絵本で育む親子の絆。読み聞かせで心の基礎を作ることが将来の差につながる!

育児
StockSnapによるPixabayからの画像

お子さんをお持ちのお父さんお母さんは、お子さんに毎日絵本を読んであげているというご家庭も多いと思います。子供にとって絵本を読んでもらうということは父母の声に乗って絵本の中の世界へ飛び込むということ。描かれたイラストや声の抑揚により、どんどん想像を膨らませ独自の世界観を子供の中に生み出します。

幼いころから絵本と触れ合うことの大切さ、オススメの本をご紹介していきます。

本に触れあうことの大切さ

最大のメリットは親子のコミュニケーション

親の膝に座ったり隣にピタッとくっついたり…。読み聞かせの際は親子の距離がグッと近付いているはずです。親も子供も相手の温もりを感じると心地いい気分になり、愛情を感じるホルモンがたくさん分泌されます。この経験が何度も積み重なることで親からの深い愛情を実感し、自分のことも他者のことも大切にできる心を作り上げていくことができます。

感情、想像力、表現力の発達を促す

物語に出てくる主人公は性質も様々。優しいキャラ、意地悪キャラ、冒険心の強いキャラ…。それぞれの立場にたってみることで心情を理解することに繋がり、また主人公になりきることで達成感や成功体験を味わうこともできるので、その経験を実生活でも生かすことができます。謝ること、一緒に頑張ること、助け合うこと。憧れ、悲しみ、驚き…。生きていく上でのあらゆる感情や言動を絵本から学び記憶することで実際にその場面に直面した時に役立てることができます。相手の気持ちを感じるというのは相手の気持ちを想像してみることなので、自然と想像力も備わってきます。

「こんな世界があったらいいな」「こんなお友達がいたらいいな」という現実では叶えられそうもないことでも想像することでその世界を楽しむことが可能です。ドラえもんが長期に渡って厚く支持されているのも、想像力に溢れた未来の道具が次々と出てくる面白さ、仲間を思いやる心がどの世代の心にも様々な感情を湧き上がらせるからかもしれませんね。自分の世界にハマることは決して悪いことではありません。個性が求められる現代にはむしろ必要と言えるかもしれません。大人からしてみたら単なる夢物語の本でも子供にしたらキラキラ輝く世界に見えていることもあります。お気に入りの本が見つかったら繰り返し読んであげましょうね。

そして何度も繰り返し読むことで当然のように言葉を習得し語彙力が伸びます。言葉の意味を知り、会話に活用することは子供の脳を大いに刺激し成長を促します。何より子供本人が周りとのコミュニケーションを楽しむきっかけになります。言葉がある程度話せるような年齢になったら一方的に読んであげるだけでなく、大人が読んだ箇所をこどもにも声に出して読ませるようにします。療育現場に携わる方がおっしゃるには、これは将来小学校などで音読などをする際に詰まらずに読む訓練になるとのことです。吃音傾向のお子さんには特に有効だそうで毎日少しずつでもいいのでやっていくことで入学した後に音読で困ることが減るそうですよ。

文字に抵抗がなくなる

幼いころから本に触れ合う機会が多いと文字のたくさん書いてある本でも抵抗なく受け入れることができます。「本は楽しい」とこれまでの経験から子供が理解しているからです。本を通じて自分の知らない世界を学ぶことができることは子供の狭い世界を広げることになり、集中力を鍛えることにも繋がります。

どんな本を選んだらいいのか

本屋さんや図書館などで絵本を選ぶとき、文字(ひらがな・カタカナ)、数、時計、英語…などついお勉強系の本を手に取ってしまう…そんな経験はありませんか?

本を通じて知識を身につけることは重要なこと。できれば優秀な子に…と願うのはどの親もきっとそうでしょう。しかしその前にもっと重要なポイントが。それは「子供が心から楽しめる本」であるかどうかです。子供が面白いと感じない本はいくら役に立つことが書いてあっても頭には入ってきません。むしろ「本はつまらない」と誤解を植え付けてしまうことになってしまうことも。知識は後から付け足すことがいくらでもできますが、情緒(感性)が一番育つ時期は限られています。同い年の子に比べ早い時期に文字が書けた、計算ができた、などは8歳になるころには周りとほとんど差がなくなると言われていますが、内面は後から追いつくことができず差は一生開いたままだそうです。

