【3D映像】7歳未満の子は避けて!頭痛や吐き気、視聴後すぐに斜視になったケースも。

健康

まるで画面から飛び出しているように見える3D映像。

本から飛び出ているように見える3D絵本。

今では遊園地のアトラクションや映画でも馴染みのある【3D(3次元立体画像)】ですが、目の発達段階にある幼児には、これらの映像が原因で健康被害が出る恐れがあるそうです。

実際にあった事例と共に子どもにどう影響するのかを見ていきましょう。

3Dで子どもの目が…

3D映像が何で子どもの目に影響を与える可能性があるのかを説明する前に、まずは事例を見ていっちゃいましょう。

例①

10歳の女児が3Dアートの絵本を購入しそれを楽しんでいたところ、1カ月もたたないうちに日常生活においてモノが二つに見える(複視)という現象に陥った。

例②

子ども(年齢不明)が3D映画を観た直後、斜視になっていた。元通りに治るのに数カ月の治療を要した。

※斜視とは…眼筋が異常を起こしている状態で、一方の目が物を直視しているとき、他方の目が別方向を向いている状態のことを言います。

 

これらの怖さは、短時間で目に影響が現れる点にあります。

一瞬でおかしくなるのに治すのには何倍もの時間がかかります。

7歳未満は見ない方がされていますが、例①のように7歳を超えていても影響が出ることはあるので注意が必要です。

子どもに3Dを控えたほうがいい理由

上記の例でもお分かりの通り、3Dは様々な影響を子どもに与えてしまうことがあります。

特に、6歳以下の子どもには3Dを避けるべきと提唱する眼科の専門医が多くいます。

ではなぜ6歳なのでしょうか。

立体視の完成は6歳頃

子どもの目というのは、生まれたての赤ちゃんの時にはボンヤリしか見えず、成長と共に少しずつ視力が上がっていき、3歳までが特に視力の伸びる時期だと言われています。

そして5歳になる頃には大人と同程度の視力になり、そこから間もなく発達を終えます。

子どもの視力の目安
生まれたての赤ちゃん…0.01~0.02
1歳児…0.1~0.2
3歳児…0.6~0.8
5歳児…1.0

発達するのは物を見るための視力だけではありません。

視力と同様に遠近感や立体感(合わせて立体視と言います)の機能も成長と共に発達していきます。

立体視の成長は生後半年頃から始まり、6歳あたりまで発達していくと考えられています。

発達途上で3D映像を見ることで悪影響となる恐れがあるため、6歳以下は見ない方が良いとされているのです。

フランス政府機関「13歳まで控えて」

子どもの目の障害を極力避けるため、フランスのフランス食品環境労働衛生安全庁(ANSES)は2014年11月に

「3D映像・画像の視聴は6歳未満の子どもには避けさせるべき。また、13歳までは『控えめ』にしたほうがよい」

とフランス国民に勧告しました。

国民の健康や食品の安全について多くの研究を行なっている機関の発表とあって、その事の重大さに注目が集まり、『子どもに3Dは控える』という考えはフランスでは常識化しています。

一方で日本では、総務省が2012年10月に「3Dテレビに関する検討会 最終報告書」を発表していますが、

「6歳くらいまでの幼児は立体視の発達過程にあり、3D映像の観賞は注意する必要がある」

との記載に留まっており、特に積極的に教育機関などに指導を促しているわけではありません。

もっと言うと3Dを見せるか見せないか、見せるとしたら何歳からか、という基準は親が決めてください、と家庭に丸投げされている状態です。

判断を親がするということは子どもの健康のために親が知識を付けなければなりません。

引き続き3Dをいつから見せても心配なくなるのか、もう少し掘り下げて考えてみようと思います。

3Dと目の仕組み

3Dってそもそもどんな仕組みで画像が飛び出して見えるか知っていますか?

人の目は左右に一つずつ、計二つありますよね。

左目で見た映像と右目で見た映像のわずかなズレや誤差(両眼視差)が生じることで、対象物の遠近感や立体感を私達は認識しているのです。

3Dはこの特性を取り入れた映像で、左目と右目にそれぞれ別の映像を見せて人工的にズレを作り出すことによって映像を立体的にしているのですが、3Dを見たあとの反応は人それぞれ違います。

3Dにより影響を受けるかは個人差

誤解のないように言っておきますが、3D映像はすべての子どもに悪影響があるわけではありません。

人それぞれに顔や身体に特徴があるように、目にも特徴があります。

3Dが悪影響を及ぼす可能性が高いのは、“斜視の素因がある子”。

元々目が斜視になりやすい性質を持っているかどうかに左右されるのです。

斜視を専門に診ている眼科医のサイトには、

両目で1つの像を結ぶ力が弱い人が3D映像を見続けていると斜視になる恐れがあります。

と記載されています。

3D映像を見る際に片方の目が中心に寄り、見続けることでそれが常態化してしまうことになりますので、お子さんがそのような因子を持っているのかどうかを眼科で調べてから判断したほうが確実です。

子どもの目の発達は8歳頃に終わってしまうため、何か異常が見つかったときのことを考えて早めに受診することをオススメします。

目の発達は8歳で終わる!異常を感じていなくても1度は眼科を受診した方がいい理由とは。

3D映像は目が疲れやすい

左右別々の映像を見るわけですから目の疲労はかなりのもの。

特に子どもは目のピントを合わせる力が大人に比べてまだ弱いため、大人以上に目に負担をかけることになります。

過去に眼科医の新見浩司医師が3Dゲームと眼精疲労についての実験を行っており、それによると、3Dゲームの画像は通常のゲーム画像の3倍以上も疲れを伴うことがわかりました。

男女25人の実験で15分後に「疲れ」を訴えたのは、通常のゲーム機で映像が見た人が20%だったものの、3D仕様のゲーム機では、その3倍以上の72%にも達した。45分後では、それぞれ62%、100%で、1時間後には、3D体験の4人だけが「気分が悪い」と訴えた。参照:3Dテレビ/映像は目が疲れやすい 子供の視力と注意点 | くらしデータ.com (kurashidata.com)

子どものゲームソフトでも3D映像を使用したものが販売されています。

場合によっては斜視を招いたり、吐き気や頭痛を起こすこともあります。

3Dを子どもにいつから、どのくらいの時間解禁するのか、ご家族で話し合ってみてください。

おわりに

3Dについて負の面をたくさん書いてきましたが、眼科では3Dを使った治療も行われていてプラスになっている面もあります。

特殊なメガネをかけ、飛び出している画像を本の中から見つけることができるかなど、子どもがきちんと立体視ができているかどうかの検査にも使用されています。

臨場感がありとても楽しい3Dですが、長時間見続けることは子どものうちはできるだけ避けたほうが良さそうですね。

子どもの目の健康、しっかり守っていきましょう!

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