前回、「肥育ホルモン剤使用の外国産肉は安全か」という内容の記事を書いたのですが、近年ではアメリカ人自身もホルモンフリーの肉を求める人が増え、オーガニックを取り扱う店舗は大盛況なようです。
記事を書くにあたり色々調べていくと、アメリカ産牛はホルモン剤以前に餌にも大きな問題が潜んでいることが発覚しました。
今回はそのお話をしていきたいと思います。
前回の記事はこちら→安全性が疑問視される輸入肉。肥育ホルモンたっぷりで育った肉を安心して子供に食べさせられますか?
アメリカの牛が食べている餌は…
牛の餌と言えば、広い牧場に放し飼いにされた牛が牧草を食べているシーンを思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。
もちろん中にはそのように育った牛もいますが、アメリカ牛の中にはちょっと違うのもいるようです。
米国FDAは動物に非反芻動物のタンパク質を牛の餌に与えることを許容している。例えば、鶏糞や畜粉を牛に与えることは許容されており(鶏糞飼育)、牛や豚の肉骨粉は鶏の餌として与えられている。しかし、現実的に牛の肥育、飼育施設は中西部に、養鶏場は南部中心に立地していることから、鶏糞を与えるのは現実的ではない。
また、遺伝子組み替え技術を利用した大豆トウモロコシなどの植物性たんぱくを給仕するほうがコスト安であり、畜糞給仕は極めて稀なケースと言える。 Wikipediaより
ん?鶏の糞??牛豚の肉骨粉??遺伝子組み換えの餌???
ここでは「糞を餌にすることは稀」とされていますが、果たしてそうなのでしょうか。
遺伝子組み換え品・農薬まみれのトウモロコシ…
本来牛などの家畜は草を食べて生きているのですが、アメリカの食肉牛生産者はコストをカットするために遺伝子組み換え品や農薬が大量に使用されたトウモロコシなどを食べさせ、さらにはトウモロコシで牛が具合を悪くしないように抗生物質までも投与しているとのこと。
これに加えて早く出荷できるように肥育ホルモンまで投与されているのだから、人間は危険な要素がたっぷりな肉を作り上げそれを人間に食べさせているわけです。
抗生物質が大量に含まれていることの恐ろしさ
私達が病気になった時、回復を促すために抗生物質が使用されることがありますが、近年抗生物質が効かない耐性菌が増えつつあります。
家畜の成長を促す目的で抗生物質が投与された肉を人間が取り込むことにより、人間の中に少しずつ抗生物質が蓄積し、抗生物質が少しずつ体内に入ることで身体の中にいる菌も徐々にその環境に慣れてどんどん耐性化していくことが原因とも言われています。
2013年には耐性菌による死亡者数は世界で年間70万人以上と言われており、このまま手をうたなければ2050年には年1000万人以上の犠牲者が出るのではないかと懸念されています。
EUでは2006年に成長目的で抗菌薬を家畜に使用することを禁止し、WHOも「人や動物に抗生物質が効かなくなる危険性が高まっている」として成長目的での抗生剤の使用をやめるよう畜産農家に2017年に勧告しています。
耐性菌は人が生み出した自業自得の結果なのかもしれません。。。
世にも恐ろしいミンチ肉
食用の牛が肉となり市場に出されるとき、売り出せるのは牛1頭の重量のうちの約半分。つまり食肉部分は半分で、残りの半分が食べることのできないゴミになります。
この残った半分はどうなるのでしょうか。
これらのものはレンダリング・プラントという動物性脂肪精製工場に運ばれ、ぐちゃぐちゃのミンチ状にされます。そしてこれを乾燥させたものを食肉牛の餌として食べさせるそうなのです。
しかもこの残り半分だけではなく、病気で死んだ牛は1頭丸々、安楽死させられたペットや野良の犬や猫、車に轢かれて死んだ動物、サーカスで死んだ象等々がここへ連れてこられ、攪拌されて一つのミンチとなり、乾燥させられ、また家畜の餌へと戻る…。
死んだ動物の糞便を混ぜるのは当たり前、養鶏場で集められた鶏の糞も大量に混ざっているとの資料もあります。
これらを餌として育ったアメリカ牛…。人間が食べて病気にならない方が不思議に思えてしまいます…。
内海聡先生のFBより引用
医師である内海聡先生が去年Facebookでこのようなことをおっしゃっていました。
アメリカ牛
私は基本的に雑食家であってベジタリアンではありません。
しかし現在の肉はそーとーにやばいということだけは知っておいて損はないでしょう。
どこの牛がやばいというのはいいにくいし、ある意味ではすべてやばいともいえますが、その中でもアメリカ牛はあらゆる点においてやばすぎるかもしれません。抗生物質、ホルモン剤が入っているのは当たり前のことですが、こういうのは序の口といったほうがよいかもしれません。
アメリカ牛の何が問題というか、一つは肉骨粉です。
肉骨粉とは何か、皆さんはご存じでしょうか?
