子どもが鼻血を出しやすいのは何で?思春期女子の場合は【代償性月経】の可能性も。

健康

子どもが鼻血を出すことは珍しいことではありませんが、その頻度が高い上に大量に出血すると親としては不安になりますよね。

子どもが鼻血を出しやすい理由と、疑われる病気、鼻血にまつわる豆知識をまとめておきます。

子どもは鼻の粘膜が弱い!

子どものお肌ってすべすべでみずみずしくてとってもキレイですよね。

でも、皮膚の厚さは大人の約半分ほどしかなく、とてもデリケート。

同じように、子どもの鼻の粘膜も大人に比べるととても薄く、ちょっとのことで傷つき出血しやすいのです。

鼻の粘膜が傷つくのはこんなとき!
・鼻をかむ、ほじる、すする
・風邪やアレルギー症状
・くしゃみ
・乾燥した空気
・暑さでのぼせたとき

 

「え!?そんなことで!?」と驚いてしまいますが、子どもの鼻の粘膜は非常に敏感。

子どもの鼻血の多くは、“キーゼルバッハ部位”と呼ばれる毛細血管がたくさん集まった箇所から発生しています。

 

鼻血が大量に出ている我が子を見ると親は焦ってしまいますが、まずは落ち着いて止血に集中しましょう。

正しい止血方法

鼻血を止める際、丸めたティッシュを鼻に詰めて止めるようなイメージがありますが、実は間違い。

鼻の内部の傷口にできたかさぶた状態のものを、ティッシュを抜く際に一緒にはがしてしまいまた鼻血が…という事態になりやすいのです。

背もたれのある椅子に座らせ、顔を少しうつむき加減にして鼻の下にティッシュを当て、親指と人差し指で小鼻を抑えて止血する

というのがベストな止血方法。

上を向かせたり寝かせたりしてしまうと、鼻血が喉の方に流れていき気分が悪くなることがあるので身体は起こしたままにしましょう。

鼻血後のドロっとした塊って何…!?

子どもの鼻血が止まる頃、レバー状のドロッとした血の塊のようなものが出ることがあります。

鼻血の最後に鼻から出てくることもあれば、喉の方に回って口から出てくることもあり、この現象を非常に不安に思って耳鼻科に来る親子が多いそうです。

これは“血餅(けっぺい)”と呼ばれるもので、出血を止めたり傷口を守るために血液がゼリー状に固まる正常の働きなので、何も心配はいりません。

鼻血が終わった際に鼻の奥に気持ち悪さを感じたら軽く鼻をかんで血餅を出しましょう。

強くかんでしまうとまた鼻血になるのでお気を付けて。

救急車を呼ぶ目安

通常の鼻血であれば15分ほどあれば止まりますが、稀になかなか止まらない鼻血もあります。

目安として

・鼻血が20分以上止まらない
・大量に出血している
・繰り返し鼻血が出る
・貧血の症状がある

などの症状がある場合は救急車を呼ぶタイミングです。

大量出血で貧血のような症状があらわれた場合は倒れると危険ですので、頭を高くした状態で身体を寝かせてあげましょう。

人の血液量ってどのくらい?

私達の体内には体重の約1/13程度あると言われています。

体重1kgあたり80mLくらいと考えられていて、具体的には体重50kgの人で血液の量は4ℓほど。

体内の全血液量の約20%(体重50kgの人で800mL)以上が短時間で失われると出血性ショック、30%(1200mL)以上の出血で生命の危険があると言われています。

子どもの血液量は体重の1/19程度しかなく、少ない出血量でも出血性ショックを起こす可能性が大人よりも高いです。

たかが鼻血ですが、短時間に大量に出続けている場合は迷わず病院か救急に相談し、適切な判断を仰ぎましょう。

鼻血の出やすい病気

あまり考えたくないことですが、病気のために鼻血が出ていることもあります。

子どもの鼻血で考えられる病気は白血病や血友病、紫斑病などです。

白血病

血液のがんといわれている白血病。

初期症状は風邪に似ていて、身体のだるさや発熱が起こりやすくなります。

鼻血や怪我などで出血しやすく、止まりにくい状態に。

鼻血以外にも歯茎からの出血や全身に青あざができやすくなるといった特徴がみられます。

血友病

出血をした際に血液が止まりにくかったり固まりにくくなったりする病気です。

特発性血小板減少性紫斑病(ITP)

特発性血小板減少性紫斑病は小児の場合は急性で起こることが8割で、主にウイルス性の病気に感染した後などに起こりやすいとされています。

ウイルス感染や予防接種がきっかけとなり、血中の血小板が急激に少なくなり出血しやすい状態になるという病気です。

毎年3000人ほどが発症すると言われていますが、小児急性の場合は何もしなくてもほとんど半年ほどで治ります。

 

異変を感じたらすぐにかかりつけのお医者さんに相談しましょう。

思春期の女子は代償性月経の可能性も

代償性月経?

何じゃそりゃ??と思う方も多いかもしれません。

代償性月経とは、通常の子宮からの経血の代わりに身体の違う部位から出血をするという現象です。

この現象は、無月経や過少月経等の月経不順により起こるとされていて、胃、腸、肺、乳腺、外耳道、目、歯茎、喉など、実に様々な部位からの出血が報告されています。

中でも鼻血が30%と率が高く、特に思春期で月経がまだ安定しない時期の女の子が鼻血を出しやすい場合は代償性月経の可能性があります。

鼻血がよく出るということで耳鼻科にかかる人が多いようですが、代償性月経の場合はホルモンバランスの崩れが原因となっているため、かかるとすれば産婦人科です。

個々の状態を見ながら、ホルモン剤や漢方等で月経を改善していく治療が行われます。

【余談】あれは代償性月経だったのか…?

私自身が15歳(中3)の時の体験談をお話ししますね。

15歳の夏休みに毎朝大量に鼻血を出す時期がありました。

塾の夏期講習に行きたいのに顔を洗っただけで鼻血が大量に出て15分くらい時間を取られていつも遅刻ギリギリで…。

そんな私を心配して母親が耳鼻科に行くよう勧めてきたため診察を受けに行ったところ、私の鼻の状態や私の話から、医師は「次の生理は量が少ないと思うよ」とおっしゃいました。

70歳くらいの男性の先生に突然生理の話をされて驚愕した記憶があるのですが、次の生理は医師がいう通りに量が少なく、鼻血と生理って関係あるんだー…と子供心に思った記憶があります。

まだ月経の周期や量が安定していない時期だったので、鼻血として出ていたのかな、と今になると思います。

結局その鼻血騒動は夏休み期間中だけで終わり、その後は平穏に過ごせましたが、もし定期的に鼻血が出るようなことがあるならば代償性月経かもしれませんので病院の受診をお勧めします。

おわりに

我が家の長女(10歳)は昔からホントによく鼻血を出す子で、夜中や明け方に鼻血で目覚めることもいまだにしばしばあります。

布団やシーツに垂らすこともあり、そうなると朝から大量の洗濯で…。

私自身も振り返ると鼻血が出やすい方だったので、学校に行くときにはいつも大量にティッシュを持って行ってました(笑)。

私もそうでしたが、鼻血の出やすい子どもは「学校で鼻血が出たらどうしよう…」と不安に思っている側面があります。

ストレスが鼻血の出やすさに繋がっているともいわれていますので、あまりにも鼻血の頻度が高くて学校がプレッシャーになっているようであれば、耳鼻科の医師と相談して粘膜を焼いて鼻血を出にくくさせる方法もあります。

 

これから気温が上がり鼻血が出やすい時期になりますが、気を付けて過ごしましょう!

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