先日、「東京大学を突破した子供の親に共通すること」というタイトルの記事に目を通したのですが、その共通することって何だと思いますか?
規則正しい生活?
栄養満点の食事?
親も一緒に学習する?
いえいえ、もっと簡単な、でもなかなかできていない、と思えることだったんです。
全体の1割しかちゃんとできていないこと
ある教育雑誌が東大生179人にアンケートを取ったところ、東大生の親の9割が「子供の話を聞くこと」を習慣化していたことが判明したそうです。
え?なにそれ?そんな単純なこと?うちはやってるから大丈夫だわ~、という声が聞こえてきそうですが、本当にできているでしょうか。
・子供の目を見てきちんと話を聞いていますか?
・何かをしながら片手間に聞いていませんか?
・話を遮ったり親の意見を押し付けたりしていませんか?
・笑顔で相槌を打ちながら聞けていますか?
東大生の親の9割が実践していた「子供の話を聞くこと」ですが、子供を持つ全ての親に範囲を広げると、実に1割程度の親しかこれを実践していない(できていない)と言われています。親全体の9割が子供の話を子供が納得できるまできちんと聞けていない、ということです。
これって大問題だと思いませんか?
「話を聞いてあげること」がなぜできないか
「話をする人の方を向いて、目を見てきちんと聞きましょう」と幼少期から家や学校で教わってきたはずなのに、なぜこんな簡単なことができないのでしょうか。
大きな原因は、時間のなさとスマホ、そして子供の話を聞くことを苦痛だと感じる親が多いことが挙げられます。
時間がない
共働き家庭だと特に、家のことをこなすことに親が集中しがちになります。
朝はお弁当、朝ごはん、送り出し、ゴミ出し、後片付け、洗濯…など、出勤時間ギリギリまでバタバタ。
仕事から帰宅したら晩御飯の準備、お風呂、洗濯の片付け等々、子供の就寝時間を気にしながらバタバタ…。
椅子に座ってじっくり子供の話を聞いてあげるということがなかなか難しく、家事をしながら聞いてあげるというパターンになりがちです。
子供自身の習い事が忙しくなかなか時間を割けない、という家庭も多いようです。
スマホ・テレビ
便利で楽しいスマホやテレビ。
南カリフォルニア大学とNPOが日本で調査を行った結果、対象となった子供の2割が親は自分よりスマホの方が大事だと思うと答えたそうです。
理由は「いつも触っているから」「話しかけてもスマホを見ているから」。
日本でも公共の場で幼い子供よりスマホに注目している親をよく見かけますが、家でもそうだとしたら子供も話す気は失せるでしょうね…。
子供の話を聞くのが苦痛
まだ幼い子供は自分の伝えたいことを言葉にするのが上手ではなく、たどたどしかったりよくわからない内容を伝えることが多いです。それはまだ生きた時間が短く表現に乏しいので当たり前なのですが、それにイライラしたり、興味もない学校や友達の話をされることが面白くなく苦痛だと感じる親が意外と多いんだそうです。
話してくれるだけいいじゃない、と傍目からは思いますが、忙しいときに限って話しかけてくる、というのも話を聞けない原因の一つとなっているようです。
親に話を聞いてもらいたい子供の心理
今日起こった出来事を親に聞いてもらいたい、という子供の心理をいくつか考えてみましょう。
・話に共感してもらいたい…自分の体験したことを伝えることで自分と同じ感情を共有してほしい。
・アドバイスが欲しい…ちょっと困ったことがあった時に、パパやママの体験から解決のヒントがもらいたい。
・愛情の確かめ…たとえ失敗しちゃった話だとしても、それを聞いてくれて受け入れてもらうことで「今のままの自分でいいんだ」と安心したい。
・自分の気持ちを整理したい…頭の中がごちゃごちゃした時に誰かに話を聞いてもらうことでスッキリすることって大人でもありますよね。子供も同じで、心のモヤモヤを「話す」という行動で「言葉」として発することでだんだん気持ちの整理がついていくものです。スッキリした状態で自分を見つめ直すことで発見や発展があったり、より深い思考を巡らせたりできるようになりますよ。
あなたもかつてそうであったように、成長と共に子供が自分のことを話したがらない時期がやって来ます。その時期を少しでも遅らせたり、親に話してみようかな、と思ってもらうには、それまでの親の「聞く姿勢」が大きく左右することになります。
聞いてるのか聞いてないのかわからない態度、めんどくさそう、常に何かをしながら、毎回話を遮られる、すぐにダメ出しをされる、後回しにされる…だと当然思春期には子供は口をつぐんでしまいます。
話を聞く、という単純なことですが、子供にとってはとても意味深い行動であることを大人たちは再度認識しなければなりません。
当然ながら子供の話を聞かない親の元で育った子供は同じように話を聞かない大人へと成長します。
もし今あなたが「子供が全然言うことを聞かなくて困っている」としたら、あなた自身が子供の話をきちんと聞いているのか思い返してみてください。
おわりに
子供の話を聞くこと。できているようで実際できていなかったんだろうな、と私自身反省しています。
ただ話を聞いているだけでなく、「それからどうなったの?」「その場合どうしたらよかったと思う?」と話を広げたり考えさせたりすることで子供の脳も刺激を受け活性化されるそうです。
毎日毎日じっくり聞いてあげることが困難だとしても、週末にゆっくり時間を取ってあげるなどでも効果はありますよ。
ぜひ笑顔でお子さんの話を最後まで聞いてあげてくださいね!
「問題を解決するためではなく、今の思いをただ聴いてもらえたら。
本音を話しても否定されることがないとわかったら。
きっとご家族は安心して、あのね……と話してくれるようになります」
著者の言葉より
「聴く力」に興味のある方はぜひご覧になってみてください。今までと景色が変わりますよ!
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