これは死んだ動物をミンチにして粉にしたものであり、病死した牛、豚などの家畜、死んだ犬、サーカスで死んだ象、スカンク、ネズミ、ヘビなど、あらゆる死体が運ばれてきて処理されます。
そしてその肉骨粉を食べているのは牛であり豚であり鳥なんですね。
つまり彼らは基本的に共食いをさせられていると述べてよいかもしれません。和牛とて例外ではない部分があるが、そこは日本の畜産のほうがまだましはましかもしれません。
たとえばアメリカ産牛肉のホルモン剤による残留エストロゲン濃度は、和牛に比べて140倍~600倍も高いというデータがあります。
アメリカ産牛肉では五倍の発がん性があるという報告もあります。さらにいや~な話もあります。
アメリカでは養鶏のごみでもある糞、要するに養鶏場の床にたまった大量の糞をかき集め、少量の大豆(もちろんGMO)を混ぜ合わせて牛に食べさせているという話があります。
そうやって育ったありがたいアメリカ牛を、日本では多くのチェーン店で使い、スーパーでも安売りされているわけです。
そりゃ安くできますよね。
現行の医学研究では焼き肉を週1.5回以上食べると前立腺がんのリスクが30%増える、精巣がんも増えるなどの研究が認められています。
そりゃこんな肉なんですから当たり前かもしれません。
これが真実だとすれば、アメリカ牛を食べるのが恐ろしくなりますね…。というか、食べる気がしない…。
国産牛にも外国製の飼料が使用されている!?
日本で育成されている牛はどのような餌を食べているのでしょうか。
牛の餌には大きく分けて2種類あり、一つは牧草やそれを元に作られた餌(粗飼料)、もう一つはトウモロコシや大豆を砕いて粉末状にしたもの(濃厚飼料)があります。
日本では2014年度の餌の国内自給率は全体で27%で、そのうちの78%が粗飼料、12%が濃厚飼料となっています。
足りない分の餌は全て輸入頼りとなっているのが現状です。
上記の図を見てもわかるように、国産の牛や豚でも国産の飼料を食べて育っているものはこんなにも少ないです。
ちなみに、海外で生まれたとしても、飼育期間が日本での時間の方が長ければ「国産牛」として店頭に並びます。品種に関わらず、飼育・育成された期間が最も長い場所を原産国として表示できるそうです。
ついでに「和牛」は明治時代以前から日本で独自の基準をもって交配、肥育された牛のことを言い、黒毛和種、褐毛和種、日本短角種、無角和種、上記を交配させた種に限定されます。和牛とはこの品種の牛のことを指し、和牛=日本生まれ日本育ちとは限りません。外国生まれ外国育ちでもこれらの品種であれば「和牛」と名乗ることができるのです。
これらすべてを合算すると、日本で生まれ、日本の飼料で育った家畜は極端に少ないと言え、肉を食す私達が自分や家族のために食の安全に関する知識を身につけ、食べて問題のない物かどうかを判断しなければならないということです。
食に関しては特に、無知ほど怖いものはないです。
後から気付いたところですでに危険物質が体内に蓄積されてしまっているでしょうから…。
おわりに
今の日本の食肉は、その多くを輸入に頼っています。輸入肉の方が国産肉に比べると安くて量が多く手が出やすいのは確かですが、輸入されているものがなぜ国産のものよりも安価で量が多いのか疑問を持たなくてはなりません。
日本では成長目的で家畜へのホルモン剤の投与を禁止しているので成長が遅く、その分コストもかかっています。しかし輸入肉にはホルモン剤が投与されていたとしても輸入が認められており、多くの消費者が知識がないためにその肉を食しています。
スーパーで売っているものは産地が表示されているのでまだわかりやすいですが、怖いのは表示義務のない外食産業で提供される肉類です。安さでおわかりの通り、国産牛はほぼ使われてはいません。自ら出向き、お金を払って、わざわざ危険なものを食べに行っているのです。
前回の記事でもお伝えしましたが、アメリカ牛は特に規制が緩く薬剤等の残留数値が高かったとしても検査すらされておらず、野放し状態で全国に拡散されています。日本の規制が曖昧かつ緩いことをアメリカもわかっているため、アメリカ牛の中でも特に粗悪なものが日本には流れてきているとの情報もあります。
これらの肉を食べた成長期の子供の身体に異変が生じたり、ホルモン系の癌を引き起こしている可能性があったり、病気の際に抗生剤が効かなくなる恐れがあったり…。もちろんすべてがアメリカ牛のせいだとは言えませんが、可能性は限りなく高いのではないかと疑っています。
牛肉を食べるのであれば、アメリカ牛は避け、国産若しくは残留基準値の規制対象となっているアメリカ以外の国の肉の方がまだマシだと思います。
私達消費者が食に賢くなることが健康への一番の近道。
必要な知識をどんどん身につけ、家族の健康をしっかりと守りましょう。
⇩⇩酪農家の実体験記。これを読むとますます考えさせられます…。⇩⇩
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