力だけでは限界があること、専門家の知恵を借りないとどうしようもないことも子育て中には出てきます。

我が家も長男が3歳の時に発達遅延で療育を勧められたことがありました。

私は「3歳なんてまだ発達途中。療育には行かせなくていい」と思っていたのですが、夫は「今できることをやるのが長男のためだ」と言い、すぐに通所の手続きを取り始めたのです。

結局「行かせたくない」という私の思いは長男のためでは決してなく、自分自身が発達遅延を認めたくなかったり、認めることでこの子の将来はどうなるんだろう…と不安になりたくなかったという自分勝手なものだったんですよね。

自分の感情のために子どもの発達や更生の機会を逃していたら、今頃すごく後悔していたと思います。

それを悟ったとき、このエピソードの「子どものために何でもしたい。あの子を愛しているから」というセリフがふと思い出されました。

愛しているからこそ、自分の気持ちとは反対のことでも子供のためになることならば受け入れる必要がある、と感じた出来事でした。

 

私は本当にフルハウスが大好きで、フルハウスの続編「フラーハウス」も含め全シーズンを購入し何度も繰り返し見返しています。

 

子どもの感情も豊かに表現されているので、子どもへの接し方にとても役立つと思いますよ☆

英語の勉強にも

フルハウスは何度見ても飽きることのないエピソードが多数収録されています。

そこでおすすめしたいのが、日本語で登場人物のセリフを覚えたら、次に英語バージョンで見てみるというもの。

話の内容は理解できているので、英語ではどのように表現されているのかを知るともっと面白くなります。

ちなみに先程のジェシーのセリフ「違う。ステファニーのために何でもしたいって言えばいいんだ。あの子を愛してるからって。」という言葉を英訳すると

No. I want you to say that you love Stephanie so much that you would do anything to help her.

となります。

どうですか?

そんなに難しい単語はないですよね。

文章の構成の仕方が日本語と違うので多少難しく感じるかもしれませんが、実はとても単純な文章構成であることがわかります。

英語が日常的に流れる環境は英語を耳に慣れさせるだけでなく、脳の活性化にも繋がるのでオススメです。

 

笑いあり涙ありのフルハウス、ぜひご家族で楽しんでみてください!

最後に、たくさんの人々に笑いと感動を与えてくれたボブ・サゲットさんのご冥福をお祈りいたします。

長い間楽しませていただきありがとうございました。

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