人間として最も大切な「心の育つ時期」は主に6歳頃までと言われており、基盤となる心を形成するためには親からの愛情をたっぷりと受けることが最も大切。そして心の成長を促すサポート役として絵本の読み聞かせが重要となってくるのです。ですから6歳頃までは心の成長を意識して絵本を選ぶようにしましょう。

読み聞かせで大切なこと

読み聞かせの際は読み手は登場人物になりきりながら読んであげましょう。登場人物に合わせて声を使い分けると子供の興味も格段に増します。そして親が楽しそうだとそれが子供にも伝染するため絵本をとても面白く感じることができます。本を読んでいると話の途中で「何で?どうして?」と子供が質問してくることも多いと思いますが、「まだ読んでる途中だから」とスルーせずにその都度「なんでかな?」と一緒に考えるようにすると「共感」の気持ちが育ち、親子の絆も深まります。

逆にやってはいけないことは「親の価値観の押し付け」。絵本選び、読むタイミング、読んだ感想を求める、など全て親中心では子供は何も楽しくありません。親子であれ個々の人間。読みたい本、読みたい時間、本を読んで感じることは違うのが当たり前。「子供のために1日1冊は読み聞かせする」というルールを決めているのも親でしょうから、その義務感のために座らない子供を怒ったりイヤイヤ読んだりするのは本末転倒です。親が楽しんでこその読み聞かせ。

子供の心が育まれるのは親が一緒に楽しんでいるとき、と言えるのではないでしょうか。

オススメの絵本

ねずみのいえさがし

小さなねずみが快適な家を見つけるためにあちこち探しまわるストーリー。この絵本のいいところはなんといっても言葉のリズム。寒い、暑い、広い、狭いなどの形容詞をリズミカルに使ってストーリーが進んでいきます。言葉の幅が広がるだけでなく挿絵(この本は写真)を見ながら独自に話を展開していくことも可能で親子で楽しめます。この本はシリーズで3冊あり、それぞれ1冊ずつ完結はしていますが3冊そろえる方が楽しめます。2~6歳頃のお子様にぜひどうぞ!

命はどうしてたいせつなの?

命を大切にといいながら人間は生き物の命をもらって生きている。生きるってどんなこと?心との関係は?心が辛くなったときはどうやって乗り越えたらいいの?

「生きる」とはどういうことかを子供にわかりやすい言葉で伝えた内容の濃い絵本。いつも当たり前だと思っていることが実はとてもありがたいことなんだと気付かせてくれます。大人が読んでも得るものが多く、親子で読むことを推奨します。小学生くらいのお子さんから楽しめると思います。

おへそのあな

今妊娠中のお母さんにお勧めなのがこの絵本。主人公はおなかの中の赤ちゃんで、お母さんのおへそから外の様子がうかがえるというユニークなお話。赤ちゃんが生まれる前の家族の様子を「あるあるー!」と共感しながら読み進めることができます。2人目以降の妊娠であれば上のお子さんと一緒に「ママのおなかにいる赤ちゃんもお外見てるかな」と盛り上がること間違いなし。新しい命の誕生がさらに待ち遠しくなる1冊です。お話自体は簡単な内容なので小さいお子様でも楽しめます。

ねえだっこして

ちょっと番外編ですが、お子様に読み聞かせというよりも2人以上のお子様をお持ちのお父さんお母さんに読んでいただきたい絵本です。夫婦の間に子供が生まれ、それまでのようになかなか抱っこしてもらえない、相手にしてもらえない寂しさを飼い猫が表現しています。下の子が生まれるとそちらに手をとられ上の子を一人にする時間が少なからず出てきてしまう。その時の上の子の気持ちを知る手掛かりになる絵本。たまに読み返すといつもグッと来てしまいます。

おわりに

絵本の読み聞かせが子供にとっていかに重要か再認識できましたね。読み聞かせを毎日継続することが難しい場合は子供が希望した時だけでも触れ合いながら読むようにしましょう。絵本は子供の成長の支えになるだけでなく親にも充実した時間を与えてくれます。

今大人の日本語が乱れており、就職で言葉の汚さが目立つ志願者が多いそうです。将来のためにも絵本で「美しい日本語」を定着させ、人間性を豊かにする手助けをしましょう。

素敵な絵本に出会えますように。

 

 

コメント

テキストのコピーはできません。
タイトルとURLをコピーしました